出展:愛知県> 航空空港課
愛知県の大村秀章知事は2021年12月13日に行われた定例記者会見で、中部国際空港にある現滑走路(延長3500m、幅60m)の東西に新たな滑走路を2本新設する案を表明しました。
従来の整備案は2005年に供用開始した現滑走路がある空港島の西側を埋め立て、新たに1本を増設する方向でした。新たな整備案はまず、現滑走路から見て旅客ターミナル側にある東側210m先で現在の誘導路を改修し、2027年ごろまでに2本目となる延長3290m、幅45mの①東新滑走路を整備します。東新滑走路を整備した後、老朽化が進んでいる②現滑走路の大規模修繕工事を実施。この時点で、新設した①東新滑走路を離陸専用、②現滑走路を着陸専用とし、発着能力を現行の最大1.2倍に高めます。東新滑走路の総工費は140億円程度を見込んで居ます。
【出展元】→中日新聞>中部国際空港の発着能力を約1・5倍に 愛知県などが構想
将来計画では、①東新滑走路から760m離れた西側の埋め立て地で3本目となる3500m、幅45mの③西新滑走路を建設。運用後は②現滑走路を廃止して、東西2本の滑走路をセミオープンパラレル配置とし、新滑走路2本の運用に切り替えます。埋立地は、現滑走路の沖合の西側230haとLCCターミナルの南側に位置する南東60haの計290haで、土砂量は合計約3800万立方メートルで埋め立て工期は約15年間です。最終的には空港全体の発着能力は現行の年に最大13万回から、約1.5倍となる19万5千回に高まる見通しです。
中部国際空港の滑走路は「セミオープンパラレル配置」
中部国際空港の滑走路整備計画の完成形は、2本の滑走路を「セミオープンパラレル」配置にする事です。セミオープンパラレルは2本の滑走路中心線間隔が760m以上、1,310m未満の滑走路レイアウトで、2本の滑走路を使用して同時に到着させることは出来ませんが(同時出発は可能)、2本の滑走路のうち、1本を到着用、本を出発用として独立運用することが可能となります。
以前の計画は、2本の滑走路中心線間隔が760m未満となる「クロースパラレル」でした。これは2本の滑走路のうち、1本を到着用、もう1本を出発用として運用することで、 先行到着機が滑走路か先行到着機が滑走路から離脱するまでの後続出発機の待機時間を最小限とすることが出来ますが、同時に発着させることは出来ません。整備費用は安く済みますが処理能力向上効果は最小です。
最も処理能力向上効果が大きいのは、滑走路中心線間隔が1,310m以上の「オープンパラレル配置」で、2本の滑走路を同時に使用して発着させることが出来、出発・到着交互(独立運用)が可能となります。ちなみに関西国際空港はオープンパラレル配置となっています。
(おそらくもうないでしょうけど、)関空で3本目の滑走路を造るなら、当初あった横風用でなく岸側にパラレルに空港島を造るべきだと思います。航空機の発達で横風への耐性も進み、騒音も軽減されてるので、水深の浅い岸に近づくほど工期、工費、地盤沈下の恐れが大幅に縮減されます。最近の世界の大空港もパラレルな設計が主流です。
東新滑走路と突き出たターミナルの搭乗口が近すぎるように感じますね、誘導路を潰すおかげで。むりやりセミオープンパラレルにした感じ。滑走路の幅も60mない45mだし。
誘導路1本恒久的に潰すのね。あまり賢いやり方だとは思えないけどなぁ。
オープンパラレルとセミオープンパラレルの違いなど1歩も2歩も踏み込んだ情報を知ることができて楽しくためになります。
セントレア施設内への駐車場から、鉄道からの動線はバツグンにいいです。
上がり下がりが少なくバリアフリー的な感覚になります。
ただ関空同様に、もともと小牧空港が都心部にあったのでアクセス面では遠いイメージがありますね。