NTTコミュニケーションズは2019年12月1日に、同社の新たなデータセンターとなる「大阪第7データセンター」の提供を開始しました。
大阪第7データセンターは、大阪市内から公共交通機関で30分以内、京都・神戸市内からも約1時間でアクセス可能な、水害や地震などの災害リスクが低い茨木市内に立地。完成時には11,500m2のサーバールームに5,000ラックを収納し、IT電力35.5 MWを供給する予定です。2019年12月の開所時点では1棟目と2棟目が完成、2020年に同じ敷地内に3~5棟目が完成、現在6棟目が計画されてます。
【出展元】
→NTTコミュニケーションズ『大阪第7データセンター』
施設概要
名称:NTTコミュニケーションズ『大阪第7データセンター』
所在地:〒567-0013 大阪府茨木市太田東芝町1
階数:地上3階
構造:S造(免震構造)
敷地面積:29,258.39m2
建築面積:13,991.91m2
延床面積:31,011.3m2
建築主:NTTコミュニケーションズ
設計者:NTTファシリティズ、ARUP
施工者:竹中工務店
竣工:2019年12月1日(1期)
稼働中の建屋の様子
大阪第7データセンターは、建物やフロア単位で柔軟にカスタマイズできる、キャンパス型のモジュール設計のデータセンター建物となっています。同様の設計の建物を建てていくことで、サービス提供の工期短縮やコスト低減を実現。クラウドサービス事業者などの旺盛な需要に応える計画です。
同センターは、大阪におけるNTT Comのデータセンター間をつなげる大容量・高速ネットワークリング「Nexcenter Connect Metro」により、ISPやデータセンター事業者のネットワークの相互接続点であるIXがある大阪市内の堂島エリアにダイレクトに接続できます。これにより、大阪市内にあるNTT Comのデータセンターとあたかも1つのデータセンターのように利用できます。
また、各種クラウドサービスなどにセキュアに接続できる次世代インターコネクトサービス「Flexible InterConnect」を活用でき、大阪第7データセンターと顧客拠点やクラウドサービス、IX、ISP事業者などをセキュアに接続し、柔軟なデータ流通を実現しています。
同センターのサーバールーム内の空調には、冷却効率が高い壁面吹き出し方式の空調設備を採用。1ラックあたりの供給電力は定格9kVA、実効6kVAで、GPUサーバーなど20kW以上の電力を消費する超高発熱サーバーの冷却にも対応し、サーバー機器を高密度にラック内に搭載できる。床耐荷重も2t/㎡と、高重量なサーバーに対応できます。
電力設備については二系統受電となっており、非常用発電装置には海外では一般的なディーゼル発電機を採用し、N+1冗長構成で48時間以上無給油運転が可能。UPSもN+1冗長構成です。
また、電源に関しての取り組みとしては、約20%の消費電力削減を実現するHVDC(高電圧直流給電)システムに対応するスペースも用意するなど、最新技術の導入が導入されました。
耐災害性の面では、大阪第7データセンターでは免震装置として球面すべり支承を用いた建物免震構造を採用することにより、阪神淡路大震災、東日本大震災クラスの巨大地震でも、建物や顧客機器への衝撃を抑えた安全な運用継続が可能となっています。また、建物は大雨や近隣河川の氾濫時でも浸水が極めて少ないエリアに立地しているため、水害のリスクが低く、電力は近隣の変電所から直接2ルートで引き込むことで、災害時でも安定した供給を確保しています。
大阪第7データセンターと周辺市街地との対比です。巨大データセンターに向かい合う介護福祉施設。令和の時代に求められる施設を象徴する後継です。
意匠性に優れた建物で、公共図書館と言われても違和感が無いデザインだと思います。街中立地なので、デザイン面でも相当配慮している事が伺えました。
写真の左奥の敷地に小さいですが6棟目の建屋が建設される予定です。均整の取れたデザインなのでサイズ感が狂いますが、奥に見える3階建て戸建て住宅と比較すると桁外れの大きさである事が分かります。
正面入口から見た様子です。データセンターはセキュリティ対策が厳重で、NTTなど社名や施設名称は一切掲示されていません。
最後は南西側から見た様子です。
2022年7月の様子
大阪第7データセンターですが、北東側の敷地に6棟目が計画されています。
計画地付近の様子です。6棟目は東西に細長い、これまでよりも小規模な建屋になりそうです。
建築計画のお知らせと配置図です。建物名称は茨木ビル6棟、地上3階建て、敷地面積は全体、建築面積1800㎡、延べ5400㎡となっています。