近鉄奈良線連続立体交差事業は、近鉄奈良線の若江岩田駅から東花園駅付近の約3.3kmにおいて鉄道を高架化することにより9箇所の踏切を除却し、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化により都市の活性化を図る、鉄道路線の高架化工事です。2010年5月30日より、奈良行き(下り線)の高架化工事が完成し、現在は難波行き(上り線)の高架化工事が行われています。今回は東花園駅付近の様子をご紹介します。
【過去記事】
若江岩田駅 → 河内花園駅 → 東花園駅
■追跡取材リスト
【過去記事】
若江岩田駅 → 河内花園駅 → 東花園駅
■追跡取材リスト
まずは難波方面の様子です。難波方面行きの高架軌道が姿を表しており、前回とは全く様子が異なっていました。
難波側からホームを見通した様子です。2面4線の高架ホームが出来上がってきています。
東花園駅のホームは10両編成対応の長大ホームで、途中ゆるやかにカーブを描いています。
上り線ホームの真中付近の様子です。ホーム階に繋がる階段とエスカレータが見て取れます。
こちらは奈良側からホームを見通した様子です。
下りホームの東端(奈良側)から全体を見通した様子です。奈良側のホーム幅はかなり狭いです。
奈良方面の様子です。写真左側にある車庫(東花園検車区)へ続く配線が複雑に絡みあっています。
地上から見た様子です。上り線の高架橋が加わり迫力が増しました。
地上にある現在の上り線ホームの様子です。東花園駅は待避駅なので、上り線も1面2線で運用されています。
尼崎行き区間準急は阪神車でした。東花園駅始発の普通列車の案内が、当駅「始発」ではなく当駅「仕立て」と案内されていました。近鉄流の言い回しですね。
最後は地上から見た上り線奈良方面の様子です。今回の高架化工事のが完成すると、難波→瓢箪山駅の手前までの間、約13kmの連続立体化が実現する事になります。瓢箪山駅から先の石切駅までの区間は、生駒山を駆け上がる最大35.7パーミルの上り勾配が連続する急勾配区間となる為に連続立体化は難しいです。さらに先、石切からは新生駒トンネル(全長3,494m)を経て生駒〜菖蒲池付近までは、築堤または高架・トンネルとなっており連続立体化がほぼ完成しています。今回の区間が完成すると近鉄奈良線の連続立体化の進展具合は相当なレベルに到達する事になります。
ここ数年の近鉄奈良線の変貌ぶりは凄まじいです。①阪神なんば線の開通による神戸方面への相互直通運転の開始、②阪神線乗り入れに伴うVVVF車の大量配置、③連続立体交差事業の進展、④けいはんな線の開通による混雑緩和など近畿圏の私鉄路線の中でも最高位の進化を遂げている超近代的な路線に生まれ変わりました。今回ご紹介している東大阪市内の連続立体交差事業が完成すると奈良線への大規模投資は一段落となります。