播磨臨海地域道路が都市計画決定へ大きく前進!第二神明~姫路・広畑 約32km、都市計画案と環境影響評価準備書を10月27日から縦覧


出展:兵庫県「播磨臨海地域道路(第二神明~広畑)の都市計画及び環境影響評価手続の状況」

兵庫県が計画を進める「播磨臨海地域道路」が、都市計画決定に向けて重要な段階に入ります。

兵庫県は2026年9月11日、第二神明道路から姫路市広畑までの約32kmについて、播磨臨海地域道路と関連4路線の都市計画案を作成したと発表しました。あわせて、大気質、騒音、振動、景観、生態系などへの影響をまとめた環境影響評価準備書も作成し、2026年10月27日から11月27日まで縦覧します。

当サイトでは2023年11月、詳細ルートと道路構造が示された段階で本計画を取り上げました。今回は、その計画を都市計画として確定させるための法定手続きが本格化したことが最大のポイントです。

第二神明~姫路・広畑、約32kmを4車線で整備


出展:兵庫県「播磨臨海地域道路(第二神明~広畑)の都市計画及び環境影響評価手続の状況」

播磨臨海地域道路は、神戸市から播磨臨海地域を経て太子町方面までを結ぶ、全体延長約50kmの高規格道路構想です。このうち具体化が先行しているのが、神戸市西区岩岡町古郷の(仮称)明石西JCTから、姫路市広畑区鶴町二丁目の(仮称)広畑ICまでの約32kmです。
項目 計画内容
対象区間 第二神明道路~姫路市広畑
延長 約32km
道路区分 第2種第1級・自動車専用道路
車線数 4車線
設計速度 80km/h
標準幅員 18.75m
主な構造 橋梁主体、一部土工・トンネル
接続施設 新設JCT 4か所、IC 13か所
主な接続先 第二神明道路、国道2号加古川・姫路バイパス、播但連絡道路など
約32kmにJCT4か所、IC13か所を配置する点が、この道路の性格を端的に示しています。単なる都市間バイパスではなく、播磨臨海部に集積する工場、港湾、物流拠点を広域道路網へ直結する産業インフラとして計画されています。

国道2号への集中を分散、物流の安定性を高める


出典:国土交通省近畿地方整備局

播磨臨海地域では、東西交通が国道2号バイパスや国道250号に集中しています。

国道2号バイパスには1日10万台を超える交通量となる区間もあり、慢性的な渋滞が発生しています。沿線には姫路港、東播磨港のほか、製鉄、化学、機械などの大規模事業所が集積しており、一般交通と物流交通が同じ道路に集中しています。

播磨臨海地域道路が担う機能は、次の3点です。
機能 効果
交通分散 国道2号バイパス・国道250号の混雑を緩和
物流強化 工場・港湾と高速道路網を直結
防災 災害・事故時の代替東西ルートを確保
特に重要なのが、物流の定時性です。所要時間の短縮だけでなく、渋滞による到着時間のばらつきを抑えられれば、生産や物流工程の安定化につながります。また、国道2号系統とは別の東西軸を確保することで、事故や災害時にも地域の交通・物流機能を維持しやすくなります。

都市計画案と環境アセス準備書が同時にまとまる



兵庫県は2023年11~12月に本線ルート・構造について住民説明会を実施し、2024年7~9月にはICアクセス道路などについて説明を行いました。2025年6月には都市計画素案に対する公聴会を開催しています。

今回、これらの意見を踏まえて都市計画案を作成しました。環境影響評価も、調査方法を定める「方法書」から、調査・予測・評価結果をまとめる「準備書」へ進みます。
手続き 現在地
概略ルート選定 完了
詳細ルート・構造案 公表済み
都市計画素案 公聴会実施済み
都市計画案 今回作成
環境影響評価方法書 手続き済み
環境影響評価準備書 今回作成
環境影響評価書 今後
都市計画審議会 今後
都市計画決定 今後
つまり、ルート選定を中心とする初期段階は終え、都市計画決定に向けた手続きの後半に入ったと見ることができます。

10月27日から詳細資料を公開

都市計画案と環境影響評価準備書は、2026年10月27日から11月27日まで縦覧されます。意見書の提出期限は12月11日です。準備書では、道路区域、高架・土工・トンネルの構成、JCT・ICの配置に加え、騒音、振動、大気質、日照、景観、動植物などへの影響と環境保全措置が示されます。

市街地と工業地域を約32kmにわたって通過する大規模道路だけに、今回の資料は、計画を地域の中へどのように落とし込むのかを確認する重要資料となります。

播磨臨海地域道路のタイムテーブル


時期 主な動き
2013~2016年 優先整備区間を検討・選定
2017~2020年 計画段階評価
2020年11月 「内陸・加古川ルート」を対応方針として決定
2021年7~8月 環境影響評価方法書を縦覧
2022年11月 国が詳細ルート・構造案を県・神戸市へ提示
2023年11~12月 本線ルート・構造の住民説明会
2024年7~9月 ICアクセス道路などの住民説明会
2025年6月 都市計画素案の公聴会
2026年9月11日 都市計画案・準備書の縦覧を発表
2026年10月27日~11月27日 都市計画案・準備書を縦覧
~2026年12月11日 意見書受付
今後 環境影響評価書の作成・審査
今後 都市計画審議会
時期未定 都市計画決定・告示
2024~2028年度 姫路JCT~広畑間の事業着手を目標
その後 詳細設計・用地取得・工事
未定 開通

いつできる?まず姫路JCT~広畑の事業着手が焦点

第二神明道路~広畑間約32kmの全線開通時期は、現時点では未定です。

一方、兵庫県の「ひょうごインフラ整備プログラム」では、姫路JCT~広畑間を2024~2028年度の前期に事業着手する方針が示されています。これは2028年度までの開通を意味するものではありません。都市計画決定後も、事業化、詳細設計、用地取得、橋梁・トンネルなどの建設が続きます。

約32kmすべてを短期間で一括整備するには事業規模が大きく、実際の整備は優先度や事業効果の高い区間から段階的に進む可能性があります。今後は、どの区間から事業化するのか、どのような順序で供用するのかが焦点になります。

播磨臨海地域の「第二の東西軸」へ



播磨臨海地域道路の本質は、臨海部の製造業と港湾物流を支える東西交通が国道2号系統へ集中する現在の構造に対し、もう一本の自動車専用道路軸を加えることにあります。

これにより、物流の定時性、災害時の代替性、企業立地環境を同時に改善できる可能性があります。播磨臨海地域道路は、単なる渋滞対策ではなく、地域の産業基盤そのものを強化する広域インフラと位置付けられます。

今回、都市計画案と環境影響評価準備書がそろったことで、計画は長年のルート検討から、都市計画決定と事業化を具体的に目指す段階へ入りました。

今後の焦点は、都市計画決定と、その先の事業化です。約32kmに及ぶ巨大プロジェクトが、実際の道路整備へどのようにつながっていくのかが注目されます。




出典

・兵庫県「播磨臨海地域道路の都市計画の案の縦覧並びに環境影響評価準備書の縦覧及び説明会の開催」
・兵庫県「播磨臨海地域道路の都市計画・環境影響評価」
・兵庫県「播磨臨海地域道路」
・兵庫県「ひょうごインフラ整備プログラム」
・国土交通省近畿地方整備局 姫路河川国道事務所「播磨臨海地域道路」

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