京都市では,近代建築物として歴史的・文化的価値を有しつつも,耐震性能の不足をはじめ,執務室の分散化や狭あい化,施設・設備の老朽化等多くの課題を抱える市庁舎について,それらの課題の解消とともに,防災拠点としての市庁舎の整備が急務であることから,平成26年3月に「市庁舎整備基本計画」を策定し,整備に向けた取組を進めてきました。具体的には、歴史的価値の高い本庁舎は改修、既存の西・北庁舎は建替え、本庁舎北側に分庁舎を新築する計画で、総延べ床面積は約6万0870㎡とする計画です。
現市庁舎の課題と整備の必要性
⑴ 耐震性能の強化
耐震調査の結果,すべての市庁舎(本庁舎,西庁舎 及び北庁舎)の耐震性能が著しく不足している。現状では,耐震性能が全国自治体の中でも極めて低く,地方公共団体の防災拠点施 設として求められる強度を確保することが困難。
⑵ 執務室等の分散化・狭あい化の解消と業務の効率化
本庁所属職員の約 1/3(約 1,100 人)が周辺の民間ビル (10箇所)に分散している。また、 民間ビル等の賃借費用は約4.5億円/年もかかっている。(平成24年度決算)
⑶ 市民スペース等の拡充
窓口や応接などの市民応対スペースが不足○。市民が参画する審議会や市政に関する重要な会議のスペースが不足。
⑷ バリアフリー化への対応
度重なる増築により各庁舎間で階高が異 なり連絡通路には段差がある。 本庁舎の全ての出入口に段差があり,西庁舎にはエレベーターが無い。
⑸ 建物・設備機器の長寿命化に向けた整備
本庁舎は建築後 、約90年に達しており,経年劣化が著しくなっている。 また設備機器の老朽化に伴う能力低下や部品調達が困難。
【京都市役所・再整備計画の概要】
1)本庁舎及び市会議場 →耐震改修:2017年04月着工、2020年09月竣工
2)西庁舎 →建替え :2017年04月着工、2018年07月竣工予定
3)分庁舎 → 新築 :2017年04月着工、2019年05月竣工予定
4)北庁舎→建替え :2022年09月竣工予定(分庁舎竣工後に機能移転、建替え実施)
※追記
2018年2月5日の京都市発表によると、北庁舎の完成時期が当初予定より1年遅れ、2023年秋になるとの見通しとの事です。
現在の市役所北側に新築される分庁舎の完成予想パースです。
分庁舎の工事現場の様子です。
仮囲いの中では乗り入れ構台が設けられ、大規模な工事が行われている様子が見て取れました。
こちらは建替えられる北庁舎の様子です。現在、新築中の分庁舎に機能移転後に、解体→建替えの流れになると思われます。
建替え後の北庁舎の様子です。今回の市役所庁舎再整備計画の中では一番高い建物になります。また、北側に新築される分庁舎とは道路上空の空中経路で接続されます。
最後は耐震改修工事と広場の再整備工事が行われている本庁舎の様子です。
こういう既存建物を保存しつつ新しく建物建てる時いっつも思うけど、既存建物との調和ってなぜか一切考えられてない場合が多いよね。
取って付けた感がすごい
残念ながら工期延長だそうです・・・
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180205000144