Osaka Metroは2026年4月1日から、顔認証改札に対応したデジタル乗車券「Osaka Metro 30日乗車券」を期間限定・数量限定で発売します。
Osaka Metroでは2025年3月25日から、事前に登録した顔画像を使ってスマートフォンもICカードもかざさずに改札を通過できる顔認証改札サービスを提供しています。2025年大阪・関西万博に向けたキャッシュレス・チケットレス改札の取り組みの一環として整備されたものです。ただし現時点では、ICカードや通勤定期券・PiTaPaには対応しておらず、e METROアプリで購入したデジタル乗車券のみが対象となっています。今回の30日乗車券は、「顔認証改札で通勤したいというお客さまからのご要望を受けて販売する」とOsaka Metroが説明しており、これまで観光・おでかけ用途が中心だった顔認証改札を日常利用に近づけることを意識した商品です。
商品の仕様と使い方

価格は12,000円で、Osaka Metro全線(夢洲駅を除く)を30日間乗り放題で利用できます。大阪シティバス・いまざとライナー・オンデマンドバスは対象外で、小児料金の設定もありません。購入日から30日以内に利用を開始する必要があり、利用開始後は30日間有効です。発売期間は2027年3月31日まで、販売予定枚数は2万枚です。
購入はe METROアプリ限定で、会員登録・顔画像登録・チケット購入・顔認証設定の順に進めます。顔認証の設定は一度行えば有効期間中の再設定は不要です。なお顔認証改札は全駅・全改札口に設置されているわけではなく、非対応の駅や改札口ではQRコードで通過する形になります。
この商品が持つ意味

今回の30日乗車券は、顔認証改札の整備が完成したことを示す商品ではなく、日常利用への移行を段階的に進めるための中間的な商品と見るのが自然です。顔認証改札はまだ全駅・全改札口への設置が完了しておらず、通勤定期やICカードへの対応も実現していません。こうした過渡期において、30日という反復利用を前提とした商品を出すことで、顔認証改札を「体験型サービス」から「生活インフラ」へ近づけようとしている構図です。
販売枚数を2万枚に絞りアプリ専売にしていることからも、全面解禁ではなく段階的な運用検証を意識した設計といえます。通勤時間帯の利用状況、改札通過の集中度、認証の安定性、サポート負荷といった実運用データを積み上げることが、本格普及に向けた次のステップにつながると考えられます。

また、会員登録から乗車券購入・顔認証利用までをすべて自社アプリに集約する構造は、観光利用者に加えて通勤利用者との接点を広げるという点でも、Osaka Metroにとって合理的な設計です。Osaka Metroは2023年から万博に向けてQRコード・Visaのタッチ決済・顔認証改札を順次整備してきており、今回の30日乗車券は万博後のインフラを日常サービスへ接続するための取り組みとしても位置づけられます。顔認証改札が今後、日常的な交通インフラとして定着するかどうかは、この商品の運用を通じて得られるデータが一つの鍵になりそうです。
出典
- Osaka Metro ニュースリリース「2026年4月1日(水曜日)から顔認証改札も利用できるデジタル乗車券『Osaka Metro 30日乗車券』を期間限定で発売」

