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『福岡天神センタービル建替計画』が始動へ!グリーンボーナス第1号認定で、福岡都心再生の新たな象徴に【2028年度竣工予定】


福岡市・天神エリアで進行中の「(仮称)福岡天神センタービル建替計画」が動き出しました。事業主体は野村不動産と竹中工務店で、2023年9月から解体工事が進められており、2025年12月に着工、2028年度の竣工を予定しています。

旧ビルは1976年に竣工し、長年にわたり天神の中核ビルとして利用されてきましたが、老朽化や耐震性の課題から更新が求められていました。新ビルは延床面積:約69,000㎡、地上21階・地下3階構成で、用途はオフィス・商業施設・駐車場・駐輪場。福岡市営地下鉄「天神駅」から徒歩1分の立地で、駅直結の利便性は維持されます。

この計画は、福岡市が推進する都市再生政策「天神ビッグバン」に連動しています。天神ビッグバンは、老朽ビルの建替えと都市機能の更新を目的とした官民一体の再開発施策で、容積率緩和などの都市計画支援により民間主導の開発を促進しています。これまでに天神ビジネスセンター福岡大名ガーデンシティといった成功事例が竣工済みで、センタービルの建替もその流れに位置づけられます。


注目すべきは、このプロジェクトが福岡市の新制度「グリーンボーナス」の第一号認定を取得した点です。これは、都心部における積極的な緑化を促す制度で、緑地や壁面緑化、環境配慮型設計を取り入れた建物に対して容積率の緩和等を付与するものです。

計画では、敷地内の広場空間や壁面、テラスへの緑化に加え、明治通り側にはセットバックによる開放的な歩行者空間を確保。昭和通り・明治通り側には地上・地下広場を整備し、南北方向の通路も設けて回遊性を高めます。単なる緑化にとどまらず、都市に“開かれた空間”として再設計されている点が特徴です。

さらに、福岡市が展開する「都心の森1万本プロジェクト」や「Fukuoka Art Next」とも連携。敷地内にはパブリックアートの設置が予定されており、景観と文化の調和を意識した計画となっています。また、災害時には帰宅困難者を受け入れる機能も備え、防災性にも配慮されています。

このように、環境、文化、防災、経済性といった都市に求められる多様な要素を一体的に組み込んだ本計画は、天神の都市再生における、新しい象徴的プロジェクトといえます。オフィスビルから複合都市空間へと進化することで、福岡の都市機能と魅力を次のステージへと引き上げる役割が期待されます。





【計画概要】


  • 所在地:福岡県福岡市中央区天神2丁目198番1外

  • 敷地面積:4,863.19㎡

  • 延床面積:約69,000㎡

  • 構造・規模:S・SRC・RC造/地上21階・地下3階

  • 用途:オフィス、商業、駐車場、駐輪場

  • 着工予定:2025年12月

  • 竣工予定:2028年度




出典:


  • 野村不動産株式会社・竹中工務店 プレスリリース(2025年7月28日)

  • 福岡市「天神ビッグバン」政策資料

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