先日から台湾を特集して何回かご紹介していますが、今回は高雄マリオットホテルから見た高雄の街並みをご紹介したいと思います。

港湾都市として発展してきた高雄は、重厚な工業地帯の表情と、近年整備が進む洗練された都市景観が混在する独特の魅力を持っています。高層ビル群と海の風景が一望できる眺望からは、台湾南部の中心都市としてのダイナミズムを実感できます。

高雄都市圏(高雄都會區)は、台湾南部に位置する高雄市と屏東県の一部を含む都市圏で、面積は約1,330㎢、人口は約298万人(2020年時点)に達し、台湾で第3の規模を誇ります。中心となる高雄市は人口約272万人、面積約2,947㎢の直轄市で、台湾最大の港湾都市・産業都市として発展してきました。高雄港を基盤に石油化学・鉄鋼・造船などの重工業が集積し、近年はグリーンエネルギーやIT産業の育成も進められています。さらに高雄MRTや台湾高速鉄道左営駅を擁し、南台湾の交通・経済・文化の中枢拠点として成長を続けています。

写真中央に見えるのは、高雄85ビル(85 Sky Tower、高雄85大樓)。高雄市苓雅区にそびえる高さ約378m、地上85階・地下5階の超高層ビルで、1997年の竣工当時は台北101に次ぐ台湾第2位の高さを誇りました。設計は李祖原建築事務所で、中央が吹き抜けになった独特のツインタワー形状が特徴。オフィスやホテル、商業施設を備え、かつては展望台から高雄港や市街を一望できる南台湾の象徴的存在です。

写真左は遠雄THE ONE(Farglory THE ONE)。高雄市前鎮区に建設された地上68階・地下7階、高さ267.6mの超高層複合ビルで、遠雄建設が開発しました。低層部の1~16階にはIHG系「インターコンチネンタル高雄」(客室253室)が入り、17階は乗換ホール、18~58階は住宅、59~63階はクラブハウスとなっています。台湾で最も高い住宅ビルであり、国内全体でも第5位の高さを誇る、高雄の新たなランドマークです。

高雄には、日本のビルとは明らかに異なる個性的なデザインの高層ビルが林立し、南台湾のダイナミズムを象徴する都市風景が広がっています。

まるでザハ・ハディドがデザインしたかのような大胆で流麗なフォルムを持つ建築。

市街地の様子を見ると、日本の壁マンションを思わせる高層住宅が林立していますが、一方でところどころに密度の低い空間も広がっており、独特の都市景観を形づくっています。

長谷世貿聯合國大樓(グランド50タワー)は、高雄市三民区に位置する高さ222m、地上50階建ての超高層ビルで、1992年に完成しました。設計は台北101や高雄85ビルも手掛けた李祖原建築事務所(CY Lee & Partners)。台湾で初めて50階建てに到達した建築として知られます。頂部は薄い基壇の上に立ち、夜間には下部のみライトアップされる独特の外観を持ちます。

ぱっと見は日本の街並みにも似ていますが、少し目を凝らすと、高雄ならではの独特な建築デザインがあり、明らかに異なる景観であることがわかってきます。

高雄は都市圏人口が300万人近い大都市なので、市街地が彼方まで広がっていました!