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京都駅東南部が“没入型アートの街”へ進化。チームラボ、スーパーブルー、カイカイキキが集結する文化創造拠点とは!?


出展:チームラボ

2025年10月、京都駅の東南部エリアにチームラボの新常設ミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が開業します。さらに翌2026年冬には、米国発の体験型アート施設「スーパーブルー 京都」が加わり、同エリアは国内外の注目を集める新たな文化創造ゾーンとして生まれ変わります。市有地を活用し、アートと地域の再生を結びつけたこの再開発から、京都市の都市戦略と明確な文化的意図を読み取ることができます。


京都駅東南部がアートと共生の街へ。チームラボ常設館・スーパーブルー京都など文化拠点の整備進む


出展:NTTアーバンソリューションズ

京都市は現在、「京都駅東南部エリアプロジェクト」の一環として、若者と芸術を基軸とした街づくりを本格化させています。従来、再開発が遅れていた東九条・崇仁地区において、市有地を活用した新たな文化施設の整備が進行中です。2025年にはチームラボの常設ミュージアム、2026年には米国発の体験型アート施設「スーパーブルー京都」の開業が予定されており、同エリアは国際的なアート拠点へと変貌を遂げようとしています。


再開発の遅れていた地域に新たな価値を創出

京都駅の南東側に位置する東九条・崇仁エリアは、かつて市営住宅や空き地が多く、開発が長らく停滞していました。住民の多様性や歴史的背景を踏まえつつ、京都市は2010年代から地域の再生を段階的に推進。2023年には京都市立芸術大学の新キャンパスが近隣に移転し、以降、文化芸術による都市活性化の方針が打ち出されてきました。


「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」、2025年10月開業(予定)


出展:チームラボ

2025年10月には、京都駅から徒歩圏にチームラボの新たな常設アートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が開業予定です。同施設では、光・泡・動きなどをテーマにした没入型アート作品を展開し、身体全体で作品に没入する体験型展示が行われます。これまでの代表作に加え、新作や日本未公開の作品も展示される計画で、国内外の観光客にとっても大きな集客拠点となる見込みです。


「スーパーブルー京都」、2026年冬開業(予定)


出展:NTTアーバンソリューションズ

続いて2026年冬には、NTT都市開発が手がける体験型アートセンター「スーパーブルー京都」がオープンします。ニューヨークのアートギャラリー「PACE」が主導する国際プロジェクト「Superblue」が運営に参画。ジェームズ・タレル、名和晃平、ニック・ケイヴ、JR(ジェイアール)など、世界的アーティストによる大規模な没入型作品が展示される予定です。

施設は鉄骨造2階建て、延床面積約1,382㎡で、1階が「スーパーブルー京都」、2階は地域の伝統工芸や学生・若手アーティストの作品を紹介するギャラリースペースとして整備されます。ワークショップや地域住民との協働企画も予定されており、文化と地域の接点を生み出す拠点として期待されています。


村上隆率いるカイカイキキも京都へ拠点移転

出展:カイカイキ

さらに2026年度には、現代美術家・村上隆氏が代表を務めるカイカイキキが、制作拠点を東京から京都に移転予定です。東九条南河原町に地上3階建てのアートスタジオを新設し、今後の制作活動の中心拠点となります。展示施設ではないものの、創作活動の舞台となることで地域の文化的プレゼンスがさらに強化されます。


若者と芸術による都市ブランドの再構築へ


出展:チームラボ

これら一連のプロジェクトは、単なる施設誘致ではなく、歴史的に課題を抱えていた地域に文化を媒介として新たな都市の価値を付与する試みといえます。若年層やアーティストとの共生を視野に入れた街づくりは、観光資源としてだけでなく、地域社会との持続的な関係構築をも見据えた都市政策です。

京都駅の東側という都市の一等地が、文化と創造性を基軸に再定義されつつある今、その変化は市内外のビジターに新しい都市体験を提供することになるでしょう。





施設概要


  • チームラボ バイオヴォルテックス 京都


    • 開業:2025年10月予定

    • 所在地:京都市南区

    • 主な内容:チームラボによる新作アート展示・体験型アートミュージアム

  • スーパーブルー 京都


    • 開業:2026年冬予定

    • 竣工:2026年6月予定

    • 所在地:京都市南区東九条東岩本町15番3、17番5(地番)

    • 延床面積:約1,382㎡

    • 事業主:NTT都市開発株式会社

    • 設計:プランテック

    • 施工:三煌産業

  • カイカイキキ 新アートスタジオ


    • 竣工予定:2026年度

    • 所在地:京都市南区東九条南河原町13-1




出典:京都市、NTT都市開発、チームラボ、Superblue 公式リリースより構成


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