IHGホテルズ&リゾーツとGIキャピタル・マネジメントは、京都市左京区に「リージェント京都」を2024年開業すると発表しました。場所は京都市左京区にある老舗料亭「岡崎つる家」の敷地内。同店は2021年4月から休業しており、新しい時代に即した形を模索していました。
【出展元】→IHGホテルズ&リゾーツ、2024年に「リージェント京都」を開業
→岡崎 つる家

出展:IHGホテルズ&リゾーツ リージェント 北京の客室
「リージェント ホテルズ&リゾーツ」は、1970年に創業したホテルで、東洋のシンプルさと西洋のエレガンスが融合した大胆な発想と、デザインの東西融合によるコントラストが際立つモダン佇まいが特徴のラグジュアリーホテルです。2018年にIHGがリージェントの株式51%を3900万米ドル(約41億4600万円)で取得し傘下に加わりました。IHGが展開するホテルブランドの中では、シックスセンシズ、インターコンチネンタルと並ぶ最高級ブランドの位置づけです。

一方、「岡崎つる家」は1928年創業に開店した老舗料亭で、皇室や貴賓が京都を訪れる際の宿泊・会食施設として利用されてきました。英エリザベス二世やダイアナ妃、米ブッシュ元大統領、仏ミッテラン元大統領など、各国王族や元首、令夫人などの要人に加え、内外の文化人にも愛された、由緒ある和の迎賓館でもあります。
今回の再開発計画は、「岡崎つる家」の敷地内にIHGホテルズの最高級ホテル「リージェント京都」新築し、同時に「岡崎つる家」の現在の建物を解体し、新たな施設を建築するというものです。「岡崎つる家」はホテルのテナントではありませんが「リージェント京都」と緊密な連携のもと営業を再開する予定です。
「リージェント京都」は全86室。「岡崎つる家」の伝統を継承した新生レストランとしての「岡崎つる家」、オールデイダイニングに加え、ロビーラウンジ、バー、フィットネスセンター、スパなどの施設を備えます。日本や京都の文化、芸術、芸能にふれる機会も提供する計画です。新たに建築される施設や庭園は、現在の建物の空間のあり方や景観との関係性を継承。杮門など遺構を残し、床柱、床板、建具、窓などの遺材を利活用しながら施設全体を再構成して行きます。

100 年余の歴史を有する「岡崎つる家」ですが、コロナ禍の影響や建物の老朽化などに伴い2021年4月から休業する事になりました。同店は「継続のためには形を変えざるを得ない、新しい時代に沿うべく新しい形で営業を続ける」として新たな計画を進めていることを公式HPで発表していました。
老朽化した施設を更新する為には莫大な予算が必要です。一方、富裕層向けのホテルが不足している京都に出店したいグローバルホテルチェーンは出店適地を探しています。
老舗料亭は京都でも有名観光地に近い類い希なロケーションである事が多く、料亭、ホテルの双方の思惑が一致して今回の計画に繋がったと思われます。もちろんコロナ禍による料亭を取り巻く経営環境の悪化も一因だと思います。

パークハイアット京都
料亭+最高級ホテルをセットで開発した例として「山荘 京大和」の敷地にラグジュアリーホテルを新築した、パークハイアット京都があります。この計画では、もともと敷地に存在していた老舗料亭「山荘 京大和」を竹中工務店が借地し、敷地内にある伝統建築物や庭園を保存・復元しつつ、新たな「山荘 京大和」と「パーク ハイアット 京都」が作られました。
二寧坂に面した街並みや周辺との景観に配慮した低層建築は、古都の雰囲気に馴染むようにしっとりとした優雅さを感じられる外観で、世界的なラグジュアリーホテルの要素を取り入れながら、近隣地域や訪れる人たちへの配慮が感じられる、まさに最新の『京建築』が誕生しました。「岡崎つる家」は「京大和+パークハイアット」の成功例を参考に、今回の開発を決断したのではないでしょうか。岡崎つる家+リージェントが成功すれば、今後このパターンの開発が後に続くかもしれませんね。
2022年5月の様子

現地の様子です。計画地は京都市左京区岡崎東で、近くにホテルオークラ京都 岡崎別邸があります。

南西側から見た様子です。閉店してから期間が経過しているので木々が鬱蒼としています。

南東側から見た様子です。

ハイアングルで見た内部の様子です。現状は、お化け屋敷の様ですね・・・。

料亭+最高級ホテルをセットで開発する「岡崎つる家」の再開発計画。IHGホテルズの最高級ホテル「リージェント京都」はどの様なホテルになるのでしょうか?計画概要の発表がとても楽しみです。
このホテルブランドは、先日のニュースの大阪進出するヒルトンの『ウォルドーフ・アストリア』に匹敵するくらいのラグジュアリーホテルなんですね♪