近畿大学は大阪狭山市にある医学部と近畿大学病院を堺市南区の泉北ニュータウン(NT)へ移転させる計画を進めています。
近大医学部は1974年に大阪狭山市に開設され、翌年に南大阪エリア唯一の大学病院として付属病院が開院しました。近大病院は大阪府南部の基幹病院となっていますが、開設から50年近くが経ち施設の老朽化が進む中、患者を抱えながら現地での建て替えは難しいことから全面的に新築移転する事になりました。
【出展元】→近畿大学医学部および近畿大学病院を大阪府堺市へ移転 南大阪における基幹病院および救急災害拠点として地域医療に貢献
→大阪狭山市>近畿大学病院の移転に関する経過について
→近畿大学病院
移転の経緯
出展:近畿大学 大阪狭山市にある現:近畿大学病院
今回の移転計画は、近畿大学創立100周年記念事業ならびに医学部開設50周年事業の一環で、近畿大学・大阪府・堺市の3者は2014年7月に基本協定を締結し、老朽化した近畿大学病院の移転・建替え、さらに泉北ニュータウンの再生と南大阪地域の医療機能向上をめざす取り組みを進めてきました。
現地建替えが難しい理由
大阪挟山キャンパス
現地での建て替えが難しい理由として、狭山キャンパス敷地が市道等により分断されいる為、建替用地として有効な利活用が困難であるという敷地上の制約、現存建物に耐震補強等改修工事を行う場合、医療安全の確保のために診療制限が必要となる事を上げています。
新病院の概要
新病院は高齢化社会を見据えた医療を視野に入れ、近大医学部・近大病院の強みで全国でも高い実績を誇るがん治療を中心に、心臓・脳血管障害などの高度最先端治療を一層強化。優秀な人材確保と、思い切ったIT化による病院機能の効率化・充実を図ります。
移転予定地は泉北ニュータウンの泉ケ丘駅北東の約11.6万㎡の敷地で、新病院は地上10階、地下1階、800床規模で、移転後は34診療科を展開し、がん治療や高度先端医療を強化するほか、地域の災害拠点病院としての役割を担います。近畿大学は新病院移転に向けた3つのコンセプトとして以下の3点を上げています。
1 ITの活用と医療の効率性向上による良質な医療の提供と高収益体制の両立
2 世界へ発信できるハイレベルで斬新な医療技術の創出と研究基盤の確立
3 未来を担う優秀な人材育成と先鋭的な教育・研究・診療環境の構築
1年半延期され2025年11月に開院
近畿大学は2021年9月に、移転計画を2024年春ごろから約1年半延期し、2025年11月に変更すると発表しました。新型コロナの感染拡大の影響で、重症患者の入院対応に迫られており、新病院の設計内容に職員らの意見を反映する時間が確保できず、その為、設計施工者の選定が遅れたのが延期の原因です。移転計画では、新病院は大林組、医学部はフジタ・南海辰村特定建設工事共同企業体が、設計施工者に選ばれました。
計画概要
工事名称 | 近畿大学医学部・近畿大学病院新築工事 | |
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工事場所 | 大阪府堺市南区三原台1丁2番 | |
施主 | 学校法人近畿大学 | |
プロジェクト マネージャー |
株式会社インデックスコンサルティング | |
設計施工 | 〈A工区〉 | 株式会社大林組 |
〈B工区〉 | フジタ・南海辰村特定建設工事共同企業体 | |
〈C工区〉 | 未定 | |
工期 | 令和4年(2022年)5月~令和7年(2025年)7月 | |
総事業費 | 約790億円 |
〈A工区〉 | 〈B工区〉 | |
---|---|---|
建物用途 | 大学、病院 | 大学 |
工期 | 令和4年(2022年)5月~ | 令和4年(2022年)7月~ |
準備工事含む | 令和7年(2025年)7月予定 | 令和7年(2025年)7月予定 |
運用開始 | 令和7年(2025年)11月予定 | 令和7年(2025年)11月予定 |
建築面積 | 19,573.25㎡ | 5,675.17㎡ |
延床面積 | 111,223.86㎡ | 20,069.71㎡ |
構造 | 鉄筋コンクリート造、鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造、鉄骨造 |
階数 | 地上10階 他 | 地上6階 他 |
建物高さ | 最高46.86m | 最高29.50m |
2024年6月の様子
現地の様子です。前回の取材が2024年1月だったので、約5ヶ月ぶりの撮影です。
南側から見た様子です。1月の取材時に比べて、メチャクチャ工事が進んでおり驚きました。
駅側と新街区を結ぶ歩行者デッキの様子です。
開発エリアを見通した様子です。敷地面積が約13.1万㎡もあるのでメチャクチャ広いです。
撮影ポイントを変えて、北東側から見た様子です。
A街区をアップで見たの様子です。もはや1の「街」といった感じですね。
A街区の南端部分の様子です。
最後は敷地の北端側の様子です。
2024年1月の様子
現地の様子です。前回の取材が2022年9月だったので、約1年4ヶ月ぶりの撮影です。
最も駅側に位置するA街区の様子です。写真の建物は、病院(外来棟:6階建て)の様子です。
駅側と新街区を結ぶ歩行者デッキが見てとれます。敷地面積が約13.1万㎡もあるのでメチャクチャ広いです。
開発エリアを見通した様子です。
A街区を南東側から見た様子です。最大の建物となる病院(診療棟:10階建て)は、これから立ち上がってきます。
撮影ポイントを変えて、北東側からみたA街区の様子です。
アップでみた様子です。
A街区の北端にあるサービス棟(地上3階建て)と、B街区に建設される講義棟(地上6階建て)の様子です。
引き気味で見たB街区の様子です。体育館やグランド、駐車場が設けられます。
B街区の北端の様子です。テニスコートや駐車場が設けられます。
最後は引き気味で見た全体の様子です。
2022年9月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2021年10月だったので、約1年振りの取材です。
敷地東側、3工区の様子です。管理棟や立体駐車場棟が設けられます。
敷地北側の様子です。計画内を取っていた緑道が閉鎖されて全域で整地が行われていました。
街区の中心を貫くペデストリアンデッキの様子です。
最後は新キャンパスの中心的な施設群が設置される、1工区の様子です。
2021年10月の様子
現地の様子です。総敷地面積が11.6haもあるビッグプロジェクトです。
1工区の様子です。この辺りに新キャンパスの中心的な施設群が設置されます。
3工区の様子です。管理棟や立体駐車場棟が設けられます。
1工区では街区の中心を貫くペデストリアンデッキの基礎工事が行われていました。
駅側でもペデストリアンデッキの基礎工事が行われていました。
1工区を東側から見た様子です。
3工区を西側から見た様子です。敷地内は場所によって高低差がかなりあります。
最後は北側から見た3工区の様子で。