image by nouvelle AOM
出展:https://www.france24.com/en/20170920-paris-france-architecture-montparnasse-tower-300-million-revamp
「モンパルナス・タワー」はフランスのパリ南部のモンパルナス地区にある超高層ビルで1969年に竣工しました。高さ210m、59階建てでのこのビルは、完成当初から激しい景観論争を巻き起こしました。パリで最も醜いビルと冷笑されてきた1970年代の摩天楼は2024年のパリ五輪に向けて大規模リノベーションされる事になりました。
モンパルナスタワーのオーナー「EITMM」は2016年6月にタワーリデザインの公開コンペを行うと発表し、「パワフル、ダイナミック、大胆な新アイデンティティ」を吹き込むような提案が建築家に求めました。コンペには700もの建築設計事務所が応募し、Jeanne Gangが創設したアメリカ2つの会社「Nouvelle AOM」と「Studio Gang」が凌ぎを削り、2017年9月に「Nouvelle AOM」に決定されました。リノベーション計画の費用は3億ユーロでオーナーの「EITMM」が拠出します。2019年に着工し、パリ五輪が行われる2024年に竣工する予定です。
https://www.linternaute.com/actualite/grand-projet/1402346-decouvrez-la-future-tour-montparnasse/
今回のリノベーション計画は、多くのオフィスやレストランが入居するタワーをより活気に満ちたものにすることを目的としています。1階部分には保育所、ジム、ビジネスセンター、ナイトクラブ、展示スペースが入居。15階までの部分が増築され、テラスには植物を多く用いた庭園が整備されます。https://www.linternaute.com/actualite/grand-projet/1402346-decouvrez-la-future-tour-montparnasse/
ビルの屋上にはフルーツや野菜を育てる温室が設置され、タワーの高さは18m高くなります。菜園で出来た収穫物は館内のレストランで提供されます。16階より上層については、黒々として評判が悪かったファサードがガラス張りに変更されイメージが一新されます。42〜45階はホテルに改装されます。太陽光パネルを配置し、建物のエネルギー効率の改善が図られます。
https://www.linternaute.com/actualite/grand-projet/1402346-decouvrez-la-future-tour-montparnasse/
モンパルナス・タワーは区分所有建物であり、改装費用も所有者組合が負担します。2019年の着工、2023年から2024年にかけての完成を目指す計画です。黒ビルからガラス張りで浮遊感のある近代的なビルの生まれ変わるモンパルナス・タワー。パリで一番醜悪なビルの汚名を返上し、愛される摩天楼に生まれ変わる事を期待したいと思いました。