
阪神電気鉄道は2026年7月17日、2027年春に導入する新型急行用車両「3000系」で実施する座席指定サービスの名称を、「らくやんシート」に決定したと発表しました。
阪神電車として初めてとなる座席指定サービスで、大阪梅田駅から山陽姫路駅までを走る一部の直通特急・特急に設定。座席指定料金は、乗車区間にかかわらず一乗車300円です。
「らくやんシート」の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス開始 | 2027年春 |
| 対象車両 | 新型急行用車両3000系 |
| 設定車両 | 6両編成の大阪方から3両目 |
| 対象列車 | 一部の直通特急・特急 |
| 運行区間 | 大阪梅田~山陽姫路 |
| 座席指定料金 | 一乗車300円(税込) |
| 発売方法 | 今後発表 |
クロスシートとロングシートを組み合わせた1両

「らくやんシート」の車両中央部には、ロングシートとクロスシートを切り替えられるL/Cシートを配置。サービス提供時は進行方向を向いたクロスシートとして使用されます。

L/Cシートにはコンセント、リクライニング機能、ドリンクホルダーを装備。座席幅は一般車両と同じ470mmです。一方、車端部には阪神電車で最大となる幅500mmのロングシートを配置し、こちらにもコンセントが設けられます。ロングシートにはリクライニング機能とドリンクホルダーはありません。

公式レイアウト図からは、L/Cシート24席、ロングシート14席の計38席を配置する構成と読み取れます。車いすスペースも1か所設けられます。
「プレミアム車両」ではなく、低価格の着席保証サービス

注目したいのは、300円という料金設定です。関西の座席指定サービスでは、京阪電車のプレミアムカーが400円、阪急京都線の「PRiVACE」が500円。これらと比較しても、「らくやんシート」は利用しやすい価格帯に設定されています。
ただし、設備や座席構成を見ると、豪華さを追求した特別車両というより、日常利用の延長で確実に座れることを重視したサービスです。一般車両と同じ幅のL/Cシートに加え、車端部にはロングシートも残されています。
つまり阪神は、座席の高級化によって高い追加料金を得るのではなく、300円という低価格で着席保証を広く利用してもらう方向を選んだといえます。「プレミアム」ではなく「らくやん」という親しみやすい名称も、このサービスの性格をよく表しています。
大阪―神戸―姫路の移動に新たな選択肢

阪神3000系は、かつての「赤胴車」を受け継ぐ新色「Re Vermilion」を採用する次世代の急行用車両です。車内は赤系の座席と明るい内装でまとめられ、座席指定車両を除く各車両には、大型荷物などにも対応するマルチスペース「いこいこーな」が設置されます。
大阪梅田~山陽姫路という長い運行区間では、「追加料金を払ってでも座りたい」という需要は小さくありません。とりわけ通勤時間帯や休日の行楽需要では、300円の着席保証は高い競争力を持ちそうです。
一方、クロスシートとロングシートが同じ車両に混在するため、予約時に座席タイプを明確に選べる仕組みが重要になります。運行本数、設定時間帯、座席指定券の購入方法がどのようになるのか。今後発表される詳細が注目されます。
