兵庫県 都市計画道路 『園田西武庫線 (御園工区・藻川工区)』の全線開通で東西交通が変化 周辺4交差点の渋滞長が最大380m減、バス路線も延伸


出展:兵庫県 土木部

兵庫県は2026年7月28日、尼崎市北部を東西に結ぶ都市計画道路「園田西武庫線」について、全線開通後の交通状況を公表しました。

園田西武庫線では、JR福知山線をくぐる「御園工区」が2025年3月、藻川を渡る「藻川工区」が2026年3月に開通しました。これにより、大阪府境から西宮市境までの約7.25Kmが一本につながりました。

開通後は、新設区間の交通量が増える一方、周辺の踏切や迂回路では交通量が減少しました。主要4交差点の最大渋滞長も、それぞれ120~380m短くなっています。

さらに、阪神バスがJR猪名寺駅まで路線を延伸したほか、消防・救急車両の出動経路にも新藻川橋が利用されています。

都市計画決定から80年で全線開通



園田西武庫線は、尼崎市東園田町1丁目の大阪府境から、武庫町3丁目の西宮市境までを結ぶ都市計画道路です。大阪府側では国道479号・大阪内環状線に接続しています。都市計画決定は1946年。その後、区間ごとに整備が進められましたが、JR福知山線を横断する御園工区と、藻川を渡る藻川工区が長く未開通区間として残っていました。
工区 主な施設 延長 事業費 開通日
御園工区 にしとよJRアンダー 909m 約218億円 2025年3月23日
藻川工区 新藻川橋 564m 約41億円 2026年3月20日
御園工区は1997年度に事業着手しました。JR福知山線の運行を続けながら線路下にアンダーパスを整備し、あわせて三菱電機伊丹製作所の施設移転も行われました。

その後、藻川工区が開通し、都市計画決定から80年を経て園田西武庫線の全線が供用されました。

新設区間へ交通が移る



兵庫県の調査では、園田西武庫線の新設区間で交通量が増え、従来の迂回ルートでは減少しました。塚口本町6丁目北交差点東側の12時間交通量は、御園工区開通後の2025年4月には4,800台でしたが、全線開通後の2026年6月には8,500台に増えました。一方、前畑踏切東側では7,900台から5,900台へ、若王寺交差点東側では7,300台から5,800台へ減少しています。
調査地点 比較時点 2026年6月 増減
塚口本町6丁目北交差点東 4,800台 8,500台 3,700台増
前畑踏切東 7,900台 5,900台 2,000台減
若王寺交差点東 7,300台 5,800台 1,500台減
JR福知山線のアンダーパスと新藻川橋がつながったことで、踏切や周辺道路を迂回していた車両が、園田西武庫線へ移ったとみられます。

県の資料では、前畑踏切付近の車列が短くなり、宮園橋周辺でも自動車交通が減少したとしています。生活道路を通り抜ける車が減ったとの住民の声も紹介されています。

周辺4交差点で渋滞長が減少


出展:兵庫県 土木部

交通の流れが変わったことで、周辺の主要4交差点では最大渋滞長が短くなりました。最も減少幅が大きかった南町4丁目交差点の西行きでは、最大渋滞長が430mから50mとなり、380m減少しました。
交差点・方向 開通前 2026年6月 減少幅
南町4丁目・西行き 430m 50m 380m
ピッコロシアター南・西行き 400m 80m 320m
塚口本町6丁目・北行き 330m 60m 270m
久々知・西行き 210m 90m 120m
県は渋滞長を、信号が青から赤に変わった後も交差点を通過できず、道路上に残った車列の長さとして集計しています。ただし、開通前の数値は主に2016年9月、開通後は2026年6月に調査されたものです。開通直前と直後の比較ではなく、両工区の整備前後における交通状況の変化を示したデータです。

所要時間は県試算で約10分から約4分へ


出展:兵庫県 土木部

全線開通前は、塚口本町6丁目北交差点から東園田町3丁目東交差点へ移動する際、北側か南側へ迂回する必要がありました。県の試算では、北回りルートの所要時間は約10分、南回りルートは約8分でした。園田西武庫線を直進する新ルートでは約4分となり、北回りと比べて約6分短縮されます。ただし、約4分という数値は、開通後に実際の走行時間を計測したものではありません。道路の距離と旅行速度をもとに算出した試算値です。

阪神バスがJR猪名寺駅まで延伸

阪神バスは2026年5月9日、尼崎市内線「AD3系統」を園田西武庫線経由でJR猪名寺駅西口まで延伸しました。延伸にあわせて、「小園中学校前」「食満5丁目」「三菱電機前」「つかしん前」「JR猪名寺西口」の5停留所が新設されました。これにより、阪急園田駅方面とJR猪名寺駅、大型商業施設「グンゼタウンセンターつかしん」がバスで結ばれました。

消防・救急車両も新藻川橋を利用


出展:兵庫県 土木部

2026年3月に移転した尼崎市北消防署園田分署では、全線開通後、多くの出動で新藻川橋を通るルートを利用しています。県の資料では、従来の道路より幅員が広く走行しやすいため、現場や病院までの移動時間が短くなったとの消防署員の声が紹介されています。また、道路の混雑状況に応じて複数の経路を選べるようになったとしています。

尼崎市北部に新たな東西ルート


出展:兵庫県 土木部

園田西武庫線の全線開通後、新設区間の交通量が増える一方、前畑踏切や若王寺交差点周辺では交通量が減少しました。周辺4交差点でも最大渋滞長の減少が確認されています。道路の開通に続き、阪神バスの路線延伸や、消防・救急車両の出動経路の変更も行われました。自動車の通行だけでなく、公共交通や緊急車両の動線にも変化が広がっています。

今後は、新ルートへの交通転換が進むなかで、時間帯別の交通量や所要時間、周辺交差点の混雑状況がどのように推移するかが焦点となります。




出典

  • 兵庫県「新設道路の誕生で変わる、地域の利便性と安全性向上―都市計画道路園田西武庫線全線開通後の交通状況について」
  • 兵庫県「都市計画道路 園田西武庫線『藻川工区』の概要」
  • 兵庫県「都市計画道路園田西武庫線(御園工区・藻川工区)」
  • 尼崎市「都市計画道路 園田西武庫線の開通について」
  • 阪神バス「尼崎市内線AD3系統延伸に伴うダイヤ改正等について」
  • 神戸新聞「園田西武庫線の藻川工区が完成、80年で全線開通」

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