
出典:三菱地所株式会社グループ案提案資料
神戸市は、「三宮周辺地区の『再整備基本構想』(平成27年9月神戸市策定)」において位置付けた新たなバスターミナルの整備に向け、スピード感を持って総合的に検討していくため、類似事業の実績やノウハウのある民間事業者を「基本計画アドバイザー」として公募・選定する手続きを行ってきましたが、その結果がまとまり2017年03月28に公表されました。
基本計画アドバイザー募集に対して、下記2グループからの応募があり、選定に関する委員会において、提出された資料及びヒアリングの内容を踏まえ、業務実績、体制や意欲、提案内容等を総合的に評価した結果、両グループとも基本計画アドバイザーとしてふさわしいものと選定されました。
【出典元】
→神戸市HP>三宮駅周辺の中・長距離バス乗降場の集約にかかる基本計画アドバイザー募集の結果公表
◆三菱地所株式会社グループ案(332点)
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/03/img/20170328162001-2.pdf
三菱倉庫株式会社
神鋼不動産株式会社
株式会社大林組
◆森ビル都市企画株式会社グループ案(316点)
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/03/img/20170328162001-4.pdf
株式会社アール・アイ・エー
株式会社竹中工務店
関電不動産開発株式会社
東急不動産株式会社
野村不動産株式会社
株式会社アベストコーポレーション
株式会社神戸ポートピアホテル

出典:三菱地所株式会社グループ案提案資料
神戸市三宮地区の再整備で、神戸市がJR三ノ宮駅南東に建設するバスターミナルビルは、神戸市中央区雲井通5・6丁目の1.6万㎡に建設されます。うち中央区役所や勤労会館、複合ビル「サンパル」などがある5丁目を第1期として、先行して事業が進められます。三菱地所を中心とする企業グループ案では、1期の高層部の最高高さは神戸市の景観規制ギリギリの165m程度となる様です。
この景観規制については、@関西人さんも触れられていましたが、本当に無意味な規制で神戸市への投資を自身で抑制しているだけです。札幌市や名古屋市の様にピンポイントで逆に高いビルに誘導し魅力的でメリハリのあるスカイライン形成を促す規制緩和が是非とも必要だと思いましした。三宮駅前の再開発案件は、今後40〜50年は神戸市の顔となる建物の開発計画となります。それが中途半端な規制の為に中途半端な計画にならないように、神戸市にクレバーな対応をお願いしたい所です。

出典:森ビル都市企画株式会社グループ案(316点)
今後の開発スケジュールですが、第1期(東側)が、2017年度に事業手法を確定し、都市計画決定を経て20年度中の工事開始、2025年度の完成を目指しています。西側の第2期以降も2024年度中の工事開始を目指す、としています。

三宮駅周辺では、神戸阪急ビル東館 建替計画(高さ約120m)が既に着工しており、JR西日本も三宮駅ビルを高さ約160mの超高層ビルへの建替えを計画しており、現在のビルは2018年3月末に閉館(三宮ターミナルホテルは2017年12月末に営業終了)すると発表しています。さらに、神戸市役所2号館建て替え検討へ 集客施設導入も 検討されるなど、神戸都心の再開発がいよいよ動き出した感じです。
神戸市在住の同僚は「最近の三宮はスカスカやわ」とボヤいていました。京阪神三都の中で、中心駅の再開発ではかなり出遅れている状況である事は確かです。特に相次ぐ再開発によって巨大化が止まない大阪・梅田の吸引力は強力でしょう。神戸市は阪神・淡路大震災により被った甚大な被害の復旧の為に多額の市債を発行し財務状態は非常に厳しかったですが、それでも震災から20年以上が経過しようやく財務体質が改善してきており、いよいよ街の魅力を高める攻めの投資を始める時がきました。後はいかにスピート感を持ってこれらの計画を実現させるか。これからの神戸市の巻き返しに是非とも期待したいと思いました。

