【宿泊記】翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都 温泉付き「柚葉」、夕暮れのシャンパン、鵜飼、人力車。39室のホテルで嵐山を体験する



京都・嵐山の「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」に宿泊してきました!

渡月橋から保津川沿いを少し上流へ。世界遺産・天龍寺に隣接し、目の前には保津川、その向こうには嵐山の山並みが広がります。客室はわずか39室。しかし敷地内には、1899年築の邸宅、築100年を超える茶寮、日本庭園、現代的な客室棟、温泉付き客室が点在しています。



今回は1階の温泉露天風呂付き客室「柚葉」にアップグレード。夕方は保津川を眺めながらシャンパンを楽しみ、そのまま徒歩数分の乗り場から屋形船で鵜飼へ。翌日はホテルの人力車送迎を観光コースに延長し、混雑する竹林をゆっくり巡りました。歴史建築、庭園、温泉、保津川、鵜飼、人力車、竹林。本来は別々の観光資源ですが、翠嵐に泊まると、それらが一つの滞在として自然につながっていきます。

わずか39室、日本初のラグジュアリーコレクション



翠嵐は2015年3月に開業しました。森トラストグループのホテルブランド「翠 SUI」と、マリオット・インターナショナルの「The Luxury Collection」を組み合わせたホテルで、ラグジュアリーコレクションとしては日本初進出です。
項目 内容
名称 翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都
開業 2015年3月
所在地 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町12
ブランド 翠 SUI × The Luxury Collection
客室数 39室
客室面積 38~94㎡、平均約44㎡
温泉付き客室 17室
建物規模 地上3階・地下1階
延床面積 約3,000㎡
設計・施工 竹中工務店
飲食施設 京 翠嵐、鉄板焼 観山、茶寮 八翠
その他 プライベートスパ、日本庭園など
高層化して客室数や眺望を稼ぐ都市型ホテルとは対照的に、嵐山の景観や歴史建築の中へ溶け込む低層・低密度型のホテルです。39室という小ささは弱点ではなく、建築の密度、サービスの厚さ、滞在の静けさを支える前提になっています。

天龍寺3分、渡月橋5分 観光の中心から半歩だけ離れる



世界遺産・天龍寺まで徒歩約3分、渡月橋まで約5分。竹林の小径も徒歩圏にあり、ホテルのすぐ前には保津川が流れています。渡月橋周辺は国内外の観光客で混雑していますが、川沿いを少し上流へ進むだけで空気が変わります。「翠嵐」の扁額を掲げた重厚な木造門をくぐれば、館内は驚くほど静かです。

観光地の真ん中に泊まりながら、喧騒からは半歩離れている。

この絶妙な距離感が、後述する鵜飼や人力車まで含め、翠嵐の宿泊価値を大きく押し上げています。

アクセスも特徴的です。JR嵯峨嵐山駅または嵐電嵐山駅からは人力車送迎、京都駅からはタクシー送迎を選択でき、一般客室ではいずれか片道1回を利用できます。事前予約制です。ホテルへ到着してからではなく、駅を出たところから嵐山での滞在が始まります。

39室に対して人が厚い 到着から出発まで続くホスピタリティ



翠嵐で強く印象に残ったのは、建築や温泉だけではありません。スタッフのホスピタリティが本当に良かったです。

駐車場での出迎えからレセプション、客室への案内、館内各所、レストラン、チェックアウトまで、一貫して丁寧な対応を受けました。

正確な配置人数は分かりませんが、宿泊者の体感としては、39室という客室数に対して人員が明らかに厚い印象です。必要な場面にはスタッフが自然に現れ、それでいて過度に干渉しません。

外国人スタッフの方々からも、細やかで温かいおもてなしを受けました。国際ブランドらしい多国籍なスタッフ構成でありながら、サービスの距離感には京都の旅館を思わせるものがあります。

歴史建築、庭園、小規模な客室構成、手厚い人的サービスという点で、兄弟施設の「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」に似ていると評されることが多いのも頷けます。

古い旅館の改装ではない 歴史建築と新築棟を一つの庭園へ



翠嵐は、古い旅館を丸ごと改装したホテルではありません。歴史ある邸宅、庵、門、日本庭園を残し、その中に2015年開業の現代的なホテル機能を組み込んだ施設です。
年代 この場所の歴史
1899年 川崎正蔵の別荘を建築。現在の「京 翠嵐」
1910年 現在の「茶寮 八翠」につながる庵を建築
1962年 料亭「嵐亭」が開業。後のホテル嵐亭
2011年 ホテル嵐亭を売却
2015年 翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都が開業
メインダイニング「京 翠嵐」は、川崎造船所創業者・川崎正蔵の別荘として1899年に建てられた「延命閣」です。その豪壮さから「嵐山御殿」とも呼ばれ、松方正義がこの場所からの眺めに感銘を受け、「延命閣」と名付けたとされます。


保津川沿いの「茶寮 八翠」は、1910年築の庵を再生した建物です。



敷地を歩くと、木造門、深い屋根を持つ歴史建築、苔、石灯籠、松やモミジの奥に、水平ルーバーをまとった3層の客室棟が現れます。中庭では、古い灯籠や樹木の横をガラス張りの共用部や石張りのブリッジが横切ります。



歴史建築と新築棟を分離して見せず、一つの庭園風景としてまとめている。ここが翠嵐の建築的な面白さです。

コンセプトは「継往開来」 歴史を保存するのではなく使い続ける



ホテルのコンセプトは「継往開来」。先人から受け継いだものを発展させ、未来へつなぐという考え方です。

象徴的なのが、歴史建築の使い方です。「延命閣」はレストラン、「八賞軒」はカフェとして現役で使用。「京 翠嵐」では、川崎家の家紋をあしらった七宝の釘隠や金砂子の床の間に、組紐をモチーフにしたシャンデリアや朱色の家具を組み合わせています。



古いものを凍結保存するのではなく、現代を重ねながら使い続ける。この思想は建築だけでなく、客室デザインやアクティビティにも貫かれています。設計・施工は竹中工務店。ホテル全体を担当した独立したインテリアデザイナー個人については、確認できた一次資料では明確な記載を確認できませんでした。

客室は10タイプ 39室中17室に専用温泉


客室タイプ 広さ 主な特徴
翠月 40㎡ モデレートツイン、マウンテンビュー
月の音 39~49㎡ キング/ツイン、バルコニー
Pure wellness room 39~49㎡ ウェルネス仕様
柚葉 38~47㎡ 1階、畳、専用庭、温泉露天風呂
京 月琴 65㎡ 本格和室、最大6名
白菫 59㎡ 温泉露天風呂
暁露 62㎡ エグゼクティブスイート
渡月 60㎡ 保津川・渡月橋ビュー
玉兎 71㎡ 専用日本庭園、襖絵
翠嵐 94㎡ プレジデンシャルスイート
客室は単純な面積順ではなく、山を見る、川を見る、庭を楽しむ、温泉に入る、和室で過ごすといった体験の違いで作り分けられています。

中庭を渡って客室棟へ 引き戸の先にホテルドア



チェックイン後は、レセプションエリアから中庭を隔てて客室棟へ向かいます。樹木や石灯籠を配した庭越しに現代的な客室棟が見え、建物へ入ると、客室は和の回廊沿いに並んでいます。



面白いのが客室入口です。通常のホテルドアの手前に木製の引き戸があり、実質的な二重扉になっています。引き戸を開け、さらにホテルドアを開けて入室する構成です。

機能だけを考えれば必須ではありませんが、客室に入る直前に旅館らしさを感じさせる。こうした演出が、なかなかにくい(笑)。レセプションから客室までスタッフが付き添い、館内や設備を丁寧に案内してくれました。鍵を渡されて終わりではなく、客室へ入るまでサービスが切れません。

ルームツアー 温泉付き「柚葉」デラックスツインへアップグレード



今回案内されたのは、1階の温泉露天風呂付き「柚葉(ゆずのは)デラックスツイン」です。通常予約していた客室からアップグレードしていただきました。客室は38㎡。ベッドは幅120cm×長さ200cmが2台です。畳のリビング、ウッドデッキ、専用庭、温泉露天風呂を備える一般客室の上位カテゴリーに当たります。

ドアを開けると、いきなり客室



ホテルドアを開けて最初に驚いたのは、ほぼそのまま客室が始まることでした。石張りの小さな玄関と腰掛けはありますが、ベッドルームとの間についたてや長い廊下、ホワイエはありません。住宅で例えるなら、廊下を介さず玄関からリビングへ入る「リビングイン」に近い構成です。ラグジュアリーホテルとしては大胆な割り切りですが、狙いは明快です。38㎡を通過するための空間ではなく、実際に過ごす場所へ振り向けています。



テレビは壁面へ埋め込むように配置し、収納やミニバーも黒い造作家具に集約。家具を中央へ増やさず、床面をできるだけ空けています。

そして視線の先には、玄関 → ベッド → 畳 → 大開口 → デッキ → 庭が一直線に続きます。

入口側では余白を削り、窓側では屋外まで空間を伸ばす。38㎡を数字以上に広く感じさせる設計です。

ベッドと畳を分け、ジュニアスイートのような感覚をつくる



ベッドエリアと窓側の畳スペースは、床材も雰囲気も明確に分かれています。

ワンルームでありながら、ベッドルーム+リビングという、ジュニアスイートのような感覚があります。

白を基調にしたベッドまわりは現代的なホテルですが、その先は畳敷きのリビングへ切り替わります。

 



ベッド背面には暖色の間接照明。ベージュ、木目、黒を基調とした落ち着いた空間の中で、朱色のローテーブルが強いアクセントになっています。

さらにその向こうには大きなガラス戸、ウッドデッキ、竹垣、石灯籠。洋の寝室から和のリビング、そして庭へ。単に畳を置いた洋室ではなく、日本旅館の「室内→縁側→庭」という構成を現代のホテルへ再解釈しています。

ベッドはやや硬め 夫婦でも好みが分かれた



ベッドの寝心地は若干硬めでした。私は適度な反発があって好みでしたが、妻には少し硬かったようで、身体に合わなかった様子です。ふんわり沈み込むホテルベッドではなく、しっかり身体を支えるタイプ。ここは好みが分かれそうです。


ナイトテーブル付近の様子です。

嵐山を抽象化した和モダン ミニバー周辺は少し暗い



客室デザインは、ベージュ、木目、黒を基調にした落ち着いた和モダンです。月、保津川、翡翠色、藍色など、嵐山を連想させるモチーフを抽象化して室内へ取り込んでいます。客室のカップ&ソーサーにも、印象的な翡翠色が使われていました。

ホテルのクレストは「龍と月と紅葉」がテーマで、基調色は翡翠色。制作したのは千家十職の釜師・大西清右衛門氏です。歴史的な和室をそのまま再現するのではなく、嵐山の風景と伝統を現代のホテルデザインへ翻訳する。客室にも「継往開来」が通っています。



一方、実際に使うと、ミニバー周辺は照度がやや不足気味でした。黒い造作家具に飲料や茶器をまとめたデザインは格好いいのですが、夜はもう少し手元が明るい方が使いやすそうです。

畳スペースは最高、椅子は惜しい(笑)



畳スペースには朱色のテーブルと椅子2脚が置かれています。大きなガラス戸越しにウッドデッキと坪庭を眺められ、客室の中で特に気に入った場所です。部屋に入り、畳越しに庭を見た時点で、素直に「ここに来てよかった」と思えました。



ただし、椅子の座り心地は正直いまひとつ(笑)。短時間なら問題ありませんが、長く座っているとお尻が痛くなりました。庭を眺めながら長居したくなる場所だけに、もう少しクッション性があれば完璧です。

ウェルカムアメニティ、浴衣、ネスプレッソ 和と洋が同居



到着時には、総支配人名入りのメッセージカードとウェルカムアメニティが置かれていました。この日は小ぶりのみかんが3個です。和紙や籠を思わせる容器を使い、ベッドには浴衣も用意。旅館的な迎え方です。


一方、ドリンクコーナーにはネスプレッソと複数のカプセル、日本茶用の急須と湯呑みを用意しています。



ミニバーにはビール、京都麦酒、ソフトドリンク、ミネラルウォーター、トニックウォーター、ジュース、白ワイン。引き出しにはウイスキーのミニボトル、スナック、グラス、ソムリエナイフなどが収められていました。



黒い収納の内部を鮮やかな朱色にするなど、扉を開けた内側までデザインの対象になっています。国際ブランドホテルの装備と、日本旅館のもてなしが違和感なく同居していました。

デッキと坪庭が38㎡を大きく見せる



柚葉で特に印象的だったのが、窓の外です。大きなガラス戸の先には、ウッドデッキと竹垣、石灯籠、白砂を配した専用庭が続きます。高層ホテルが遠景を借りて開放感をつくるのに対し、柚葉は庭という近景を室内へ引き込む設計です。



室内だけなら38㎡ですが、「38㎡+デッキ+坪庭+温泉」として体験されるため、数値との差がかなり大きい客室でした。

ウェットエリアは海外スタイル 空間は合理的、素材は贅沢



ウェットエリアでは、ドレッサーとトイレが同じ空間にあります。日本の高級ホテルで多い完全独立型ではなく、海外ホテルによくあるスタイルです。プライバシー面では好みが分かれますが、壁や前室を省くことで居室側を広く確保できます。


一方、素材には妥協がありません。石材の大型洗面カウンター、大型ミラー、拡大鏡、豊富なタオルを配置。


シングルボウルながら、完全にラグジュアリーホテルの品質のドレッサー。


ドライヤーはレプロナイザー 27D Plusです。


ドレッサーの左側にはガラス張りの独立型シャワーブースがあり、内部は石張り。

バスアメニティにはBYREDO「LE CHEMIN」を採用しています。


動線は、洗面 → シャワー → 屋外温泉 とシンプルです。余白は削っても、宿泊者が直接触れる素材や設備の質は削らない。このメリハリが徹底されています。

専用温泉は本当に最高 昼も夜も楽しめる



今回の客室で、圧倒的に満足度が高かったのが専用の温泉露天風呂です。木格子、竹垣、簾、白砂、石灯籠で周囲からの視線を遮り、露天でありながら、他人の目をほとんど気にせず入浴できます。



浴槽は檜で縁取り、内部には翡翠色の十和田石を採用。深さもしっかりあります。長さは極端に大きくありません。大人2人なら向かい合って入ってぎりぎり、一人なら十分に余裕がある広さです。



お湯は少しとろっとした柔らかな肌触り。湯上がりには肌がしっとり、スベスベになった感覚がありました。とにかく、この温泉が良かったです。昼は竹垣や石灯籠、木のデッキを眺めながら入ります。

そして夜。照明が落ち、周囲が静かになると雰囲気が一変します。空を見上げると、わずかながら星も見えました。露天風呂に入りながら星空を見る。これは格別でした。昼も良いのですが、個人的には夜の方がさらに好みです。



なお、敷地内から湧く自家源泉ではなく、嵐山温泉から運び入れる「運び湯」です。また、とろみのある湯のためか、濡れた床はかなり滑りやすく感じました。出入りの際には注意が必要です。

「削っているのは余白。削っていないのは体験」


柚葉の設計を一言で整理するなら・・・。長い廊下や独立トイレは削る。その一方で、120cm幅のツインベッド、畳、大開口、デッキ、坪庭、温泉、石張りシャワー、BYREDO、レプロナイザー、ネスプレッソ、充実したミニバーはしっかり用意する。

削っているのは余白。削っていないのは体験。38㎡なのに数値以上の満足感があった理由は、この設計にあります。



客室へ案内された時点で満足感は高かったのですが、温泉へ入ると評価がもう一段上がりました。

部屋と温泉を総合すると、「本当に来てよかった」と素直に思える滞在でした。

そして考えたのが、冬です。寒い嵐山で観光へ出ず、温泉に入り、畳で過ごし、また温泉へ。次回は冬に“お籠り”してみたい(笑)。

飲食施設は3つ 数ではなく歴史建築で勝負


施設 内容
京 翠嵐 1899年築の旧川崎正蔵別荘。京の会席+フランス料理
鉄板焼 観山 わずか4席
茶寮 八翠 築100年超、34席。保津川を望む
巨大なレストランを何軒も設けるのではなく、建物と景観そのものを飲食体験にする構成です。

とりわけ「茶寮 八翠」は、100年以上前の建物をカフェとして現在も使い続けていること自体がコンテンツになっています。

庭や歴史を生かした宿泊者向けプログラム

客室の案内を見ると、「嵐山ディライト」以外にもホテル独自の体験が用意されています。
プログラム 宿泊時の案内
嵐山ディライト 毎日17:00~19:00、茶寮 八翠
メディテーションストレッチ 火・木・土曜7:00~、日本庭園
写漢詩 金曜7:30~8:00、茶寮 八翠
花火 毎日19:00~19:30、日本庭園、子ども向け
貸切温泉 3階プライベートスパ、予約制・有料
なかでも興味深いのが「写漢詩」です。明治期の詩人たちが嵐山を詠んだ「八賞軒詩」を、歴史建築の茶寮 八翠で写します。

建築だけでなく、そこに蓄積された文化まで現在の宿泊体験へ転換しているわけです。

※内容や開催日時は宿泊時の案内です。

17時から夜までが秀逸 シャンパン、鵜飼、ターンダウン、温泉



今回の滞在で特に良かったのが、夕方から夜にかけての流れです。
時間 過ごし方
17時~ 茶寮 八翠で「嵐山ディライト」
19時~ 徒歩数分の乗り場から屋形船で鵜飼
帰室時 ターンダウン済みの客室へ
専用露天風呂で星空を眺める
ターンダウンは、こちらから嵐山ディライトの時間帯を指定しました。その後はホテルへ戻らず、直接19時の屋形船へ向かいます。


「嵐山ディライト」では、シャンパンとともに、朱塗りの箱に入ったおかきや漬物などの軽いおつまみが添えられました。


築100年を超える茶寮から保津川と嵐山を眺め、夕暮れの時間を楽しみます。


緑豊かな川辺でのひととき。自然にテンションが上がってきます。


その後、徒歩数分の屋形船乗り場へ。



屋形船に乗ると、鵜飼船が間近まで寄ってきます。日が落ちるにつれ、かがり火が鮮烈なオレンジ色に浮かび、その光が川面へ反射。鵜匠が手縄を操り、鵜が目の前を泳ぎます。


岸から見るのとは違い、こちらも水面にいるため、自分たちまで嵐山の夜景の中へ入り込む感覚がありました。

 



鵜飼を終えて客室へ戻ると、ターンダウンは完了。ベッドは就寝しやすい状態へ整えられ、枕元にはThe Luxury Collectionのカードと翠嵐ロゴ入りの小さな木箱が置かれていました。

そして最後は、夜の専用温泉へ・・・。


夕暮れのシャンパン、夜の鵜飼、整えられた客室、星空を眺める露天風呂。

こちらが外出している間に客室を整えてもらえたため、一日の流れが途切れませんでした。

 



鵜飼はホテルのアクティビティではありません。それでも「嵐山ディライト」から徒歩で屋形船へ向かい、戻ればターンダウン済みの客室が待っている。ホテルサービスの続きのように感じてしまいます。

これは、ちょっとずるい(笑)。

翌日は人力車 ホテル負担5,000円+6,000円で観光コースへ



翌日はホテルの人力車送迎を利用しました。人力車は単なる交通手段ではありません。俥夫さんの案内を含めた、「移動+観光ガイド+アクティビティ」です。

通常は、ホテルが駅からの送迎として5,000円分を負担しているそうです。ここに、6,000円を追加する事で、約30分の嵐山観光コースへ変更できました。歴史ある翠嵐の門前から、そのまま人力車へ乗車。チェックアウト後の移動というより、翠嵐での滞在の第二部が始まるような感覚です。

※ホテル負担額、追加料金、コース内容は今回利用時のものです。

人混みを避け、竹林を「鑑賞する」



人力車で最も素晴らしかったのが竹林でした。通常の竹林の小径は観光客で混雑していますが、人力車には人力車だけが通れるルートがあります。

人混みを避けながらゆっくり進み、竹林の中で停車して記念撮影。高く伸びる竹。頭上から差し込む光。風で竹が揺れる音。徒歩では人の流れに乗って「通過」しがちな竹林を、ゆっくり鑑賞する時間に変えられました。

鵜飼と並び、今回の滞在で特に満足度が高かった体験になりました。

チェックアウト後も続く「歴史+現代」



ホテル周辺には寺社仏閣だけでなく、雰囲気の良いカフェもあります。立ち寄ったのが、古民家と日本庭園を活用した「パンとエスプレッソと嵐山庭園」。歴史ある建物の中で、抹茶を使ったスイーツやドリンクを楽しめます。



古い建築を保存するだけでなく、現代の用途を入れて使い続ける。翠嵐の「継往開来」と似た風景が、ホテルの外にも続いています。

ホテル側も周辺散策を積極的に案内していました。
スポット 徒歩目安
福田美術館 約5分
戸無瀬の滝 約15分
清凉寺 約20分
嵯峨鳥居本 約30分
化野念仏寺 約40分
翠嵐は、宿泊者を館内へ囲い込むホテルではありません。

ホテルを拠点に外へ出て、嵐山を楽しむところまで含めて滞在を組み立てています。

まとめ 翠嵐で「嵐山を体験できた」



翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都。

今回泊まった「柚葉」は38㎡。ラグジュアリーホテルとしては、決して大きな客室ではありません。しかし、廊下や前室などの余白を削り、畳、デッキ、庭、温泉へ空間を振り向ける。素材や設備、宿泊者が直接触れる部分には、しっかりコストを掛けています。

限られた面積を、設計と質感で豊かな滞在空間へ変えていました。



さらに、39室という小規模なホテルに対して、人的サービスは明らかに手厚い。駐車場への到着からレセプション、客室案内、館内、レストラン、出発まで、外国人スタッフを含め、丁寧なもてなしが途切れませんでした。ハードだけでなく、人のサービスまで含めてラグジュアリーです。



そしてホテルを出れば、夕方は屋形船の鵜飼、翌日は人力車で竹林。さらに周辺には寺院、美術館、古民家カフェまで徒歩圏に広がっています。鵜飼も竹林も、ホテルの所有物ではありません。それでも翠嵐に泊まると、それらが一つの滞在として自然につながります。

すべてを自前で囲い込むのではなく、嵐山がすでに持っている自然、歴史、文化、観光を宿泊体験として編集する。ここに、このホテルの本当の強さがあります。

ホテルが直接提供していない体験まで、結果としてホテルの評価を上げてしまう。

やっぱり、ちょっとずるい(笑)。



そして、次に泊まるなら冬です。寒い嵐山で客室に籠もり、とろっとした温泉に入り、畳でくつろぎ、また温泉へ。手厚いサービスに甘えながら、ほとんど何もしない。そんな冬の“お籠り”をしてみたいと思わせるホテルでした。

今回の宿泊を一言で表すなら、

「嵐山を体験できた」。

この表現が、いちばんしっくり来る滞在でした。




主な参照先

  • 翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都 公式サイト
  • Marriott International
  • 森トラスト・ホテルズ&リゾーツ関連資料
  • 京都センチュリーホテル沿革
  • 一休.com、楽天トラベル
  • Travel Watch、JBpress
  • 京都観光Navi

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