神戸空港、2030年国際化に向け18日会合で合意見込み。インバウンド受け入れ体制を強化、アジア路線を中心に中型機の発着を見込む



報道各社が伝えるところによると、関空、伊丹、神戸の3空港の役割を議論する官民組織「関西3空港懇談会」が2022年9月18日に開く会合で、神戸空港の2030年国際化について合意する見通しとなりました。オブザーバーとして参加している国土交通省は「関西3空港懇談会」の決定を受け、今後、神戸空港の国際化に向けた具体的な検討を始めます。また、会合では関西空港の発着回数の上限を2025年をめどに3割増の年間約30万回とすることについても合意する見込みです。

同空港の国際線については、アジア路線を中心に中型機の発着を見込んでおり、今後、出入国管理や検疫体制の整備に向けた協議を進めていく方針です。神戸が関空を補完することで、関西全体でのインバウンド受け入れ体制を強化する狙いがあります。

【出展元】
→神戸空港、30年めどに国際線就航へ 18日にも地元合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF113080R10C22A9000000/

→神戸空港、30年国際化へ 18日にも合意、訪日客強化
https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/202209/0015639719.shtml

※読者の大明神さん、TwitterのDMでも情報を頂きました、ありがとうございました!

 

 



 

神戸空港は、2006年2月に開港当初より神戸市が運営していましたが、2018年にオリックスなどが出資する関西エアポートの子会社に運営権が移り、現在は関空、伊丹と一体で運用されています。2500mの滑走路1本を有する中規模空港で、コロナ前の2019年(暦年)の利用実績は、発着回数:31,410回、旅客数が336万人でした。

同空港は関空を補完する空港との位置づけですが、部分的に規制緩和され、2019年には発着回数の上限が1日60便から80便に増加し、夜間の運用時間も午後10時から午後11時に延長されました。

 

 



先日、関西エアポート社が発表した将来需要の見通しでは、関西空港の2030年度の総旅客数は3,889万人~4,966万人に到達し、総発着回数25.3万回~29.7万回が見込まれており、発着枠を30万回に拡大した場合でも2030年代初頭には飽和す見通しです。

神戸空港の国際線就航は2030年を目処としており、ちょうど関西空港の発着枠30万回が飽和する時期と重なります。もしかすると国や自治体各所は、神戸空港を関西空港の第3滑走路として考えているのではないでしょうか?

 

 



神戸空港については空域の問題が大きく、今後の規制緩和によって何処まで容量が増やせるのか解りませんが、2030年代前半、関西空港が受け止めきれなくなった航空重要を神戸空港が保管しつつ、関西空港の抜本的な容量アップ(30万回 ⇒ 50万回)が実現させる時間稼ぎとして考えているのかもしれませんね。神戸空港の容量拡張を口実に関西空港の施設増強がおざなりになる事は避けたい所です。

何れにせよ、益々グローバル化する時代、空港のサイズ(キャパシティ)が都市の発展の度合いを決める時代が到来します。近畿圏の3空港が、上手く役割分担をする事で近畿圏全体の発展に繋がるような展開を期待したいと思います。


2019年(暦年)3空港の実績(3空港合計:5,178万人/376,598回)

 

・関西:206,777回/3,191万人
⇒2025年に30万回に拡大 ⇒将来的に拡張後の成田並みの50万回を目指す必要あり

・伊丹:138,430回/1,650万人
⇒ すでに上限13.5万回を超えているが10万回規模の容量UPは可能なのか?

・神戸 31,391回/336万人
⇒現在の3.1万回を何処まで増やせるのか?10万回規模の拡張は可能なのか?