大阪の「100円橋」鳥飼仁和寺大橋、2027年2月に料金徴収終了・無料化へ 料金所撤去工事を公告、約40年の有料道路に幕

出展:大阪府道路公社

大阪府道路公社は2026年9月9日、「鳥飼仁和寺大橋有料道路 料金徴収施設撤去外工事」の一般競争入札を公告しました。2025年から進めてきた料金徴収施設の撤去設計を経て、2027年2月の料金徴収期間満了に向けた準備が、設計から施工段階へ移ります。 (大阪道路公社)

鳥飼仁和寺大橋は現在も有料で、普通車の通行料金は100円です。今回の公告は無料化そのものではなく、約40年間続いた有料道路を通常の府道へ切り替えるための実工事が始まります。

現在はまだ「100円橋」、2027年2月に料金徴収期間満了


撮影:Kansai explorer / Wikimedia Commons / CC BY 3.0

鳥飼仁和寺大橋は、府道八尾茨木線の一部として、摂津市鳥飼中と寝屋川市仁和寺本町を結ぶ淀川橋梁区間です。延長は約0.7km。1987年2月28日に開通し、普通車100円という料金から「100円橋」として親しまれてきました。大阪府道路公社も公式サイトで「淀川に架かる意外と便利な100円橋」と紹介しています。
項目 内容
路線 府道八尾茨木線
区間 摂津市鳥飼中~寝屋川市仁和寺本町
延長 約0.7km
総事業費 102億円
開通 1987年2月28日
現在の普通車料金 100円
料金徴収期間 2027年2月まで
現在の料金は普通車100円、大型車Ⅰ170円、大型車Ⅱ380円、軽車両等10円。自転車と歩行者は無料です。

なぜ普通の橋なのに有料だったのか


出展:大阪府道路公社

鳥飼仁和寺大橋が有料なのは、橋そのものが特殊だからではありません。道路公社が資金を調達して道路を整備し、開通後の通行料金収入で建設費を償還する「有料道路方式」で建設されたためです。

総事業費102億円の財源は、大阪府の出資金20億円と借入金82億円で構成されました。鳥飼大橋など淀川渡河部の混雑緩和と、北大阪・東大阪地域の交通利便性向上を目的に整備された道路です。

つまり「普通の橋なのになぜ100円取られるのか」というより、通行料金で建設資金を返す仕組みを採用したから、有料の橋としてスタートしたと考えると分かりやすいでしょう。

本来は2017年までだった 償還問題で10年間延長

実は鳥飼仁和寺大橋は、当初から40年間料金を徴収する計画だったわけではありません。

当初の料金徴収期間は30年間で、2017年2月に満了する予定でした。しかし大阪府の監査では、当初期限で料金徴収を終了した場合、借入金29億円と大阪府出資金20億円など、建設資金に未償還が残る見通しが示されていました。

その後、料金徴収期間は10年間延長されました。
時期 主な動き
1987年2月 鳥飼仁和寺大橋が開通
2017年2月 当初の料金徴収期限
2017年~ 料金徴収期間を10年間延長
2025年~ 料金所撤去などの設計を実施
2026年9月9日 料金徴収施設撤去外工事を公告
2027年2月 料金徴収期間満了予定
~2028年1月 料金所撤去・道路改修
現在の大阪府道路公社の事業概要では、鳥飼仁和寺大橋の償還期間は40年とされています。

無料化後は料金所を撤去、通常の府道へ

今回公告された工事では、料金徴収施設の撤去、中央分離帯、舗装などを整備します。

ここで注意したいのは、工事が2028年まで続くからといって、それまで料金徴収が続くわけではないことです。大阪府道路公社は、2027年2月に鳥飼仁和寺大橋有料道路が料金徴収期間満了を迎える予定と明記しています。また大阪府の資料でも、料金徴収期間終了後に府へ適切に引き継ぐ方針が示されています。

流れを整理すると、

現在:普通車100円

→ 2027年2月:料金徴収期間満了
→ 料金所・関連施設を撤去
→ 道路を整備
→ 大阪府へ引き継ぎ

となります。約40年間続いた「有料道路」を終わらせ、料金所のない通常の道路へ作り替えるところまでが今回の事業となっています。

「100円」がなくなると、交通の流れも変わる可能性


出典:Wikimedia Commons / Ebiebi2 / CC BY-SA 4.0

無料化の影響は、単に100円安くなることだけではありません。鳥飼仁和寺大橋は、淀川を挟む北大阪と東大阪を結び、鳥飼大橋など周辺の渡河道路を補完しています。無料化によって料金負担と料金所での一時停止がなくなれば、周辺道路から一定の交通転換が起きる可能性があります。

とりわけ日常的に淀川を渡る利用者にとって、短い区間を通るたびに料金を支払う必要がなくなる効果は小さくありません。無料化は「100円橋」の終焉であると同時に、淀川渡河部の道路ネットワークの使われ方を変える転換点になりそうです。

1987年の開通から約40年。本来の料金徴収期限を10年間延長して存続してきた、大阪の「100円橋」が大きな節目を迎えます。2026年9月9日の工事公告によって、その転換はいよいよ「計画」から「実現」に向けて進み始めました。




出典

  • 大阪府道路公社「鳥飼仁和寺大橋有料道路 料金徴収施設撤去外工事の一般競争入札に関する公告」
  • 大阪府道路公社「鳥飼仁和寺大橋有料道路」
  • 大阪府道路公社「公社概要」
  • 大阪府道路公社「料金一覧他」
  • 大阪府「大阪府道路公社に対する出資金の未償還」
  • 大阪府「指定出資法人の役員への府職員の派遣に関する調査票」

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