兵庫県庁はどう変わる?「兵庫県新庁舎等整備プロジェクト基本計画策定支援業務」公募型プロポーザルの選定事業者を発表!

兵庫県は、公募型プロポーザルを実施し、「兵庫県新庁舎等整備プロジェクト基本計画策定支援業務」の受託候補者に昭和設計・NTTファシリティーズ設計共同体を選定しました。契約は2026年3月30日付で締結され、契約金額は72,600,000円、参加者は4者でした。今回決まったのは、新庁舎そのものの設計や建設ではなく、県庁舎と周辺エリアを今後どう再整備していくのか、その全体像を具体化するための支援事業者です。

今回のプロポーザルには、選定された昭和設計・NTTファシリティーズ設計共同体のほか、安井建築設計事務所、日建設計大阪オフィス、松田平田設計・三菱総合研究所共同体が参加しました。兵庫県は、県庁舎とモトキタエリアに求められる役割を的確に捉えた点、データ分析に基づく詳細な検討、シンプルで機能性が高くコストにも配慮した計画案、さらに周辺エリアや各敷地の特性を踏まえたにぎわいづくりの提案を高く評価しています。

今回決まったのは何か

兵庫県が今後まとめるのは、「兵庫県新庁舎等整備プロジェクト基本計画」です。中身は、県庁の機能や整備方針を定める「県庁舎機能整備計画」と、県庁周辺のにぎわいや景観形成、民間提案エリアの活用方針を定める「モトキタエリア整備計画」の2本立てです。今回の受託者は、この2つを一体で取りまとめる役割を担います。

県庁と周辺エリアはどう変わる?

選定された提案のコンセプトは、「5つのCOMを実現する庁舎づくり」です。柱となるのは、COM-pact、COM-munity、COM-municate、COM-fort、COM-mitの5つで、コストを抑えながら県の中枢機能を確保し、県民と職員の双方にとって使いやすく、街にも開かれた新庁舎を目指す内容となっています。提案概要では、この考え方を「オープンコモンズ・ひょうご」として整理し、県政、県民活動、県経済に多様な人が関わる場をつくる方向性を示しました。

特徴は、庁舎の建て替えだけでなく、県民交流、防災、情報発信、都心回遊まで含めて県庁の役割を見直そうとしている点です。さらに、モトキタエリア全体の回遊性とにぎわいづくりも一体で考えられており、提案では「圏域・コト・とき」の3つの軸で方向性を整理し、人流や人口分析も踏まえながら機能導入を検討するとしています。

また、敷地内の南北の高低差についても、ベンチとしても使える大階段、花壇や植栽と一体化した滞留空間、地域住民が日常的に使える通路などに活かす構想が示されています。庁舎内外や道路空間を有機的につなぎ、日常的なにぎわいを生み出そうとしている点も特徴です。

新庁舎には何が入る?


提案概要から見えているのは、新庁舎の執務機能、県民交流機能、ごこくホール、多機能スペース、メディアウォール、屋内外をつなぐ大階段、展望スペース、五国PR機能、防災関連機能、一時避難・受援機能、民間提案施設、回遊空間や広場機能などです。

とくに低層部には県民交流機能を配置し、1階ロビーは「ごこくホール」として、行政・県民・兵庫五国の共創と発信の拠点にする考え方が示されています。県庁を、用事のある人だけが訪れる場所から、より開かれた公共空間へ広げていこうとする方向性がうかがえます。

防災機能はどう強化される?

提案では、緊急輸送道路からの動線確保、一時避難スペースや受援スペースへの転用、防災性能の高いインフラ導入などが盛り込まれており、平時の利便性と災害時の機能を両立する「フェーズフリー」な県庁整備を志向していることがわかります。日常は県民に開かれた空間として使い、有事には人を守る拠点として機能させる考え方です。

費用はいくら?完成はいつ?

現時点で公表されているのは、基本計画策定支援業務の委託費72,600,000円です。これはあくまで計画づくりの費用で、新庁舎や周辺整備を含めた総事業費はまだ公表されていません。

委託期間は2026年3月30日から2027年3月31日までです。この期間に基本計画を取りまとめる流れなので、建物の完成時期も現時点では未定です。まずは2026年度を通じて計画を具体化し、その後に設計や整備スケジュールが詰められていくことになります。

なぜこの案が選ばれた?


今回の選定で兵庫県が重視したのは、目を引くデザインや話題性よりも、防災、財政、県民利用、周辺まちづくり、民間活力導入といった複数の条件を、無理なくひとつの計画にまとめる力だったとみられます。

提案では、公共性や開放性を打ち出しながらも、最初に「COM-pact」を掲げ、コストへの配慮を前面に出しています。さらに、ABWやDXの導入によって、庁舎規模の最適化や生産性向上も視野に入れています。理想だけでなく、建設費や維持費まで見据えた現実的な提案になっていたことが、評価につながった可能性があります。

また、採用されたのが昭和設計単独でもNTTファシリティーズ単独でもなく、共同体だった点も印象的です。都市・建築・空間づくりの視点と、運用合理性や設備、DXの視点が組み合わさることで、行政案件として整理しやすい提案になっていたと考えられます。県の評価コメントにも、「県と共に計画策定に取り組むパートナーとしての姿勢や対応力」が挙げられています。

今回の決定で何が動き出す?

今回の決定で、兵庫県庁再整備は庁舎更新だけでなく、県民サービス、防災、景観、都心回遊、民間活力導入を含む再編の具体化に向けて動き出しました。新庁舎の完成時期や総事業費はこれからですが、2026年度を通じて基本計画の具体化が進み、兵庫県庁と周辺エリアの将来像が徐々に見えてくることになりそうです。






出典元

  • 兵庫県 記者発表「『兵庫県新庁舎等整備プロジェクト基本計画』の策定支援事業者が決定」
  • 昭和設計・NTTファシリティーズ設計共同体 提案概要資料

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