出典:MGM Resorts International
産経新聞が伝える所によると、大阪府市が誘致を目指す統合型リゾート施設(IR)に、唯一参入意向を示しているオリックスと米MGMリゾーツの企業連合が、IR整備に1兆円規模の投資を行う方針を固めたとの事です。20日にも府市へ提出する事業計画に盛り込み、国土交通大臣による区域認定を目指します。
新型コロナウイルスの感染拡大により世界でIRを運営するMGMの経営が悪化し、投資規模が数千億円規模に抑えられることが懸念されましたが、最終的に大阪での事業の将来性が見込めると判断し、当初の発表通りの大規模投資を行う事になりました。
米MGM・オリックス連合が、大阪IR整備に1兆円規模の投資を行う方針を固めました。半端なものは作らない意気込みが伝わってきますね!
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) July 16, 2021
<独自>オリ・MGM 大阪IRに1兆円投資へ(産経新聞)#Yahooニュースhttps://t.co/3MKPT3x1SN
出展:MGM RESORTS INTERNATIONAL
コロナ禍の影響を受け、混沌とした状況になっている日本版IRですが、大阪IRに参入を目指す米MGMは、2020年3Qの決算発表会の資料中で、同社の長期成長戦略として「大阪での統合型リゾートへの参入」「マカオでのフットプリントの拡大」「BetMGMを米国のスポーツ賭博およびiGaming市場のリーダーとして位置付けること」を掲げており、「大阪での世界規模のIR施設の開発など全ての事業拡大の機会に着手していく」と説明。改めて大阪IRへの参入をMGMの成長戦略の柱の1つであると表明していました。
また、今年の初め頃には、MGMリゾーツが意欲を示していた、英オンライン大手エンテイン社の取得を断念しました。この動きは、MGMが大阪IRにオールインではない事を暗に示しました。エンテインの取得に意欲を示し巨費を投じる事は、イコール、同社の大阪IRに対する投資意欲を削ぐ結果に繋がり、大阪から手を引く、もしくはパートナーシップの投資比率を下げる可能性があると危惧していましたが、MGMは結局、エンテインの取得を断念しました。結果オーライですが、大阪IRにとってはプラスに繋がる出来事でした。
海外のIR業界は新型コロナウィルス・ワクチン接種キャンペーンが進行し、徐々に活気を取り戻しつつあります。2021年6月には、マレーシアに本社を置き、シンガポールなどに拠点を持つ世界的なIRオペレータ「ゲンティン・グループ」が43億米ドル(約4650億円)を投じたラスベガスの最高級IR「リゾートワールド・ラスベガス(Resorts World Las Vegas/RWLV)」がオープンしました。ポストコロナを見据えた動きが活発化している中、日本版IRはいよいよ正念場を迎えつつあります。



