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叡山電鉄、新観光列車「舞」を導入 700系を改造し100系として運行開始へ!


叡山電鉄株式会社は9月19日、開業100周年を記念して新たな観光列車「展望列車『舞(まい)』」を導入すると発表しました。対象となる車両は700系724号車と721号車で、2両編成に改造し、形式を「100系」として再出発します。営業運転は2025年中を予定しており、主に鞍馬線(出町柳~鞍馬間)で運行されます。

車両の概要

改造対象となるのは1987年に導入された700系車両です。冷房装置を初めて搭載した形式で、長年単行運転を中心に活躍してきましたが、登場から30年以上が経過したため、順次リニューアルが進められてきました。今回の改造で700系の更新は完了します。形式は100系に改められ、編成は101号車(旧724号車)と102号車(旧721号車)の2両で構成されます。

デザインコンセプトと外観

「舞」という愛称には、京都や洛北の地域性を反映し、四季の自然の中を旅する列車であることを示す意図があります。題字は書道デザイナー林真帆氏が手掛けました。外観デザインには春の桜や桃、夏のアジサイ、秋の紅葉、冬の南天といった沿線の植物を描いた「花の丸文様」を採用しています。さらに「瑞雲文様」「流水文様」を加えることで、季節の変化や自然の景観を表現しています。デザイン監修は川島織物セルコンが担当しました。

内装デザイン、新設スペースと機能

内装は京都の伝統文化をモチーフに構成され、壁面には淡い伝統柄を配置しました。座席は帯、握り棒は簪(かんざし)、つり手は髪飾りをイメージしています。床やつり手には木調素材を使用し、車内の雰囲気を統一しました。大きな展望窓を備え、車内から鞍馬線沿線の風景を楽しむことができます。デザインは株式会社IFOOが担当しました。

新設スペースと機能

車端部には「MAI-SPOT(マイスポット)」と呼ばれるユーティリティスペースを設置しました。短時間の休憩やスマートフォンの充電などに利用できます。装飾には京都・鞍馬山で産出される「鞍馬石」を使用し、地域性を反映しました。

さらに、叡山電鉄で初めて案内表示器を搭載し、日本語・英語・韓国語・中国語の4か国語に対応します。

バリアフリーと環境配慮

各車両の車端部には車いす・ベビーカースペースを1か所設置し、床材で明示しました。優先座席は色分けしてわかりやすくしています。このほか、ドア開閉表示灯、ドアチャイム、触知表示板も新たに導入しました。照明や表示器にはLEDを採用し、省エネルギー化とCO₂削減を図ります。

お披露目イベント

「舞」は9月27日に八瀬比叡山口駅で行われる「開業100周年記念式典」で101号車を公開します。式典終了後は一般来場者も外観を見学可能で、10月末に予定される「えいでんまつり」でも展示される予定です。

700系はこれまで、観光列車「ひえい」や沿線の寺社仏閣をテーマにした車両など、複数のリニューアルが行われてきました。今回の「舞」はその最終段階にあたり、叡山電鉄の次世代を担う車両として運行を開始します。地域文化を反映した車両導入により、観光利用と地域交通の双方に対応する体制を強化します。

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