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クラブ関西が老朽化で仮移転へ 堂島ダイビル建て替え計画の大規模化とIHGグループ最上位「リージェント」導入の可能性


関西経済界の社交場として知られる「クラブ関西」が、会館の老朽化に伴い2025年7月末で閉館し、近隣ビルへ仮移転することが決まりました。隣接する「堂島ダイビル」も建て替え計画が浮上しており、入居中の「ANAクラウンプラザホテル大阪」が2025年10月15日に閉館することとあわせて、大規模再開発の機運が高まっています。さらに運営するIHGホテルズ&リゾーツは大阪都心部で最高級ブランド「リージェント」の導入を検討しており、今後の計画次第では「シン・堂島ダイビル」に同ブランドが入居する可能性が取り沙汰されています。

※アリー my dearさんから情報をいただきました、ありがとうございました!
※シン・堂島ダイビルは僕が便宜上名付けた仮称であり、計画名称ではありません

経済界を支えた「クラブ関西」 仮移転で伝統を継承

クラブ関西は1948年設立。経営者・学識者・文化人が集い、懇談や講演を通じて交流を深める場として長年機能してきました。現在の会館は1984年に完成。ホールや会議室、庭園を備え、会員数はピーク時に635人を数えましたが、老朽化が進んだため解体が決定しました。

移転先は同じ堂島エリアにある「フェニックスタワー」地下1階。11月4日から営業を再開し、名物料理である肉料理や欧風カレーも継続提供されます。クラブ関西は「仮移転」としており、将来的に現在の敷地への復帰を望んでいます。

堂島ダイビル 空中権活用の象徴

堂島ダイビルは1984年竣工の地上23階・高さ87m・延床約44,770㎡のオフィスビルです。特徴的なのは、建設時に隣接するクラブ関西の余剰容積率(空中権)を移転することで規模を拡大した点で、都市計画史上の先駆的事例でした。

近年の堂島・中之島周辺は再開発ラッシュの真っただ中です。


  • 堂島浜タワー(高さ約143m、容積率1600%)

  • Brillia Tower堂島(高さ195m、容積率1200%)

こうした事例を踏まえると、堂島ダイビル建て替えも容積率緩和を活用して200m級の複合超高層ビルへと発展する可能性があります。

ANAクラウンプラザ閉館 次なるホテルは「リージェント」か?

出展:Regent Hotels & Resorts

堂島ダイビル内に入居していた「ANAクラウンプラザホテル大阪」は、2025年10月15日で営業終了となります。これを機にIHGグループのホテルブランド刷新が注目されます。

IHGホテルズ&リゾーツは大阪を最重要拠点と位置づけており、インターコンチネンタル、ヴィニェット コレクション、VOCOなど複数ブランドを展開済みです。さらに2030年開業予定の大阪・夢洲IRを見据え、国際的な観光・ビジネス需要を取り込む狙いから、最高級ブランド「リージェント」の大阪都心部導入を検討しています。

その流れを踏まえると、建て替え後の「シン・堂島ダイビル」に入居するホテルは、ANAクラウンプラザからランクアップし、リージェントへ格上げされる可能性があります。リージェントは世界的に数少ない超高級ブランドであり、進出が実現すれば大阪の国際的評価を大きく押し上げることになります。

リージェント大阪進出へ!──万博・IR時代の都市格を映す“IHGの最高級ホテルブランド”誕生、大阪がブランド戦略の主戦場へ


大阪の都市戦略との接続

クラブ関西の移転とANAクラウンプラザの閉館という二つの転機は、単なる建物更新にとどまりません。北新地の社交文化を継承しつつ、国際級ホテルを呼び込む動きは、大阪の都市ブランド戦略と直結します。


  • 国際MICE需要の拡大:梅田の再開発やIRと連動し、世界規模の会議・展示会の需要を取り込む。

  • ホテルブランドの多層化:大阪都心でハイグレードから超高級までIHGブランドが揃うことで、需要の細分化に対応。

  • 都市景観の刷新:200m級のシンボルタワーが実現すれば堂島の新たなランドマークに。

今後の見通し

クラブ関西移転により堂島ダイビル建て替えはより大規模化する可能性が高まりました。IHGのブランド戦略とも連動して大阪都心の国際競争力強化につながる可能性があります。

今後、事業者から発表される具体的な開発計画は、関西経済界のみならず国際ホテル市場、都市開発分野からも大きな注目を集めることになりそうです。





出典元
経済界の社交場「クラブ関西」会館が解体、11月に近隣に移転へ 施設の老朽化で

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