政府は2022年10月25日の閣議において『新大阪駅周辺地域』を都市再生特別措置法に基づく『都市再生緊急整備地域』に指定する事を決定しました。「都市再生緊急整備地域」への指定が決まったのは、新大阪駅周辺の114haの地域です。
都市再生緊急整備地域においては、都市計画等の特例(都市再生特別地区等における容積率・高さ等の規制緩和)や民間都市再生事業計画制度による金融支援・税制支援措置等が適用可能となり、新大阪地区での再開発が活発化しそうです。
【出展元】→大阪府>新大阪駅周辺地域の都市再生緊急整備地域指定について
→第7回新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域検討協議会会議
新大阪駅は、リニア中央新幹線、北陸新幹線、なにわ筋線が乗り入れる予定で、今後、広域交通の一大ハブ拠点として重要性がさらに高まる見込みです。
2022年6月には、『新大阪駅周辺地域』において、駅とまちが一体となった世界有数の広域交通ターミナルのまちづくりの実現をめざし、将来像を官民が共有してまちづくりを進めていくため、「新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域まちづくり方針2022」がとりまとめられました。
今回の閣議決定を受けて、大阪府と大阪市は年末までに、国や経済界と共同で「都市再生緊急整備協議会」を立ち上げ、新大阪駅周辺のまちづくりの具体案を検討し、再開発を加速したい考えです。
新大阪地区には、ITベンチャー企業がかなり集積しています。現在の新大阪に足りないモノは、それなりの企業がオフィスを構えるに相応しいステータス性のある大規模オフィスや、集積する企業群が情報発信できる使い勝手の良いMICE施設です。さらに、駅と駅周辺はJR京都線・貨物線が地上にあり、新御堂筋がクロスする事で各エリアが分断されており、街区としての広がりを感じにくい街づくりとなっています。
情報発信施設として、駅前に展示場をもったMICE施設や国際級ホテルなどの受け皿があれば、新幹線ネットワークを介して広域集客が見込めそうです。グレードの高いオフィスは、最近でこそJR西日本が「新大阪第2NKビル」を建てましたが「ニッセイ新大阪ビル」や「新大阪プライムタワー」ぐらいしかありませんでした。
もっとも、今はコロナ禍の影響が大きく、新築の「新大阪第2NKビル」2.5万㎡程度の床が埋められない現実がありますが・・。
将来の新大阪駅は、リニア中央新幹線・北陸新幹線、なにわ筋線、阪神高速淀川左岸線など、鉄道・道路の広域交通ネットワークの整備が進み、日本屈指の一大広域交通ターミナルとなります。今回の『都市再生緊急整備地域』指定を受け、今後、再開発が活発化する事は間違いなさそうです。
今後は、駅と周辺地区の歩行者導線を整えて、一体感のある街づくりを行う事、情報発信施設としてのMICE施設と国際級ホテルの誘致、大企業が西の拠点を奥に相応しいステータス性のあるオフィスを整備し、街の『格』を上げる事が必要です。
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サジャさんへ。
私は新大阪での高さ制限緩和は梅田や中之島の高さ制限緩和へ向けた露払いではないかと見ています。
どうしても無視できない伊丹の高さ制限があるのと今の府市政にどこまでまちづくりの見通しがあるのか不安ですが…
制限いっぱいのデブビルが所狭しと立ち並ぶ品川のようなオフィス街にはなってほしくないです。
高さ制限?
先ず梅田から淀屋橋周辺の高さ制限を緩和しなきゃ。
東京は良くて大阪はダメな理由は何?
梅田はせめて250mぐらいまで緩和をして欲しい。少なくとも丸ビルの建て替えや、阪急の再開発までにはお願いします。
新大阪で高さ制限が緩和出来るなら梅田や中之島でも是非