
大阪市は、もと大阪北小学校・もと曾根崎幼稚園跡地(6934.51㎡)の周辺地域の活性化を図るため「もと大阪北小学校・もと曾根崎幼稚園跡地」の開発事業について、公募型プロポーザルを実施、住友不動産が事業予定者に決まりました。住友不動産の事業コンセプトは「曽根崎 Link City」。敷地のポテンシャルを最大限に活かす為、梅田エリア最高峰クラスとなる、地上56階建て、高さ191mのシンボルタワーを創出し、低層部は「リンクプラザ」「リンクモール」及び「リンクガーデン」で繋がる賑い・交流空間が整備する、という計画です。(仮称)梅田曽根崎計画は、住戸のほか、中層部にホテル、低層部に物販・飲食施設や公益施設などが入る複合高層ビルとなります。
【出典元】
→住友不動産>「(仮称)梅田曽根崎計画」 着工
→大阪市HP>(仮称)梅田曽根崎計画環境影響評価準備書
→大阪市HP>もと大阪北小学校・もと曾根崎幼稚園跡地開発事業者募集プロポーザルの事業者が決定しました
→建築ニュース
【過去記事】
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 20.03
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 20.02
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 20.01
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.11
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.09
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.08
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.07
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.06
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.05
→ラ・トゥールが梅田に進出!(仮称)梅田曽根崎計画の建設状況 19.03
→(仮称)梅田曽根崎計画、もと大阪北小学校跡の再開発の状況 19.02
→(仮称)梅田曽根崎計画、もと大阪北小学校跡の再開発の状況 18.12
→(仮称)梅田曽根崎計画、もと大阪北小学校跡の再開発の状況 18.11
→(仮称)梅田曽根崎計画 住友不動産がもと大阪北小学校跡で計画するホテルと住宅等で構成された超高層複合ビルの状況 18.01
→(仮称)梅田曽根崎計画 住友不動産がもと大阪北小学校跡で計画するホテルと住宅等で構成された超高層複合ビルの状況 17.10
→(仮称)梅田曽根崎計画 住友不動産がもと大阪北小学校跡で計画するホテルと住宅等で構成された超高層複合ビルの概要が判明!
→旧大阪北小学校・曾根崎幼稚園跡地のタワーマンション建設計画「もと大阪北小学校・もと曾根崎幼稚園跡地開発事業」の状況16.03
→特報!もと大阪北小学校・曾根崎幼稚園跡地の事業者は住友不動産に決定、52階建ての超高層タワーマンションを建設!
施設名所は『梅田ガーデン』に決定!

長らく(仮称)梅田曽根崎計画の計画名称でご紹介してきましたが、施設名称は『梅田ガーデン』に決まりました!大阪初進出、40〜56階には、大阪初進出の高級賃貸「ラ・トゥール大阪梅田ガーデン」 (134戸)、9〜39階には定期借地権分譲「梅田ガーデンレジデンス」 (584戸)、4〜8階には宿泊特化型ホテル「ヴィラフォンティーヌグランド大阪梅田」(202室)が入居します。
【出展元】
→超高層複合タワー 『梅田ガーデン』 2022年3月竣工へ
LaTour (ラ・トゥール)が大阪初進出

ラ・トゥールの居室イメージ
「LaTour (ラ・トゥール)」は 住友不動産が展開する賃貸マンションのブランド名です。これまでは主に東京都心の一等地を中心に事業を展開、2021年2月現在、25棟・約3,500戸を供給しています。 平均専有面積は100㎡以上で、ゆとりある暮らしを実現する住戸プラン(平均賃料約60万円)、 一般的のマンションとは違い一部専有部の困り事も対応する24時間365日対応のホテルライクな コンシェルジュサービスサービスなどで、企業経営者、大使館員、外資系企業駐日役員、 各界著名人など、国内外のVIPに選ばれているハイクオリティな高級賃貸マンションシリーズ です。ヴィラフォンテーヌグランド大阪梅田が入居

客室の例
ヴィラフォンテーヌは住友不動産の遊休不動産の活性化を目的に1997年に開業したホテルブランドです。ブランド名は、フランス語で名称の「ヴィラ」=「館」、「フォンテーヌ」= 「泉」を意味し、住友家の屋号である泉屋がその由来となっています。全館にワイドベッドを採用、またビジネスホテルにしては大きめの浴槽、レディースルームの設置、店舗ごとに設定された客室内装のテーマなど、女性やカップルでの利用も視野に入れた造りとなっています。一部には会議室やビジネスルームを併設したホテルもあります。
ヴィラフォンテーヌのブランド内に、プレミア(ラグジュアリー)、グランド(ハイグレード)、スーペリア(スタンダード)、ヴィラージュの4グレード・タイプのホテルが存在しています。『梅田ガーデン』内のホテルはプレミアで、ラグジュアリーの位置づけとなります。
完成予想パース

※現地に掲示されていた看板を撮影しました

※現地に掲示されていた看板を撮影しました
計画概要

【スペック】
計画名称:(仮称)梅田曽根崎計画
所在地:大阪市北区曽根崎2丁目73番2
階数:地上56階、塔屋2階、地下1階
高さ:191.675m
構造:RC造、一部(SRC造、S造)
杭・基礎 :
主用途:共同住宅(賃貸)、ホテル、店舗・貸会議室(文化交流施設)、大阪市管理施設
※40~56階:賃貸住宅フロア、9~39階:その他住宅フロア、1階:店舗他、2階:文化・交流施設他、3階:住宅用駐輪場、4~8階:ホテル
総戸数:718戸(賃貸:134戸、分譲:584戸)、客室数:202室(ホテル)
敷地面積:6,837.63㎡
建築面積:4,940.65㎡
延床面積:108.608.36㎡(容積対象面積74,731.08㎡)
建築主:住友不動産
設計者:大林組
施工者:大林組
着工:2018年07月
竣工:2022年03月(予定)
所在地:〒530-0057 大阪府大阪市北区曾根崎2丁目15−14
2022年11月の様子

現地の様子です。前回の撮影が2022年4月だったので、約7ヶ月振りの取材です。

ビル本体は2022年3月に竣工しました。低層部のホテル「ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド 大阪梅田」は2022年8月にオープン済み、高級賃貸マンション「ラ・トゥール梅田」は2022年11月から入居開始予定、分譲マンション「梅田ガーデンデジデンス」は2024年4月下旬の引き渡し予定となっています。

ラ・トゥール大阪・梅田ガーデンで気になっていた箇所があったので改めて取材してきました。
それは「公開敷地」です。

アップで見た様子です。電柱電線類の地中化がされるどころか、新しい電柱が建てられてゴチャゴチャ感がパワーアップしているではありませんか!これはどういう事なのでしょうか・・。

市道と公開敷地の境界線の様子です。敷地ギリギリに新設された電柱は市道上空に電線が通るように配置されていました。さらに、既存の街並みと隔絶するかの様に植栽のバリケードがありました。
魂は細部に宿るといいます。小学校跡地を活用して街を活性化して共生して行く・・という姿勢は、建前でもポーズでも見せるのが普通だと思いますが、この開発ではそういった姿勢は微塵も感じられませんでした。

こちらは再開発に伴い住友不動産が提案したイメージパースです。広々した公開敷地、無電柱化され広々した街並みが描かれています。

西側から見た公開敷地と再開発ビル1階の様子です。敷地に面した飲食店をシナジーを発揮して、賑わいのあるオシャレスポットになると思っていましたが、1階部分に賑わいは全く感じられません。すがすがしいほどに周辺との文脈を無視した開発となりました。

こちらは低層部に入居したビジネスホテル「ヴィラフォンテーヌ グランド 大阪梅田」のエントランスです。

ラ・トゥール大阪・梅田ガーデンの開発によって、梅田最高峰の超高層ビルが完成した事は嬉しいですし、建物のデザインは悪くありません。ただ、常に感じていた違和感の正体が何だったのか?出来上がった公開敷地を見て何となく理解できました。
ポイントは2つ。
1つは地域共生はポーズだけで実際は興味無し。与えられたルールの中で収益を最大化する事にのみ注力する住友不動産の姿勢。
2つめは、せっかく小学校跡地を使って街を活性化させる大規模再開発にも関わらず、街並みから隔絶した様な開発を許した大阪市の詰めの甘さです。

まず、電柱電線類の地中化については、大阪市と住友不動産、双方共にやる気がありません。大阪市は、これだけの大規模再開発にも関わらずビル周辺の無電柱化には無頓着で開発条件に含めていません。かといって市が主導して無電柱化を進める事もしていません。
また御堂筋沿道ビルの様に、ビル周辺の無電柱化に協力すると容積を積み増しする、などのインセンティブもないので、事業者がお金を出さないとそのままになります。結果、電柱が新設されてゴチャゴチャ感が増すというあり得ない状況が生まれました。
さらに1階部分についてですが、ラ・トゥール大阪・梅田ガーデン側には住友不動産のショールームがあるだけで賑わいを感じさせるテナントは無く静まりかえっています。市道と敷地の境界線に植栽のバリケードを設けるなど、周辺と共生する姿勢は皆無です。住友不動産の姿勢について疑問を感じつつ、これについても、この様な開発を許した大阪市の詰めの甘さや、ハンドリングが出来ていない部分については、批判されても仕方がありません。

大規模再開発は一旦完成すると50年程度はそのままで根本的に作り直す事は出来ません。再開発とは街づくりとイコールで、すこしづづ街をよくするファクターを積み上げて行く取り組みだと思います。
今回は特に目立つ開発だったので問題定義の意味を込めて辛口の記事を書きました。今後、大阪都心部で行われる再開発については「再開発を通じて街を活性化させる」という本来の意味を忘れずに、その場所で求められる機能を実現する開発を行って欲しいですし、事業者側は収益を最大化しつつも「街づくりに貢献する」スタンスを忘れずに取り組んで欲しいと思いました。
2022年3月の様子

現地の様子です。前回の撮影が2021年12月だったので、約3ヶ月振りの取材です。

ビル本体は完成しており、取材時には外構工事が最終盤を迎えていました。

東側から見上げた様子です。大きな街路樹が植えられていますが、ほとんどが枯れていました・・。この場合植え替えが必要になると思いますが何処が費用を持つのでしょうか・・?

北東側から見た様子です。

南東側から見た様子です。高さ191mは30階建て程度の高層ビルに比べると異次元の高さを感じます。

上から見た基壇部の様子です。背の高い仮囲いが撤去されて外構工事が完成状態になっている事が解ります、

新御堂筋側に設けられた車寄せ付近の様子です。

車寄せの正面右側にはエスカレーターが設置されていました。

気になるのが敷地南側。雑居ビルの飲み屋群と接する箇所なのですが、電柱電線類の地中化が行われない様です。

地上から見るとこんな感じです。新しい電柱が立てられ電線のゴチャゴチャがパワーアップしていました。マジか・・。

公開敷地の様子です。変電boxが見えないので再開発側が電地下に協力した感じはありません。

ホテルヴィラフォンテーヌグランド大阪梅田のエントランス付近の様子です。

お初天神通り側から見たエントランス付近の様子です。

最後は西側から見た様子です。

