平城宮跡は現在、平成20年(2008年)に公表された基本計画をもとに充実した公園づくりが行われています。従来は芝生が広がる広大な広場の所々に遺構の基礎が見て取れるだけの殺風景な公園でしたが、近年、朱雀門や東院庭園、第一次大極殿などが復原され当時の雰囲気を感じられる様になってきました。国営平城宮跡歴史公園の基本計画では、平城宮跡の保存と活用を通じて、奈良時代を今に感じる空間づくりをめざし、平城宮跡歴史公園を4つのゾーンにわけて、今後数十年の長期間にわたって段階的に整備が行われる予定です。
今回整備計画案がまとまったのは、朱雀門の南側、平城宮跡歴史公園の正面玄関となる拠点ゾーンです。平城宮跡の外側正面にあたる場所で、奈良観光ネットワークの拠点、公園全体の管理・運営の拠点として整備が行われます。
拠点ゾーン内は、朱雀大路エリア、拠点施設エリア、ターミナルエリアの3つのエリアに分かれます。朱雀大路エリアは朱雀門と一体となった公園の正面玄関と位置付け、交流イベントの会場としても活用されます。
朱雀大路の東側は拠点施設エリアとし、平城宮跡の出土品や資料の展示、宮跡全体のガイダンスを行う「平城宮跡展示館」が整備されます。2棟構成とし、想定規模は総延べ約7000㎡。事業主体は国土交通省で、概算建設費は約30億円です。
西側はターミナルエリアとし、バスやタクシーの乗降ができる交通ターミナルのほか、観光案内・物販施設(想定規模延べ約1200㎡)、飲食・交流施設(同)、団体集合施設(同約260㎡)、現在の平城宮歴史館を改修する休憩・宮跡展望施設などが設置されます。同エリアの施設は奈良県が整備し、建設費は約35億円を想定しています。
これらの建築物は落ち着いた色彩を使用し、朱雀門との差別化を図るため切妻造り・金属板葺きの簡素な屋根形状とし、朱雀大路側の壁面はガラスを使用、明るく入りやすい建物となります。
平城宮跡歴史公園は、同宮跡の保存・活用を図るため、08年度に事業化された国営公園です。国営公園区域(約122ha)と奈良県営公園区域(約10ha)を合わせ、一体的な公園整備が行われます。公園区域は拠点ゾーン、シンボルゾーン、緑地ゾーン、外周ゾーンの4つに分けられ、今回の対象となる拠点ゾーンは最も南に位置しています。平城宮跡歴史公園の総面積は122haもある広大な公園で、史跡遺構の復元などには膨大なお金と時間を要する為、何十年にも渡る息の長い計画となっています。
■シンボルゾーン
朱発掘調査・研究の進んでいる特別史跡区域の中心的なゾーンです。朱雀門や第一次大極殿などの復元建物、内裏跡や兵部省跡などの基盤表示しています。今後、復元エリアをさらに広げて、より一層奈良時代を体感・体験でできるように整備していきます。
■緑地ゾーン
シンボルゾーンの両側、未発掘箇所の多いゾーンです。若草山や生駒山などの眺望を楽しみながらの散策や自然観察など、草地や湿地の環境を活かした多様なレクリエーション利用ができるように整備していきます。大規模災害時の避難場所としての整備も併せて進めます。
■外周ゾーン
植樹により平城宮跡と市街地をわける、平城宮跡歴史公園の外周ゾーンです。公園や周辺の景観に配慮しながら、散策やサイクリングを楽しめる循環園路、循環道路や公園への出入り口、休憩所やトイレなどサービス機能に向けて整備していきます。
■拠点ゾーン
朱雀門の南側、平城宮跡歴史公園の正面玄関となるゾーンです。幅約74mの朱雀大路が往時の平城京のスケールを感じさせます。奈良観光ネットワークの拠点、公園全体の管理・運営の拠点となるよう整備していきます。
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