
京都市は、同市の中心繁華街を東西に貫く四条通(烏丸通-川端通間、約1・1キロ)の歩道拡幅事業を進めています。四条通の歩道拡幅は「歩くまち・京都」を掲げる市の重点事業で、総事業費約29億円をかけて行われ、歩道を現行の1・2~2倍近くに広げる一方、車道は片側2車線を1車線に減らし、市民や観光客らが歩いて楽しめる通りとの性格づけを明確にする計画です。都心の幹線道路の車線を減らすのは全国でも珍しい取り組みで、2015年11月15日に完成式典が行われ、歩道の拡幅工事は完成しました。
都心の幹線道路の車道を狭めて歩道を広げ、シンボルロードを作る取り組みは、堺市の大小路シンボルロードが有名で、片側3車線 30m(6.0m-18.0m-6.0m)を1車線 30m( 9.0m-12.0m-9.0m) に変更した例があります。
【過去記事】
→京都・四条通の歩道拡幅と公共交通優先化(歩いて楽しいまちなか戦略)

【出典元】→京都新聞>四条通歩道拡幅6・5m、バス停4カ所に 京都市が整備へ
■都市計画決定
○区域:四条烏丸~四条川端 約 1,120m
○車線の数:2 車線 ※現在の4車線から車線を減少させ歩道を拡幅。
○道路幅員:22m ※現在の車道幅は 15m,歩道幅は 7m(片側 3.5m)
■整備目的
○歩道拡幅により,安心・安全な歩行空間を確保し,バスを待つ空間を拡大。
○バスの乗降をしやすく,バスと鉄道の乗継を便利にする。
○公共交通の利便性を高め,都心の商業施設等へ行きやすくし,まちの賑わいの創出を図る。
■整備内容
○バス停:分散しているバス停を西行き,東行きとも四条河原町と四条高倉に集約。 複数台が同時に停車できる長さで,歩道から張り出したテラス型とする。
○駐停車スペース:タクシー利用者の乗降や荷物の積卸ができるスペースを設ける。
○歩道拡幅:現在の片側 3.5mの歩道を,5.25m(1.75m増)に拡幅することを基本とする。
 ※歩道幅は,バス停部や交差点付近など,必要に応じて増減させる。

四条通には、多くの商業施設やオフィス、飲食店、土産品店などが並び、多くの買い物客や観光客が行き交っており、休日は昼間の歩行者数が約4万3千人に達しており、片側3.5mの歩道から人があふれんばかりの混雑を見せ、通るのがやっとの状況となっていました。
今回、拡幅計画工事が完成した四条通を歩いてみましたが、歩道の幅が従来の片側「3.5m」から、最大で2倍近い「6.5m」に広がった事でかなりの余裕が生まれた事が実感できました。ただ、歩道にかかっているアーケードは従来のモノをそのまま活用した為、拡幅された部分には基本的に屋根がない状態となっています。

ルイ・ビトン前の様子です。以前に比べるとメチャクチャ広くなった事が解ります。歩道の真ん中付近に見える変電ボックスの位置が、拡幅部分の広さを物語っています。


駐停車スペースを見通すとこんな感じです。この部分の歩道も拡幅されていますが、MAXの幅がある部分と比べるとかなり狭くなっています。自動車・歩行者の利用者の折衷案といった所でしょうか。

バス停の再整備も行われました。分散していたバス停を西行き,東行きとも四条河原町と四条高倉に集約。複数台が同時に停車できる長さで,歩道から張り出したテラス型となりました。

今回取材してみて気づいたのが、四条通のビルに取り付けられていた屋外広告物がめっきり減った事です。京都市の厳しい屋外広告物規制が効果を現し始めている事が実感できました。また、景観規制とは関係ありませんが、四条通沿いのビルの建て替えやリノベーションも進んでおり、街が成長している事が実感出来ました。
車道を減らし歩道を広げるという、思い切った施策を断行した京都市。歩行者側の立場から見ると、非常に快適になって街歩きが楽しくなりました。また、屋外広告の撤去が進み、街並みも洗練された気がします。四条通りの今回の取り組みは京都の都市格向上に大きく寄与すると僕は思います。
ここからは蛇足ですが、願わくば、四条通とクロスする河原町通の電柱電線の地中化を進めて欲しいです。僕は20年以上前から「京都のまさに都心部の繁華街なのに、なんでこの通りの電池下がされないんかな?」と思っていましたが、未だにそのままの状態でした。ファストファッションブランドの集積が進み、多くの観光客が訪れるエリアなので、早急な対策が必要ではないでしょうか・・。
					

