台風21号の影響による高潮被害で大きな被害を蒙り空港が閉鎖された関西国際空港。好調なインバウンド需要を受け入れるゲートウェイの閉鎖は日本経済全体に大きな経損失を与えます。 早期復旧が望まれる関西空港ですが、国土交通省が関西国際空港の早期復旧等に向けた対策プラン骨子を発表しました。復旧プランは「緊急対応」「暫定運用」「本格運用」の3段階となっており、各段階の対応策が記載されています。国交省のプランによると、鉄道アクセスは約4週間、冠水したA滑走路の暫定運用は9月中旬に普及させるとの事です。また、損傷した連絡橋下り線については、損傷部分を2週間で撤去し、復旧時期を確定させるとの事です。 今回の発表で一番驚いたのが鉄道の復旧が約4週間である事です。連絡橋の損傷具合を心配していましたが、破損した道路橋下り部分を2週間で撤去し、鉄道を4週間で復旧させるとは。無事だった第2旅客ターミナル(T2)とB滑走路の稼働率を上げ、さらにA滑走路と第1旅客ターミナル(T1)を部分復旧させるだけで、空港を利用する人は爆発的に増加します。それらの利用者をさばくには鉄道アクセスは不可欠です。アクセスの生命線といえる鉄道アクセスが4wで復旧すれば、空港の完全復旧に向けてはずみが付きます。
関空連絡橋、撤去作業に着手 NEXCO西日本:日本経済新聞 https://t.co/hSIQtAUhte
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) September 8, 2018
さらに「道路橋が片側3車線だった事」が大きいです。中央の車線にパイロンを起き仮の中央分離帯として使用、対面通行の道路として利用できるからです。現在は「リムジンバス」などに通行が限定されていますが、鉄道復後はマイカーも利用できる様になります。下り線の復旧までは半年はかかりそうですが、鉄道が復旧すれば、対面通行の連絡道路でもなんとかなりそうです。
【出典元】
→関西国際空港の早期復旧等に向けた対策プラン骨子
【第一段階:運用再開のための緊急対応】
○B滑走路による運用再開 (9 月 7 日~)
・Peach Aviation の国内線、国際線再開、 順次回復(7 日以降順次)
・春秋航空の国際線再開、順次回復
・航空会社との調整 ・空港アクセスの確保(バス、船舶)
・手荷物検査、発券処理等の整備
○代替空港への振替実施中
・成田、中部への国際線臨時便(JAL 等)
・神戸への国内線臨時便(ANA)
○連絡橋上り線を用いた対面通行 (9 月 7 日~)
・緊急車両、シャトルバス等に限定
・一般車両通行禁止
第2段階:暫定運用のための対応
○B滑走路による発着回数の順次拡大
○国際線の順次拡大 ・ANA,JAL の国際線、国内線の運航
・Peach Aviation の国内線、国際線の更なる回復
・春秋航空の国際線の更なる回復
・他航空会社の運航再開(フェデックス等)
○代替空港への振替拡大
・伊丹、神戸への国際線
・国内線の振替を想定(インバウンド)
・ニーズに応じ、代替空港(成田、中部等)での増便(物流)
・地元調整 ・代替空港のCIQ等の受入体制整備
○空港アクセス鉄道の運行再開(概ね 4 週間)
・道路橋の撤去作業後、速やかに鉄道橋の修復に着手
○連絡橋上り線を用いた対面通行
>鉄道復旧前
・バス、関係車両に限定
・一般車両通行禁止
>鉄道復旧後
・交通需要を踏まえ規制の(段階的)解除
第三段階:本格運用のための対応
○A滑走路の本格運用 (施設点検後に修復時期を 確定)
○B滑走路の本格運用 (施設点検後に修復時期を 確定)○連絡橋道路下り線の復旧
・鉄道によりかかった道路橋の撤去 (概ね 2 週間)
・損傷を受けた下り線橋梁の復旧 (2 週間を目処に復旧時期を確定)


