大阪梅田・鶴野町で超大規模タワーマンション計画が浮上!阪急阪神不動産が旧結婚式場、老朽マンションを一体再開発へ【2034年頃完成を目指す】


※AIで作成した合成画像です

大阪・梅田の茶屋町エリア東側に位置する鶴野町で、阪急阪神不動産による大規模なタワーマンション再開発計画が浮上しました!旧結婚式場跡地と老朽マンションを一体的に建て替える構想で、計画が進めば「大阪都心最大級」のタワーマンション街区が誕生するかもしれません。

本稿では、対象3敷地の現状、土地条件、計画規模の試算、事業の背景、そして阪急阪神不動産の狙いを整理していきます。

1:対象エリアの主要3敷地の概要

再開発候補地として浮上しているのは、旧グラン・アーモTAMAHIME、コープ野村梅田、朝日プラザ梅田の3敷地です。単独開発から複数敷地を束ねた複合開発まで想定され、最も大きな規模は3敷地をまとめたケースとなります。


対象地 敷地面積 竣工年 / 閉館年 現状 主体・所有関係
①旧グラン・アーモ TAMAHIME跡地 約1,700㎡ 1982年開業 / 2023年閉館 2025年6月に解体完了。現在はタイムズ駐車場として暫定利用。 解体工事の発注者:阪急阪神不動産
②コープ野村梅田 4,652.01㎡ 1981年02月竣工 築45年・旧耐震。416戸。建て替え提案が進行中。 区分所有(住民)
③朝日プラザ梅田 2,020.15㎡ 1982年10月竣工  築44年・老朽マンション。180戸。将来的に参画の可能性あり。 区分所有(住民)

① 旧グラン・アーモ TAMAHIME(旧・梅田玉姫殿)


  • 敷地面積:約1,700㎡(推定)

  • 開業:1982年

  • 閉館:2023年7月

  • 解体完了:2025年6月

  • 解体後はタイムズによる暫定駐車場(タイムズ大阪鶴野町)として利用

  • 解体工事の「発注者」が阪急阪神不動産であることから、同社が開発主体であることが事実上確定

  • 位置は茶屋町の北側で、梅田・中津の中間的な立地

旧式場という性質上、土地の転用がしやすく、即時再開発が可能な状態にあります。

② コープ野村梅田


  • 敷地面積:4,652.01㎡

  • 総戸数:約420戸

  • 竣工:1981年(築45年)

  • 老朽化が進行し、給排水設備・外壁などの改修需要が増大
  • 関西テレビの報道で建て替え計画が顕在化

  • 住民説明会が始まっており、事業者・住民間の協議が進行中

  • 完成目標:2034年を目指すタワーマンション

この計画が成否の分岐点であり、住民合意が得られるかが最大の焦点となります。

③ 朝日プラザ梅田


  • 敷地面積:2,020.15㎡

  • 竣工:1982年(築43年)

  • コープ野村と同様に老朽化が進行

  • 再開発に包含されるかどうかは未確定

  • 敷地形状は再開発と相性が良く、組み込みの可能性

単独建て替えも不可能ではありませんが、隣接2敷地と合わせた方が規模メリットは大きくなります。

2. 敷地規模と土地条件:最大“延床9万㎡級”の可能性

対象エリアの用途地域は商業地域であり、以下の建築条件が適用されます。


  • 容積率:600%

  • 建ぺい率:80%

グラン・アーモ跡地 + コープ野村梅田 + 朝日プラザ梅田を合わせた場合、敷地面積は約8,370㎡(推定)に達します。


容積率600%の場合

延床面積=8,370㎡ × 600%=50,220㎡


容積率緩和(特区申請など)で1000%になった場合

延床面積:92,070㎡
大阪中心部でも最大クラスのタワーマンション街区が成立可能

3. 高さ制限:航空法の“178.9m”が目安


※AIで作成した合成画像です

伊丹空港の「高さ制限回答システム」によると、鶴野町周辺の上限は海抜約180mです。
鶴野町の標高は約1.1mのため、


建物高さ約178.9mまで建設可能

となります。

この条件を踏まえると、再開発計画は高さ150〜178m級の超高層タワーマンションになる可能性が高いです。

4. 再開発が必要となった背景


① 老朽建物の更新

  • コープ野村梅田や朝日プラザ梅田は築40年以上で旧耐震基準

  • 大規模修繕か建て替えの判断が避けられない時期に入っている

② 結婚式場の役割終焉

  • グラン・アーモは需要低下や建物老朽化により閉館

  • 跡地を暫定的にコインパーキングとして利用し、再開発までの時間調整を実施

これらが重なり、エリア全体がストック転換期を迎えています。

5. 住民合意のハードル:賛成7割が必要

※AIで作成した合成画像です

関西テレビによると、コープ野村梅田の住民に提示されている主な条件は次の通りです。


  • 住戸の買い取り価格:時価の約1.5倍を提示

  • 建て替え後のタワマンへの優先購入権

  • 約2か月以内に住民投票を実施

  • 賛成が7割に満たなければ事業から撤退

もし撤退となった場合は、


  • コープ野村梅田を除く再開発
    (=グラン・アーモ跡地のみ、または朝日プラザとの部分的な再開発)
    となる可能性が高まります。

6. 阪急阪神不動産の狙い


視点 狙い・目的 補足説明
① 土地の高度利用 老朽建物群を集約し、容積を最大化 グラン・アーモ跡地だけでは規模が小さいため、周辺マンションを巻き込み“1ha級プロジェクト”化を狙う。
② 住宅ストック更新 梅田周辺の老朽マンション(1980年代群)を新規住宅へ転換 茶屋町・鶴野町は再開発余地が少ないため、希少な住宅供給の確保につながる。
③ 自社ブランドの強化 「ジオタワー梅田鶴野町(仮称)」としてブランド価値を最大化 1ha規模×梅田徒歩圏×高さ180m級は、ジオブランドでも過去最大級レベル。
④ 収益性(販売単価)の極大化 梅田徒歩圏の希少立地で1戸当たりの単価を高く設定 茶屋町の人気・梅田駅近接性により、販売価格は超上位帯が見込める。
⑤ 低リスクでの権利調整 住民合意が得られない場合は「撤退」して単独開発にスイッチ コープ野村の7割賛成が前提。未達なら “グラン・アーモ跡地単独”で小規模開発も可能。
⑥ 都市更新とグループ戦略の整合 阪急沿線の都市価値向上方針に合致 茶屋町の商業と住宅のミックス強化で、梅田エリアの滞在人口増加に寄与。
⑦ 希少価値の確保 大阪中心部で10,000㎡級の住宅再開発は非常に珍しい 今後の供給制約を見据え、長期的なブランド資産となる地点を先取り。
⑧ 競合差別化 都心タワマン市場で“阪急の旗艦物件”を確立 梅田の再開発ラッシュの中で、同社の存在感を強化する狙い。
⑨ 茶屋町〜中津の都市軸強化 茶屋町から中津へ伸びる回遊動線を住宅で補完 茶屋町エリアの居住人口を増やして街の24時間価値を向上。
⑩ 用途転換の合理性 結婚式場 → 駐車場 → タワマンという典型的都市再編 土地価の高騰・式場需要の低下を踏まえ、最も収益が高い住宅用途へ転換。

まとめ:梅田の都市構造に影響する「10年規模のプロジェクト」へ

今回のプロジェクトは、茶屋町の東側エリアの都市構造を塗り替える「10年規模の大型再開発」であり、


「梅田における1980年代住宅群の世代交代」
「茶屋町の混在用途の整理」
「都心居住人口の増加」
「阪急阪神不動産のフラッグシップ物件創出」


といった複数の目的があります。

住民合意の行方によって規模感は変動しますが、実現すれば2030年代の梅田スカイラインを変える計画となり、茶屋町北側の都市構造に大きな影響を与えることは間違いなさそうです。今後の動向に注目が集まりそうです。






出典

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