阪神1000系電車は、阪神電気鉄道の急行系の通勤形電車です。2009年3月20日に開始した阪神なんば線の西九条駅 – 大阪難波駅間の延伸に伴う阪神と近鉄との相互直通運転に先駆けて、近鉄線内への乗り入れにも対応した急行系車両として2006年から製造が開始され、2007年10月5日より営業運転を開始しました。「赤胴車」の愛称がある急行系車両ですが、阪神なんば線・近鉄難波線・奈良線では普通としても運用されています。
阪神1000系は、先に登場した9000系および9300系をベースとしながらも、「ヨソイキ・モード」と名付けたデザインテーマのもと、阪神なんば線や近鉄奈良線といった新たな沿線において阪神の顔となる車両として、または「ちょっと乗ってみたくなる車両」として親しまれることを願って、従来車のイメージを受け継ぎつつ、車内・外のデザインを一新して登場しました。
シートはカンチレバーの片持ち式ではなく、台座のあるタイプとなっており意外な感じです。阪神8000系「タイプIV」以来阪神車の標準となっているバケットタイプのロングシートで、一般席のモケットの表地は、従来阪神車に見られる、えんじや金茶色といった暖色系ではなく、ドア部分のオレンジに対比して目を和ませる色となるオリーブグリーンなっています。
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正面から見た様子です。2面構成の側面窓は大きく開放感があります。最近の車大奥の車両に見られるシート中間部のスタンションポールは未設置です。
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シートのモケットは織り上げる際にグリーン系の糸と紫系の糸を織り合わせることでオリーブグリーンを発色、仕上がりは光の当たり具合や面によって発色が微妙に異なるようになっています。また、乗客着席時の掛け心地に配慮して袖仕切りの内張りにもモケットを張ってあります。
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袖仕切りの様子です。最近の車両に見られる大型タイプではない、肘掛け型となっており、袖仕切り上部にスタンションポール取り付けられています。スタンションポールの上部を車体の中央方向へ大きく膨らませることによって、立客と着席客の間合いを大きくとるとともに立客に与える視覚上の圧迫感の軽減に努めています。
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袖仕切りは白色の木目調となっています。
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乗降ドアー付近の様子です。こちもドア付近の床面の警戒色は未配置となっています。
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車内情報案内装置は3色LEDが乗降ドアーの上部に千鳥配置で設置されています。
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LED情報案内装置の反対側のドアー上部には、特大サイズの路線図が。山陽姫路から三宮、尼崎、大阪難波、近鉄奈良まで、1府2県に及ぶルートを持つ、阪神電車の現在のカバーエリアの広大さを端的に示しています。
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優先座席付近の様子です。モケットの色がグレー調となっています。
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運転席側の妻面の様子です。
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連結部側の妻面の様子です。
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天井付近の様子です。
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難燃基準の強化から従来のポリカーボネート製のグローブが使用出来なくなった為、蛍光灯グローブは省略されています。
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最後はもう一度、阪神1000系の車内を見通した様子です。阪神なんば線の近鉄乗り入れに合わせて大量増備された同車ですが、斬新な外観と異なり、内装は非常にコンサバ系な造りで「10年前の最新型」といった印象です。最近のトレンドである液晶モニタ(LCD)が未設置なのが若干寂しいですが、車内の快適性な乗り心地は中々のレベルだと思いました。
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>>車内情報案内装置は3色LEDが乗降ドアーの上部に千鳥配置
「みさの なま足 阪神電車」になるのは狙って。。。ないはずですよね。