出典:新スタジアム推進事業会社 新スタジアムの参考イメージ1
サッカー・Jリーグのモンテディオ山形は、2023年10月6日に新スタジアムの整備事業計画を発表しました。月内にも設計・施工者を決める事業者コンペを実施する方針です。
計画地は、現本拠地・NDソフトスタジアム山形に隣接する天童市の県総合運動公園南側の特設駐車場。Jリーグのスタジアム基準に準拠した1万5000人収容の球技専用スタジアムで将来的には2万人まで拡張可能とします。
新スタジアムは、季節を問わない施設の安定稼働を目指し、可能な限りスタンドを屋根で覆う方針で、屋根とスタンドコンコースの間から風雨が吹き込まない工夫や屋根部分にヒーターを設置するなど、寒さ対策や降雪対策に万全を期す考えです。降雪地帯でも快適な観戦環境を整え、コンサートや展示会など多目的利用で稼働日数をアップし採算確保につなげる狙いがあります。
出典:PayPal Park
新スタジアムは、山形の新たなシンボルとして多様性のあるボールパークを目指します。米国のサッカー専用スタジアム「PayPalパーク」と「Allianz Field(アリアンツフィールド)」を参考にしており、国内ではエスコンフィールドと同じく住居やホテル、商業施設などを併設し、試合の有無に関係なくにぎわいを生み出す環境を整えます。
出典:Allianz Field – MNUFC Soccer
一般の客席に加え、ピッチサイドシートやラウンジ、ファミリー席を設ける他、スタジアム内にシェアオフィスやワーケーションなどに対応する機能、設備の導入も検討。スタートアップ企業の誘致などによる地域活性化、特産品の販売等を行い地場産業の魅力発信、雇用創出にも貢献。
国道13号に近く、山形空港と山形市の中間地点にある立地を生かし、利用者やインバウンドを含め県内外からの観光客の交通・ツーリズムインフォメーションの拠点となるインフラを導入、災害発生時の防災拠点としての機能も備えます。
出典:新スタジアム推進事業会社 新スタジアムの参考イメージ2
建設費の調達は助成金や企業からの寄付などを含め、株式会社モンテディオ山形が多角的に検討を進めています。コストが上昇する中、100億円前後から120億〜125億円程度がターゲットSPC(特別目的会社)や新たな会社をつくり、事業を推進する構想です。新スタジアムの整備を巡っては、県内経済団体が主導し、2017年に新スタジアム推進事業会社が設立されました。その後、モンテディオ山形がプロジェクトを引き継ぎ、当初は2025年の運用開始を目指して事業を進めてきたが、新型コロナウイルス禍や物価上昇に伴うコスト増などの影響で事業計画を見直していました。
計画概要
計画名称:モンテディオ山形 新スタジアム整備事業計画
計画地:山形県天童市
収容人員:15,000人 ※将来5000人分増設可能な設計
事業主:新たにSPC(特別目的会社)を設立する構想
2023年秋 設計・施工者を決めるコンペを実施
2024年春 委託先を決定
2024年秋 設計を確定
2025年4月 着工
2027年7月 完成予定