関西空港第1ターミナルを改装し国際線中心のレイアウトに変更

日経新聞が伝える所によると、関西エアポートが計画してる第1ターミナルの大規模改修の内容がほぼ固まり、国際線中心のレイアウト変更を実施する事が明らかになりました。急増するインバウンドに対応する為、レイアウトを国際線中心に見直し、2025年の大阪・関西万博などを見据え、旅客の受け入れ能力が大幅に増強されます。  

国際線の受け入れ能力は約4000万人に拡大



出発エリアを現在の3~4階から2~4階に広げ、面積を6割増やします。保安検査場を増床し、複数人が同時に検査できる「スマートレーン」を22台設置、出国手続きを短縮します。出国する訪日客は手続きを済ませた後、新設するウオークスルー型の免税店を通り、スムーズに飲食店やラウンジに移動できる配置に変更されます。商業施設を充実させ、訪日客への販売を強化します。国際線の増床分は一般エリアの商業施設を縮小して捻出します。これらの改良により国際線の受け入れ能力は約4000万人となり、2018年度の利用者実績に対して約1700万人の容量増となります。

 

 



国内線施設についてもスマートレーンを導入するほか、出発エリアの商業店舗が拡充されます。工事は2020年に着工し、2025年春の万博開幕まで完了させたい考え。投資額は防災対策を含めて約1000億円を見込んでいます。

 

 

 

国内線の低迷とインバウンドの爆発的増加



関西エアが改修に踏み切る理由は、現有設備と旅客構成のギャップが大きくなってきた為です。関西空港は日本全国のローカル空港と国際線を最短時間で乗り継ぎさせる「際内乗り継ぎハブ空港」を設計コンセプトに建設されました。第1ターミナルは国際線と国内線がほぼ同数の旅客に利用される前提で設計されています。

 

 

 



様々な理由から伊丹空港が存続、神戸空港が開港するなど、近畿圏の国内線重要は3カ所に分散してしまい、最短時間で際内乗り継ぎを実現する際内乗り継ぎハブ構想は崩壊しました。成田空港の第2滑走路開業や羽田空港の再国際化に伴うJAL/ANAの東京シフトが始まるなど、関空は長らく低迷期が続きました。

しかし、LCCの積極的な勧誘とインバウンド需要の急増により関西空港の国際線旅客数は急激に増加し、今では混雑空港となりました。アジア各国の経済成長と大規模空港の整備により、今後も航空需要は伸び続けると予想できます。関西空港はこれらの航空需要を取り込める様に、先手先手でインフラ整備を進めて欲しいと思いました。