ドバイ発の新世代ウェルネスホテル「SIRO Roppongi, Tokyo」が東京・六本木に進出 !カーズナーのアジア戦略と、2029年開業予定プロジェクトを予想


出典:Kerzner International

カーズナー・インターナショナル・ホールディングス・リミテッド(Kerzner International)は、アクティブウェルビーイング特化型ホテルブランド 「SIRO(サイロ)」を東京・六本木に開業する契約を締結 したと発表しました。開業は2029年を予定しています。

カーズナーは、アトランティス(Atlantis)、ワン&オンリー(One&Only)、レアファインズ(Rare Finds)を擁する世界的ラグジュアリー企業であり、今回の東京進出は、ドバイ発の新興ブランドが世界展開の重要拠点として東京を選んだという点で大きな意味を持ちます。

SIRO One Za’abeel(ドバイ、2024年2月開業)の成功を起点に、ブランドはメキシコ、サウジアラビア、モンテネグロへと拡大しており、今回の東京はアジア圏初の進出となります。

SIRO(サイロ)とは何か

出展:SIRO One Za’abeel 

SIRO(サイロ)は、以下の5つの柱を中核に据え、滞在を通じてパフォーマンスと健康を最適化する「ウェルネス特化型ホテルブランド」です。


  • Nutrition(栄養)

  • Fitness(フィットネス)

  • Sleep(睡眠)

  • Recovery(回復)

  • Mindfulness(マインドフルネス)

旅行中でも、運動・回復・睡眠の質を保ち、自分のベストな状態を維持したい利用者に向けて設計されています。

SIRO One Za’abeel(ドバイ)はすでに高評価を獲得しており、ブランドは“次世代ホスピタリティ”として国際的に注目されています。

六本木で開業する「SIRO六本木」の特徴

カーズナーの公式発表によるSIRO六本木の主要スペックは以下のとおりです。


  • 開業予定:2029年

  • 客室数:100室

  • 独立したスタンドアローン建物に整備

  • 最新鋭のフィットネスラボ/リカバリーラボ併設

  • 所在地:東京都港区六本木(Minato-ku, Roppongi)

“独立した建物(standalone building)”とする公式記述は、ホテル・ウェルネス施設・回復スペースをすべて一体化した専用棟であることを示しています。

都市型ウェルネスホテルとしては国内でも非常に珍しいタイプとなります。

建築計画の“有力候補”:「六本木7丁目計画」との整合性が高い

カーズナーは建物の住所を明らかにしていませんが、六本木エリアで 2029年竣工予定・ホテル用途・竹中工務店が建築主という条件に合致する計画は非常に限られています。

その中で最も整合性が高いのが、以下の 「(仮称)六本木7丁目計画」 です。


※本記事では、公式発表がないため断定を避け、
「有力候補」「可能性が高い」という表現に留めています。

(仮称)六本木7丁目計画(SIRO六本木の“有力候補”)


項目 内容
所在地 東京都港区六本木7-3(地番:六本木7-212-2ほか)
用途 ホテル、物販店舗
構造 RC造(一部SRC造)
規模 地上8階/地下1階
敷地面積 3,058.8㎡
延床面積 14,557.99㎡
建築主 竹中工務店 開発事業本部
設計/施工 竹中工務店
着工予定 2026年2月15日
完成予定 2029年6月30日

一致するポイント(整合性が高い理由)

  • カーズナー公式が竹中工務店との協業を明言

  • 開業予定年(2029年)が一致

  • “独立した建物”という仕様にマッチ

  • 客室規模と延床1.4万㎡が合理的

  • 六本木エリアの中でも開発余地がある立地

現時点では、これ以上に条件が揃う計画は確認されておらず、SIRO六本木の候補地として最も可能性が高い と考えられます。

カーズナー経営陣のコメント 日本市場は“戦略的に最重要”

出典:Kerzner International


マテオス・ゲオルギウ氏(SIRO / Rare Finds シニアVP)

「SIROは、睡眠・フィットネス・回復・栄養・マインドフルネスに
真にホリスティックなアプローチを提供する初のブランドです。
旅先でも最高のパフォーマンスを維持できる環境を提供します。」

フィリップ・ズーバー氏(カーズナーCEO)

「日本市場は戦略的に極めて重要です。
竹中工務店との協力により、東京にSIROを開業できることを誇りに思います。
日本にはホテル開発の大きな可能性があります。」

東京ホテル市場の現状 “大手外資の出揃い”後に訪れる新しい競争フェーズ**

この10年間で東京には主要外資系ブランドがほぼ一巡しました。


  • Marriott(リッツ、JW、エディション、ラグジュアリーコレクション、ウェスティン、マリオット)

  • Hilton(ウォルドーフ(予定)、コンラッド、ヒルトン、ダブルツリー)

  • IHG(インターコンチネンタル、キンプトン、インディゴ、ホリデイ・イン)

  • Hyatt(パーク、アンダーズ、グランド、リージェンシー、セントリック、ハウス)

  • Accor(フェアモント、メルキュール、プルマン、イビス)

結果として、差別化型・ニッチ特化型ブランドが次の競争領域となっています。

SIROはここで、「ウェルネス × 都市型」という新カテゴリを提示し、従来のラグジュアリーともライフスタイルホテルとも異なるポジションを取ります。
六本木という国際性と利便性の高いエリアは、このブランドとの相性が非常に高いと考えられます。

SIRO六本木が東京にもたらすインパクト

“都市の中心でウェルネス体験が完結する”新たなホテルモデル**

SIRO六本木は、東京市場に次のような新価値を提供します。


  • 運動・回復・睡眠改善をワンストップで完結

  • ビジネス層/富裕層の“パフォーマンス維持需要”に対応

  • 都市型ウェルネスツーリズムの本格的な受け皿

  • 外資の新興ブランドが東京をグローバル拠点に選んだ象徴的事例

都市ホテル市場は次の進化段階にあり、SIRO六本木はその変化を象徴するプロジェクトのひとつとなります。

出典元


  • Kerzner International Holdings Limited
    “Kerzner set to expand global presence of SIRO brand, announces Tokyo”

  • Kerzner International Holdings Limited
    “Kerzner International Set to Expand Global Presence of SIRO Brand, with Announcement of SIRO Roppongi, Tokyo”

  • SIRO Hotels 公式情報(SIRO One Za’abeel / SIRO Boka Place)

  • Kerzner International 企業概要(Atlantis / One&Only / Rare Finds)

  • 六本木7丁目計画(建築計画のお知らせ)

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