泉北ライナーは、南海高野線・泉北高速鉄道線で運行している全車座席指定の特急電車で難波~和泉中央間27.7 kmを最速29分で結んでいます。泉北ライナーのデビューは2015年12月。以前は現平日に上り7本・下り6本、土曜・休日に上下各8本が運行されてましたが、8月26日のダイヤ改正から増発され、平日は上り12本・下り11本、土曜・休日は上下各12本になりました。
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まずは特急券を購入すべく、特急券・指定券売場に並びます。マニア目線では無く一般客と同じ目線で見る為に予備知識ゼロでの体験乗車です。
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現在の南海の特急電車は、南海本線は「サザン」「ラピート」、高野線は「こうや・りんかん」「泉北ライナー」の4方面に運行されています。特急券売場にあったサイネージモニタの表示が非常に解りやすかったです。
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窓口でチッケトを買って改札を抜けると・・・。おおっ、専用の自動券売機があるやん!こっちで買った方が早かったですね。
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券売機を見ると、やたらとボタンが多い事が気になりました。この券売機は「泉北ライナー専用」です。泉北ライナーの特急券は大人510円、子供260円のワンプライス。どの駅で降りても同じです。
あ、でもよく考えると全席座席指定なので、誰がどの座席を、どの区間専有するか?を把握して発券する必要があるんですね。それで細かく行き先別にボタンがあるのか・・・。
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ホーム上の発車標に「泉北ライナー」の表示が現れました。南海のLCD発車標は表示内容が非常に洗練されており、見やすくカッコイイです。泉北ライナーの表示もロゴマークになっており凝ってますね。泉北ライナーのテーマカラーは「ゴールド」です
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今回乗車したのは、泉北高速鉄道12000系(金ピカライナー)ではなく、南海11000系電車でした。この車両は1992年に高野線橋本以北のりんかんサンライン区間を運行する「りんかん」用の車両として4両編成✕1本が東急車輛製造で製造されました。
泉北ライナーの運行開始当初は、この南海11000系が使用されましたが、2017年1月に泉北ライナーの専用車両として泉北高速鉄道12000系が投入されました。金ピカ塗装で度肝を抜いた話題の車両ですね。その後、2017年8月26日のダイヤ改正から泉北ライナーの増発される事になり、南海11000系が泉北12000系に準じた金色ベースの専用塗装に塗り替えられ、再度運用に復帰、泉北高速鉄道12000系と合わせて2編成で運行される様になりました。
泉北高速鉄道12000系に準じた11000系の新塗装ですが、かなり似合ってます。
11000系のサイドビューです。金色とホワイトのツートンをベースにブルーカラーがリボンの様に配されたカラーリングは中々秀逸だと思いました。
乗降ドアー付近に大胆に配された「泉北ライナー」の文字。
泉北ライナーのロゴマーク。4つの丸印は、沿線のニュータウン4地域を現しています。
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難波駅のホームには乗車位置を示す案内表示器が設置されていました。
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折り返し前の車内清掃も終わり、いよいよ乗車開始です!
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泉北ライナーに使用されている、南海11000系電車の車内の様子です。この11000系はデビュー当初から「乗車してみたかった」車両の1つなので、形を変えて積年の願いが形を変えて叶った感じです。
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反対側から車内を見通した様子です。さすがにデビューから相当の年月が経過しているので車内設備は前世代のデザインで経年劣化を強く感じました。新型の泉北12000系の設備がかなり凄そうなので、サービス水準を揃える為にも、この11000系もそれに準じた水準にリニューアルする必要がありそうです。
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リクライニングシートは、フリーストップ式。座席の背面テーブルは無く、肘掛けにインアームテーブルがありました。また跳ね上げ式のフットレストも装備されています。
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天井照明は南海特急車の伝統である凝った光天井となっています。
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妻面の様子です。車内案内表示装置は3色LED式を採用。
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デッキ付近の様子です。
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洗面台の様子です。
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泉北高速線に入り、完全立体化された軌道を滑るように走ってゆきます。車窓から日没直前の夕日が見えました。座席指定の有料特急特有の優雅な時間が流れてゆきます。
30分少々の短い旅路でしたが、ほどなく和泉中央駅に到着しました。今回乗車した泉北ライナーは、車内設備をじっくり撮影したかったので、わざと空いていそうな列車を選びました。休日のラッシュ前の下りだったので乗車率は目測で20%程度だったと思います。乗車した感想は、近鉄ー阪奈特急の様な「通勤ライナー的な特急そのモノ」だなといった所でしょうか。一般列車が混雑する平日の朝・夕ラッシュ時なら利用価値がある特急電車だと思いました。
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泉北ライナーの運行距離27.7km、乗車時間30分程度は、近鉄奈良線の特急に似ています。大阪難波〜近鉄奈良間は32.8km、所要34分、特急料金は両方とも510円(大人)です。これらの特急は共にラッシュ時間帯に運行され、速達性ではなく「着席保証」を売りにした特急です。
近鉄は何十年も前から全席座席指定の特急を通勤ライナー的な位置づけで走らせており、沿線ユーザーは非常に訓練されています(笑)。疲れている時に、ワンコインを払って難波から座って帰れるのはとてもありがたいです。
またJRでも、阪和線の「くろしお、はるか」もラッシュ時は通勤ライナー的な役割を担っています。以前、僕は阪和線の和泉府中駅が最寄り駅だったので、新大阪から「はるか・くろしお」をチケットレス特急券で利用する事が結構ありました。出張・残業で遅くなった時、体調が悪い時などは、思わず課金してしまいます。また、これらの選択肢がある事は非常にありがたい事でした。一度、着席保証の快適性を体験してしまうと、もう戻れません。
泉北ライナーも徐々に定着して着ているようなので、先日デビューした京阪プレミアムカーなど、ワンコイン着席サービスは、少子高齢化の流れにより利用者数の増加が見込めない環境下、客単価アップにより収益性を確保する必要がある鉄道会社側の事情もあり、近畿圏の大手私鉄でもジワジワ勢力を拡大、定着して行きそうです。
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先日夕方の民放の情報番組で京阪のライナーと併せて特集されてましたね。
朝の通勤時間に限れば80%の乗車率があるだとか。
2年前の開業時に比べればほぼ倍だそうです。
泉北NT内に停車駅が多く、また快適さを一度経験してしまったリピーターさんの増加によるものだとのことでした。
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やはり同じ乗るなら新型のほうが良いかなというのが正直な感想です。
京阪特急のプレミアムカーの見事さに圧倒されたばかりだから、よけいにそう感じるのかもしれませんけれど…
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阪急も平日、京トレインを通勤ライナーとして利用するというのも手だと思いますけどね