松竹株式会社 は、2018年2月8日付けのニュースリリースで、現在休館中の京都四條南座が、2018年11月に開場することを発表しました。2016年2月より休館し、2年にわたり進められてきた南座の耐震補強をはじめとする大規模修繕改修工事計画は今年の10月末頃に完了、11月からいよいよ南座が復活しました。
【出典元】
→南座、11月新開場
【過去記事】
→2018年11月開場!京都四條南座耐震工事の状況 18.08
→京都四條南座の耐震工事は2018年10月で完了!
→京都四條 南座 耐震補強計画の状況 17.12
南座は京都市東山区にある劇場で正式名称は「京都四條南座」です。歌舞伎は、出雲阿国が1603年(慶長8年)の春、京・四条河原で阿国かぶきを創始したことが、その起源とされていますが、歌舞伎発祥の地で悠久400年近くに亘る今日まで歌舞伎を上演しているという意味で、日本最古の歴史と伝統を持つ劇場と言われいます。近代建築に桃山風の意匠を取り込んだ、現在の南座は、鉄筋骨鉄筋コンクリート造、地上4階、地下1階で1929年(昭和4年)11月に竣工しました。建物は国の登録有形文化財となっています。
南座の歴史を受け継ぎ、安全な劇場へ
今回の大規模修繕改修工事は「南座の伝統を保存、修復し、次の時代へ継承、発展させていく」というコンセプトのもと、「よき伝統、趣きを守る」「より安全で安心な劇場をつくる」「新たなニーズに応えられる劇場にする」ことを目指して行われました。南座は、国の登録有形文化財であり、京都市の歴史的意匠建造物に指定されている外観や内部の価値を維持し、昭和初期の名建築といわれる南座の建物の魅力を守りながら、耐震性の向上を図って安全安心な劇場へと生まれ変わる事になりました。
場内を「完全スケルトン化」。館内を3Dデータで記録、伝統を再生
南座の大規模修繕改修工事は非常に大規模な工事になりました。大屋根は軽量瓦に葺き替え、大天井に約4,500ピースの鉄骨を加えるとともに、205カ所に補強の耐震壁をつくることで、耐震性と強度を高められました。場内は、耐震補強工事の前に「完全スケルトン化」され工事を実施。工事前に取得した3Dデータを元に、特徴的な場内の折り上げ格天井、舞台上方の破風など、館内の歴史ある意匠を修復、再生を図るなど、最新テクノロジーを駆使し、伝統的な意匠を再現する取り組みが行われました。折り上げ格天井、舞台のプロセニアムの破風、桟敷席の擬宝珠付き欄干などはそのまま、美しくなってよみがえりました。
新開場する南座は「ナイトエンタテインメント」に本腰
南座発祥から400年の今年「出雲の阿国から始まった、面白く“かぶく”精神を持ったエンタテインメントを、南座から発信していきたい」と続け、従来の歌舞伎をはじめとした公演に加え、「京都の観光客、インバウンドへの新しいエンタテインメントを構築し、挑戦していきたい」。さらに興味深い取り組みも。
新しいエンタテインメントとして特に、さまざまな協力、提携を探りながら、「ナイトエンタテインメントに本腰を入れてやっていきたい」と迫本社長。挑戦を含めたいくつかの段階を経て、「南座に行けば夜のエンタテインメントがある」というところを目指します。「京都の伝統文化を担う方々の意見もとり入れながら、南座の発信したものが、京都へ、そして海外へと広がるようにしたい」
出典:歌舞伎美人より
メインエントランス付近の様子です。
美しい姿に蘇った唐破風の様子です。
大屋根は軽量瓦に葺き替えられました。
最後は引き気味で見た全体の様子です。
厳しい京都の高さ制限。エリアによってはそろそろ見直しても良いのではないかと私も思ってます。
>高層ビル解禁
南座のような「ザ・京都」ではないけども自治体は京都市な地域や、ビジネス街などで高さ制限が緩和される方向です。現状高層と言えるほどじゃない範囲でしょうが、高まる不動産需要と増えない供給にかられ、段階的に「上へ上へ」と行かざるを得ないのではないかと思います。
ttps://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20181115000183
>京都リサーチパークが満室に近いため、同駅から西大路通までの五条通沿道を緩和対象
>市は許可制度で認める上限を、景観上許容できる地域では明示する。具体例として、御池通沿道や市営地下鉄竹田駅(伏見区)、太秦天神川駅(右京区)、JR山科駅(山科区)周辺
京都もそろそろ一部では高層ビル解禁しても良いと思います。
ただし歴史的な街並みを残すところはきっちりと残してほしいです。
今の京都はどちらも中途半端。
無事にリニューアルを終えて再開場しました!これからも末永く親しまれる劇場であり続けて欲しいです。