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TOTTEI PARK「緑の丘」ジーライオンアリーナの南側に新スポット誕生!屋上緑化×曲線美が紡ぐ次世代ランドスケープ体験


2025年4月の竣工、6月20日のBBQレストラン開業を経て、神戸ウォーターフロントに本格稼働を開始した新スポット「TOTTEI PARK 緑の丘」。港町・神戸の“海と山”という都市景観資源を最大限に活かした都市空間であり、GLION ARENA KOBEを中核とした新港第2突堤再開発「TOTTEI」構想の象徴的存在でもあります。今回はその現地を訪れ、五感で体験してきた「緑の丘」の魅力を写真とともに紹介します。


神戸ならではの絶景を五感で味わう“屋上緑化”空間


OTTEI PARKの先端部、GLION ARENA KOBEの南側に出現した「緑の丘」。鉄骨造2階建て・建築面積約900㎡の建物の屋根が、そのままスタンド型の芝生広場となっており、訪れる人が自由に登って神戸港と六甲山系を一望できます。まるで海に浮かぶ丘のような感覚。



屋根板上には、大林環境技術研究所の超軽量緑化土壌「Eソイル」が使われており、乾燥比重は0.3。特殊な繊維状構造によって屋根全体の耐荷重を確保しつつ、熱伝導率0.041という断熱性も兼ね備え、SDGs時代にふさわしい環境性能を実現しています。



屋根上の階段はグレーチングの隙間から植栽が覗き、柔らかく視界を包み込みます。イベント時にはこの屋上がそのまま観覧席になる“屋外劇場空間”としても活用され、GLION ARENAとの相乗効果が期待されます。

建築的見どころ:曲線が生む光と影の空間体験


緑の丘の1階部分には、多目的スペースが設けられています。高さ10m超のガラス窓と、斜めに湾曲した天井が特徴的な空間は、神戸港の空と緑を美しく映し出す設計。

この建築を手がけたのは、畑友洋建築設計事務所。無駄な角を削ぎ落としたシルバー仕上げのアーチ構造は、素材と光の対話によって“風景と建築が融合する場”を創出しています。屋根裏の構造を見上げると、湾曲する曲線が海の波のようにも見え、訪れる人の感性に働きかけてきます。


グルメ体験:「EN³」で味わう、香りと景色の記憶


2025年6月20日にグランドオープンしたBBQレストラン「EN³(エンスリー)」は、TOTTEI PARKの2階部分に位置しています。三面ガラス張りの空間からは、神戸大橋やアリーナ、六甲の稜線が広がり、海に浮かぶような非日常的な景観が楽しめます。

EN³では、香りをテーマにしたスモークBBQや旬の食材を組み合わせたメニューを提供しており、テイクアウトにも対応しています。TOTTEI PARK全体が、景観と飲食を組み合わせた回遊空間として計画されています。今後は「TOTTEI ブリュワリー」の開業も予定されており、オリジナルクラフトビールとともに、港エリアの新たな魅力として注目されています。

都市と人が関係性を取り戻す“新しい突堤”のかたち


TOTTEIとは、100年以上にわたって神戸の発展を支えた「突堤」という名称を継承し、“再生=Regeneration”の思いを込めたプロジェクト名でもあります。

このエリアは、2022年12月の港湾法改正によって創設された「みなと緑地PPP」を国内で初めて適用した再開発事例であり、公と民が協力して新しい都市空間の在り方を模索する取り組みとして位置づけられています。GLION ARENA KOBEとTOTTEI PARKの運営は、株式会社One Bright KOBEが担っています。


かつて貨物船が往来した埠頭が、今では人と人が炎を囲み、景色を共有し、時間を共に過ごす“現代的な縁側”のような空間へと再生されつつあります。


緑の丘の頂上から見下ろした芝生広場の様子です。


ジーライオンアリーナ側の様子です。


まとめ:風景に包まれ、物語が始まる場所


TOTTEI PARK「緑の丘」は、ただ景色を見るための場所ではなく、景色の中に“入り込む”ような体験ができる空間です。

神戸の都市軸であるフラワーロードの最南端、海と山をつなぐランドスケープの結節点として、観光やイベントだけでなく、都市の新しい姿を感じられる場所でもあります。風景、建築、空間、それぞれが重なり合いながら、その場ならではの時間が流れていきます。神戸の今を体感する機会として、訪れてみるのも一つの楽しみ方かもしれません。




出典:


  • 株式会社One Bright KOBE プレスリリース「神戸ウォーターフロントに『TOTTEI PARK 緑の丘』竣工」(2025年4月25日)
  • GLION ARENA KOBE公式サイト・TOTTEIプロジェクト案内
  • 大林環境技術研究所 Eソイル製品情報
  • 畑友洋建築設計事務所 プロジェクト事例紹介
  • 現地取材(2025年8月)

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