広島国際空港株式会社は、旅客ターミナルビルの中央吹抜け部および西側エリアの増築・改修工事に着手しました。1993年の開港以来で最大規模となる工事で、2027年3月の完成を予定しています。2024年に完了した東側増築に続く第二段階であり、商業エリアの刷新、国際線・国内線の機能拡充、到着ロビーの一体化、ビジネスジェット専用施設の新設など、多角的な整備を通じて「瀬戸内・山陰の圧倒的No.1ゲートウェイ」を掲げています。
工事の概要と規模
今回の工事は、中央吹抜け部約3,300㎡と西側エリア約2,000㎡を増築し、さらに旅客ターミナル本体約780㎡と商業エリア約4,200㎡を改修します。延床面積は現在の約34,000㎡から約39,000㎡に拡大。設計は松田平田設計、丹青社、乃村工藝社が担当し、施工は大成建設と安藤ハザマが手掛けます。
スケジュールは2025年9月に着工、2026年3月に国内線スマートレーン導入、同年11月に国際線増築部と新出国検査場完成、2027年3月に全工事が完了する予定です。
商業エリアの刷新と免税店拡張
商業エリアは「しまなみ」「まちなみ」「やまなみ」の3ゾーンに再編され、店舗数は25から約40へと拡大します。地域色を反映した構成とすることで、利用者が空港内で広島や瀬戸内の魅力を体験できるよう設計されています。フードコートも広々とした空間に刷新され、家族連れからビジネス客まで幅広く対応します。
免税店は約240㎡から約700㎡へと3倍に拡大され、出国動線に沿ったウォークスルー型店舗を導入。移動しながら買い物ができる仕組みとすることで、国際線利用者の利便性と購買意欲を高め、空港収益の強化につなげます。
利便性を高める動線整備
国内線保安検査場には、手荷物を取り出す必要がない最新型「スマートレーン」が導入されます。複数利用者が同時に準備できる仕組みにより、検査待ちの混雑解消が期待されます。
国際線保安検査場は中央吹抜け部への移設・拡張により、今後の国際線需要増に対応可能となります。さらに、国内線と国際線に分かれていた到着ロビーは一体化され、人の流れがスムーズに連結。二次交通への乗り継ぎが容易になるとともに、総合案内所の新設により観光情報の発信も強化されます。
ビジネスジェット専用施設の新設
2023年のG7広島サミットを契機に、広島空港におけるビジネスジェット需要が顕在化しました。これを受けて専用施設を新設し、迅速な出入国手続きと高いプライバシー性を提供します。富裕層観光や国際的なビジネス利用を取り込み、他空港との差別化を図る狙いがあります。
広島空港の位置づけと競合環境
広島空港は広島市を中心とした中国地方の拠点空港として、約120万人規模の都市圏を支えています。今回の改修は、地域拠点性の強化に加え、関西国際空港や福岡空港といった大規模空港との差別化も意識しています。
関西空港は国際線ネットワークの規模で優位に立ち、福岡空港はアジア路線が豊富ですが、発着枠の制約や過密が課題です。広島空港は利便性の改善やビジネスジェット対応といった特徴を打ち出すことで、補完的かつ独自のポジションを築くことを目指しています。
投資総額と将来像
本工事を含めた投資総額は約200億円に達する見込みです。広島国際空港株式会社は2021年の民営化以降、特定天井改修、東側増築、立体駐車場整備など継続的な投資を行ってきました。今回のプロジェクトはその集大成とも位置づけられます。
改修により、
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商業・免税機能の拡張による収益基盤強化
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利用者動線の改善による快適性向上
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ビジネスジェット対応による国際的需要の獲得
といった効果が期待されます。広島空港は交通結節点の枠を超え、観光・経済・ビジネスを結びつける「体験拠点」として進化し、瀬戸内・山陰地域の持続的成長に貢献することを目標としています。
出典
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広島国際空港株式会社 「広島空港旅客ターミナルビル本体・西側の増築改修工事を着工 ~瀬戸内・山陰の圧倒的 No.1 ゲートウェイを目指して~」プレスリリース(2025年9月17日)
本当は何もない白市止まりよりも空港までJR延ばして空港行きにすべきなんですがね
まあそんなのは今後もほぼ100%実現しないんでしょうけど
あの空港までのアクセスがね
あんな辺鄙な山奥じゃ行くまでに息切れしちゃいます
あんな場所を選んだのは一体誰なんでしょうね?