関電不動産開発、NTT都市開発、住友商事の3社は2025年8月25日、大阪市北区中之島五丁目で計画する大規模超高層マンション「(仮称)中之島五丁目3番地計画」の詳細を公表しました。地上57階・高さ約205m・総戸数約1,100戸という規模は、西日本最大級となり、関電不動産本社が立地する中之島での同社の開発戦略を象徴するプロジェクトです。2026年度春に着工、2031年度春の竣工を予定しています。
計画概要

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所在地:大阪市北区中之島五丁目3
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敷地面積:約9,685㎡(地区内共用車路を含む)
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建築面積:約5,400㎡
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延床面積:約129,000㎡(容積対象面積 約87,100㎡)
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規模:地上57階、高さ約205m
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戸数:約1,100戸
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用途:共同住宅、小規模商業施設
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駐車台数:約450台
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構造:RC造・SRC造・S造
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建築主:関電不動産開発、エヌ・ティ・ティ都市開発、住友商事
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スケジュール:2026年度春着工、2031年度春竣工予定
立地と都市計画上の意義

計画地は京阪中之島線「中之島駅」に隣接し、「渡辺橋」駅や大阪メトロ「肥後橋」駅も徒歩圏。隣接するリーガロイヤルホテル大阪とともに、中之島西端の都市機能を担うエリアです。
加えて、なにわ筋線の新駅(計画中)が開業すれば、交通利便性は飛躍的に向上します。
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梅田(JR大阪駅)まで1駅
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新大阪まで2駅
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JR難波まで2駅
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関西国際空港へ直結
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京阪中之島線と接続し、京都方面にも直通
大阪都心・新幹線・国際空港・京都をダイレクトにつなぐ類まれなアクセスが実現し、国内外からの需要を見込めるポテンシャルを持ちます。
また同地区は「中之島周辺地域 特定都市再生緊急整備地域」に指定され、土地区画整理事業により市道中之島線(幅員10m)や歩行者専用道2号線(幅員6〜8m)が新設されます。都市基盤と水辺回遊性の刷新も同時に進みます。
外観デザイン ― ガラス張りが生む圧倒的存在感

公開された完成イメージは、従来の住宅タワー像を覆すものです。
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全面ガラス張りの外装はオフィスビルを思わせる質感
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高層部は複雑な造形を採用し、高さ205mの圧倒的スケールとともに存在感を誇示
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バルコニーをBOX状に見せる新しいデザイン処理が単調さを排除
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低層棟もガラスカーテンウォールで仕上げ、住宅用途を超える建築的完成度
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公開敷地と遊歩道は緑の公園のように一体化し、都市居住と自然環境を融合
安普請のタワーマンションとは一線を画し、建築的洗練とランドマーク性を兼ね備えています。
環境配慮と居住性
環境影響評価準備書に示された主な対策は以下の通りです。
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オール電化+エコキュート採用
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EV充電設備の積極導入
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屋上緑化・外装デザインによるヒートアイランド抑制
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風洞実験に基づく風環境改善策(常緑樹植栽など)
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日影影響を軽減するタワー形状
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工事段階では低騒音・低振動工法や残土抑制を徹底
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土壌汚染対策は大部分を完了し、2024年中に指定解除見込み
都市再生と展望

「(仮称)中之島五丁目3番地計画」は、
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約1,100戸の大規模供給による都心居住の拡大
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緑化された公開空地と遊歩道による景観の刷新
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新駅を含む交通ネットワークとの融合による都市利便性の飛躍
を同時に達成する都市再生の核です。
2031年に完成するこの57階タワーは、中之島のスカイラインを更新し、水都大阪の新たな象徴となることが期待されています。
さあ、こうなるとプレッシャーが掛かるのがリーガロイヤルホテルの再開発。
ここまで気合いが入った建築が間近に出来るのであれば、建て替える建物は相当程度に気合いを入れてデザインし、良い材料に良い工事で高品質なものを作らないと。
中之島の躍進、楽しみになってきました、