大阪・住之江公園15.1haの再編計画が始動!築約60年の50mプールを刷新、夏以外は3,200㎡のスポーツ施設に転用へ。2030年度の整備完了を目指す



出展:GoogleMAP

大阪府は2026年10月5日、大阪市住之江区の「大阪府営住之江公園」(約15.1ha)について、プール再整備と公園全体の魅力向上に向けたサウンディング型市場調査を開始しました。

計画の中心となるのは、1967年に完成した50m屋外プールの更新です。夏季は従来どおりプールとして営業し、それ以外の季節には水槽を床で覆い、プールサイドを含む約3,200㎡をスポーツ施設として活用する構想です。児童向け水遊び施設や飲食店なども検討します。

事業には民間資金やノウハウを活用するPark-PFIと、20年間の指定管理制度を組み合わせる方式を想定。2030年度までに施設整備を終え、2031年度から長期運営に移行することを目指しています。 ただし、現時点では民間提案を募集する段階であり、具体的な施設内容や事業費は未決定です。

なぜ再整備するのか? 老朽化したプールを通年活用できる施設へ



住之江公園は1930年に開設された大阪市南西部の都市公園です。Osaka Metro四つ橋線・ニュートラム「住之江公園駅」に隣接し、野球場、テニスコート、球技広場、プールなどを備えています。

再整備の直接的な理由は、完成から約60年が経過したプール本体、ろ過装置、更衣室などの老朽化です。

一方、2026年度のプール営業期間は7月18日から8月25日までの39日間で、利用者数は11,652人でした。公園全体の年間推計来園者数が約44.5万人(2025年度)に上るのに対し、プールは夏季にしか活用できていません。

今回の計画は、老朽施設の更新に合わせて利用期間を大幅に広げ、維持管理費の負担を抑えながら、利用者サービスと収益性を高めることを目指しています。

何ができる? 50mプール、スポーツ施設、カフェなどを検討



大阪府が提示した整備条件と、民間事業者に提案を求めている施設は次のとおりです。
対象施設 主な整備・活用内容
50mプール 現在の形状を維持して更新。夏季はプールとして営業
約3,200㎡の運動施設 夏季以外にプールを床化。フットサル、バスケットボール、テニス、ピックルボールなどを例示
児童・幼児用プール 小型滑り台、浅い水遊び場、ミニ噴水など
暑熱対策施設 日陰を確保する大屋根、休憩スペース
更衣室・管理棟 約600㎡で建替え。ランニングステーション、多目的室なども検討
機械棟 約100㎡で建替え
飲食・物販施設 カフェ、レストラン、売店など。プール利用者以外の利用も想定
駐車場 「花と緑のスクエア」付近に約30台分の臨時駐車場を追加検討
公園全体 既存施設の活用、イベント、新たな集客施設などを民間から募集
最大の特徴は、50mプールを季節によって用途が変わる施設にすることです。

大阪府は、水槽内部に足場と床材を設置して平らな運動空間をつくる案を提示しています。これにより、夏は水泳、夏以外は球技や都市型スポーツなど、同じ施設を年間を通じて活用できるようになります。

なお、ドッグランやプールサイドでのグランピング、魚釣り場なども提案例として示されていますが、採用が決まったわけではありません。

また、15.1haは公園全体の提案・管理運営対象面積です。公園全域を解体・造成する計画ではなく、約4,500㎡のプール敷地の再整備を核として、周辺施設や公園運営を一体的に見直す構想です。

どう変わる? Park-PFIと20年間の一体運営を検討

今回の再整備では、大阪府の費用負担と民間投資を組み合わせる方式を想定しています。
区分 対象・役割
大阪府の費用負担 プール本体、更衣室、機械棟、床化用資材、臨時駐車場などの整備
民間事業者の投資 スポーツ施設の付帯設備、飲食施設、集客施設など
民間事業者の運営 スポーツ施設、飲食・物販、イベントなど
公園全体の管理 20年間の指定管理制度を想定
従来、住之江公園は5年単位の指定管理制度で運営されてきました。新しい事業では、施設整備を担う民間事業者が、公園全体の長期管理も一体的に担当する仕組みを検討しています。

これは府営公園では初めてとなる方式です。民間事業者が長期的な収益を見込んで設備投資できるようにし、スポーツ施設や飲食店、イベントなどを組み合わせて公園の利用を促進する狙いがあります。

一方、歴史ある大池や花と緑の景観については、公園マネジメントプランで保全方針が示されています。既存の緑地環境を維持しながら、利用機能を充実させる方向です。

いつできる? 現在地と今後のスケジュール


出展:Wikimedia Commons撮影:W236様

2026年10月現在、計画は民間事業者の参画意向や実現可能な施設構成を確認するサウンディング型市場調査の段階にあります。
時期 事業の進捗・予定
2026年10月5日 大阪府が市場調査を開始
2026年10月15日 現地見学会
2026年10月27日まで 質問への回答を公表予定
2026年12月16日 民間事業者からの提案締切
2027年1月下旬~2月上旬 提案事業者との個別対話
2027年3月頃 市場調査結果の概要を公表予定
2027~2030年度 施設整備を進める想定(報道ベース)
2030年度まで プール・周辺施設の整備完了目標
2031年度~ 20年間の長期運営開始を目指す
2030年度の整備完了と2031年度からの長期運営は、日刊建設工業新聞が報じた目標時期です。現段階で着工日、具体的な工事工程、リニューアル開業日は確定していません。

なお、大阪府は別途、2027年4月から2032年3月までの住之江公園の指定管理候補者を選定しています。2031年度からの新たな長期運営構想とは期間が重なるため、実際の移行時期や契約の調整方法は今後確認が必要です。

今後の焦点は、施設の具体化と通年利用の採算性


出展:大阪府

今後は民間提案を基に、スポーツ施設の種類、飲食・集客機能、整備費用、運営体制などを詰めていくことになります。

特に注目したいのは、夏季のプール営業と、それ以外の期間のスポーツ施設運営を両立できるかという点です。床の設置・撤去に伴う費用や期間を含め、年間を通じた採算性が事業成立の重要な条件になります。

住之江公園は交通利便性に優れ、既に年間40万人以上が訪れる都市公園です。今回の計画は、老朽化したプールを更新するだけでなく、夏季中心の施設を通年利用できるスポーツ・レクリエーション拠点へ転換する試みといえます。

2027年3月頃に予定される市場調査結果の公表によって、実際にどのような施設が実現可能なのか、計画の方向性がより明確になりそうです。




出典・参考資料

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