長崎県は2021年12月10日に、佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指すカジノを含むIR(統合型リゾート)施設について、来年4月28日までに国へ提出する『区域整備計画素案』を公表しました。素案は、県と、IR設置運営事業予定者である「カジノオーストリア・インターナショナル・ジャパン(CAIJ)」が作成。CAIJはオーストリア国有のカジノ運営企業であるカジノオーストリア(CAI)グループの強みを活かす、としています。
【出展元】→九州・長崎IR区域整備計画素案
予定区域は早岐港のハーバー・マリーナ周辺敷地を含む約32万㎡、IR施設の床面積合計は約55万を想定。MICE施設や魅力増進施設、タワーホテル、コンサートホールなどを計画しています。
素案によると事業者が公共ハーバー・マリーナを一体的に再整備する意向があるため、予定区域にこの敷地約1万㎡が追加されました。
事業規模は約3,500億円、年間来訪者数約840万人、経済波及効果は年間3,200億円、施設内雇用者数約1万人、雇用誘発効果約3万人、県納付金・入場納入金は年間300億円を見込んで居ます。
国際会議場を備えた MICE施設
国際会議場を備えた MICE施設は6000席の大ホール、展示総面積2万㎡以上の展示ホールなどで構成。CAI及びオーストリア国有企業との連携体制をとり、国内外のMICEやイベント誘致を推進します。
魅力増進施設「ジャパン・ハウス」
地域や日本の魅力を来訪者に発信する魅力増進施設「ジャパン・ハウス」は地上6階、地下1階建て、延べ約2.3万㎡の規模で計画し、劇場や飲食・物販施設、美術館などを設け、クールジャパンなど日本・九州・長崎が誇るコンテンツと最先端技術を掛け合わせて新しい魅力として発信します。
宿泊施設は2,000室以上
宿泊施設はタワーホテル、旧ホテルヨーロッパを改装したヨーロッパ風高級ホテル、高級温泉旅館まで「真の和洋折衷」のコンセプトのもと、2,000室以上の多様な選択肢を用意。先日の報道で、オーストリアの五つ星「ホテル・ザッハー」が進出予定であることが明らかなりました。また、温泉地に長期滞在して温泉療養を行う「湯治(とうじ)」の文化を表現した医療機関連携型の高級温泉旅館なども非常に特徴的です。来訪・滞在寄与施設としてコンサートホールやメディカルモールなどを設けます。
カジノ施設
カジノ施設はIR施設の一番奥に配置され、施設規模はIR施設全体の延べ床面積の3%以内となります。顧客層に応じて1階から3階までフロア区分がなされ、時計の設置、周辺へのATM設置禁止、賭け金額や滞在時間の上限設定など依存症対策にも力を入れる計画です。
都市型ロープウェイのイメージ
JRハウステンボス駅からIR施設までの移動手段としてロープウェーの整備を検討。CAIJは長崎空港周辺の港湾施設や上下水道などのインフラ整備として147億円を負担する方針。その他、バスターミナルの設置、大村港と早岐港間の海上交通網拡張なども計画しています。
長崎IRについてはCAIJが大型のIR施設の運営実績が無いこと、大阪IRのオリックスの様な国内メジャープレーヤーとのコンソーシアムが形成されていな事、初期投資約3500億円の資金調達の確度など、具体的な情報が明らかになっておらず、実現性に対する不安が残ったままとなっています。この辺りが今後クリアーになって行くか?その動向に注目が集まりそうです。今後、公聴会などを開き県議会の議決後、2022年4月までに国に対する区域認定申請を行う事になります。
以前のビジュアルではウィーンのシュテファン寺院をモチーフにしてオーストリア推しを打ち出してましたが、一気に変わりましたね。ホテル棟は偕老同穴を思わせますね