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大阪府が「新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域 まちづくり方針の骨格」を発表



大阪府は、新大阪駅周辺地域の再開発について、まちづくり方針の骨格を公表しました。2037年頃予定のリニア中央新幹線の全線開業によるスーパー・メガリージョンの形成や社会状況の変化に備え、広域交通の一大ハブ拠点となる新大阪駅周辺地域の20年から30年先を見据えた新しいまちづくりのコンセプトを中間的にとりまとめたものです。

新大阪駅周辺地区は2018年8月に内閣府から「都市再生緊急整備地域の候補となる地域(候補地域)」として指定され、国や大阪府、民間事業者などが将来のまちづくりについて検討を重ね、「新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域 まちづくり方針の骨格」が取りまとめられました。新大阪駅周辺を中心に、直近の鉄道交通結節点となる、十三駅周辺、淡路駅周辺を含めた範囲が対象となります。

 

【出展元】
新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域>まちづくり方針の骨格【概要版】

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1243601.html

 

北陸新幹線 大阪延伸の環境影響評価方法書が公表、新大阪駅は2面4線の地下駅



 

「地方創生回廊中央駅構想」を軸に西日本の中枢拠点として整備へ


出展:日本プロジェクト産業協議会新大阪駅周辺エリアの都市機能強化の提言

2018年8月に近隣の阪急十三・淡路駅を含む新大阪エリア再開発の容積率緩和や税制優遇が受けられる「都市再生緊急整備地域」の候補地に選ばれました。検討協議会は、19年度までに計3回開催される予定で、2019年度を目途に新大阪駅周辺地域の将来像など、まちづくりの方針の骨格などを検討し、2020年度以降、都市再生緊急整備地域の正式指定をめざし、スーパー・メガリージョンなどに対応した都市機能の導入や民間都市開発の促進につなげ行く考えです。

 

 

 

 


出展:日本プロジェクト産業協議会新大阪駅周辺エリアの都市機能強化の提言

東海道・山陽新幹線に加え、中央リニア新幹線、北陸新幹線が乗り入れ、さらに関西国際空港とも「なにわ筋線」で接続される新大阪駅は、西日本のハブ駅として抜本的な機能強化が図られます。

2018年5月29日に行われた、国土交通省生産性革命本部(第7回会合)において、「生産性革命プロジェクト」の追加候補プロジェクト(案)が検討されました。その中の1つ「社会のベース」の生産性を高めるプロジェクトとして、地方創生回廊中央駅構想~新大阪が、日本の地方と地方をつなぐ~が追加候補として取り上げられました。「地方創生回廊中央駅構想」とは、リニア中央新幹線や北陸新幹線の大阪延伸を見据え、新大阪駅に大規模な地下ホームを新設し、東京と並ぶ新幹線網の拠点駅にする構想です。

 

 

 

新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域 まちづくり方針の骨格



今回発表されたリニア全線開通後を見据えた新大阪駅周辺開発方針の骨格は、これまで検討されてきた内容の纏め的なモノです。以下、発表された内容をかいつまんでご紹介して行きます。

前提条件として、大阪を中心とする京阪神大都市圏には、ものづくりや医療、ライフサイエンスなどの産業・学術研究拠点、ベンチャー企業が集積し、観光資源や多様な魅力をもつ都市拠点がコンパクトに集積する、世界的に見ても希な構造を持つメガシティを形成しています。

これから考慮すべき社会社会情勢は、スーパー・メガリージョンの成立による7000万人の巨大都市圏の形成アジアダイナミズム(人口、経済)の進展、Society5.0(超スマート社会)の到来災害(大規模地震等)への対応、持続可能なまちづくり(SDGs)などが上げられます。

 

 



将来の新大阪駅は、リニア中央・北陸新幹線やなにわ筋線、阪神高速・淀川左岸線など、鉄道・道路の広域交通ネットワークの整備が進み、日本屈指の一大広域交通ターミナルとなります。大阪が、世界の中で存在感を発揮していくためには、日本各地との連携を深め、アジアと直接つながり、その活力を取り込み、進化しつづける国際都市となることが重要です。

 

 

 



新大阪地区は「スーパー・メガリージョンの西の拠点」として、交流を促進し、多様な人や情報を融合して新たなビジネスを生み出すことが重要とし、ビジネス・産業を促進する機能を一体的に提供します。観光・文化などにも注力し、ツーリストのベースキャンプとして、日本各地とのネットワークを構築する。これらを実現するため、低利用な民有地の開発促進、公共空間と、民間建築物の重層的活用の促進、開発者と、利用者側のネットワーク構築などを行ないます。

 

 

 

 



また、広域交通ネットワークの一大ハブ拠点として、多様な交通サービスの提供や利用者一人一人に最適な交通モードへの乗換利便性を向上することで交通結節点機能を強化。国内外の利用者が安心して利用できるユニバーサルデザインの街づくりや、移動のシームレス化などを実現します。このため、新大阪駅の交通広場での立体的な空間利用の促進、地域内の回遊性を高めるシームレスな交通システム実証を行ないます。

今後は、新大阪の動きを国内外に広くプロモーションし、民間都市開発の機運醸成、新たな事業の創出、人の集積などの動きを作り出すほか、プロジェクト実現に向けた取り組みを官民連携で推進しています。早期実現可能なものは適宜、具体化を進める方針です。

 

 



発表された「新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域 まちづくり方針の骨格」は、非常に抽象的で概念的な内容ですが、中央リニア新幹線や北陸新幹線の開業、なにわ筋線の整備などにより、同エリアの拠点性が飛躍的に増す事は確実です。それに伴い、駅周辺の再開発が早くも活発化しつつあります。

今後は、方針の骨格をペースに、新たな街作りが行われる事になりますが、リニア・北陸新幹線の地下駅建設、新ターミナルビルの整備、駅周辺の再開発など、より具体的な施策が検討、実施されて行く事になります。10年後の新大阪エリアはどんな街になっているのでしょうか?

 

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