草津川跡地7km再生が次段階へ 区間6に全天候型あそび場・飲食施設を整備 Park-PFI事業者が決定



滋賀県草津市で、旧草津川の跡地を活用した都市公園整備が次の段階に入ります。

草津市は2026年7月1日、「草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業」の設置等予定者を、草津川跡地あそびば計画共同体に決定したと発表しました。代表法人は株式会社澤村、構成法人は飛騨五木株式会社、株式会社井上工務店です。

対象となる区間6は、すでに供用されている「de愛ひろば(区間5)」の東側に連なるエリアです。旧東海道付近からJR東海道新幹線までの約0.8kmで、草津市と栗東市が一体的に都市公園として整備を進めています。今回、草津市はこのうち国道1号に隣接する約7,400㎡で、市として初めてPark-PFIを活用します。

旧天井川の跡地を、都市の滞在空間へ



草津川跡地は、かつて天井川だった旧草津川が2002年に廃川となったことで生まれた、全長約7kmの都市空間です。

草津市はこの跡地をまちづくり資源として活用し、2017年4月に区間2の「ai彩ひろば」と区間5の「de愛ひろば」を供用しました。今回の区間6は、de愛ひろばの東側に続く区間で、既存公園、中心市街地、国道1号沿道をつなぐ位置にあります。

区間6全体の公園面積は約37,800㎡で、このうち草津市域は約26,300㎡です。JR草津駅から徒歩約15分、栗東ICから車で約10分という立地で、近隣住民の日常利用だけでなく、広域からの来訪も見込まれます。
項目 内容
事業名 草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業
事業手法 Park-PFI
所在地 草津市東草津、大路の一部
区間6全体 約0.8km、公園面積約37,800㎡
草津市域 約26,300㎡
Park-PFI対象区域 約7,400㎡
設置等予定者 草津川跡地あそびば計画共同体
代表法人 株式会社澤村
構成法人 飛騨五木株式会社、株式会社井上工務店
供用開始予定 事業対象区域は2028年4月、その他事業エリアは2029年度以降

全天候型室内あそび場、飲食施設、駐車場を整備



提案概要では、事業コンセプトとして、「人々の笑顔と時間が心地よく滞留する、公園全体ににぎわいをもたらす“みんなの居場所”」を掲げています。

主な施設は、全天候型室内あそび場、飲食施設、駐車場です。あわせて、園路・広場、屋根付き広場、公衆便所、標識、自転車駐車場なども整備します。

提案では、4つの建物と、それらをつなぐ「水面デッキ」によって全体を構成します。旧草津川の記憶を受け継ぎながら、堤防上を歩く人、来園者、飲食施設、あそび場を一体的につなぐ計画です。
区分 主な施設 役割
公募対象公園施設 全天候型室内あそび場 雨天・猛暑でも使える子育て拠点
公募対象公園施設 飲食施設 公園滞在を支え、目的地性を高める
公募対象公園施設 駐車場 国道1号沿いの広域利用を受け止める
特定公園施設 園路・広場 区間5・区間6の回遊性を高める
特定公園施設 屋根付き広場 休憩、イベント、滞留の場をつくる
特定公園施設 公衆便所 日常利用とイベント利用を支える
利便増進施設 自転車駐車場など 近隣住民の利用利便性を高める

審査では93.56点で最優秀提案に



審査講評によると、応募は2グループでした。草津川跡地あそびば計画共同体は総得点93.56点で最優秀提案に選ばれ、次点の大和リース株式会社滋賀支店グループは83.93点でした。

評価されたのは、国産木材を活用した全天候型屋内遊び場、地場食材を使った飲食店、水面デッキによる一体的な公園環境です。屋根付き広場や公衆便所なども同じ意匠でまとめ、公園全体の連続性を高める点が評価されました。

一方で、今後の協議に向けた課題も示されています。室内あそび場については、利用しやすい料金設定や仕組みの検討が求められました。障害のある子どもや医療的ケア児も利用しやすい空間づくり、車いす利用者用駐車場の配置、防災・防犯対策、地域との連携も今後の論点になります。

「通る場所」から「滞在する場所」へ



Park-PFIは、民間事業者が飲食店や遊び場などの収益施設を設置・運営し、その収益やノウハウを活用して、周辺の園路や広場などの公園施設も一体的に整備する仕組みです。

今回の計画の意味は、単に公園内に新しい施設を置くことではありません。草津川跡地は、市街地を東西に横切る長い線状空間です。そこに屋内あそび場、飲食、広場、駐車場を重ねることで、旧河川空間を「通る場所」から「滞在する場所」へ変えていく狙いがあります。

特に、全天候型室内あそび場は、近年の公園利用の課題に応える施設です。猛暑や雨天でも使いやすく、乳幼児連れの休憩・遊びの場にもなります。屋外広場に加えて、屋内で過ごせる機能を公園に組み込むことで、季節や天候に左右されにくい子育て拠点となる可能性があります。

2028年4月供用開始を予定



公募設置等指針では、事業対象区域の供用開始は2028年4月、その他事業エリアは2029年度以降の予定とされています。認定公募設置等計画の有効期間は、工事着手日から最長20年間です。

今後は、公募設置等計画の認定、基本協定の締結、設計・建設、管理運営に向けた協議が進みます。代表法人の澤村も、草津市との協議を経て、基本協定の締結と事業計画の確定へ進めると発表しています。

なお、今回公表された施設構成やイメージパースは、設置等予定者決定時点の主な提案内容です。施設の正式名称、室内あそび場の料金、飲食施設の具体的な業態、最終デザインは今後の協議で変更される可能性があります。

草津川跡地(区間6)のPark-PFIは、高層ビルを建てるような再開発ではありません。それでも、旧天井川という都市の記憶を、公園、子育て、飲食、滞在、回遊性へと組み替える点で、草津らしい都市更新といえます。

旧草津川の跡地を、次世代の都市公園へ。草津川跡地7kmの再生は、区間6で新しい局面を迎えました。




出典

・草津市「草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業における設置等予定者の決定について」
・草津市「草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業 提案概要」
・草津市「草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業にかかる選定結果および審査講評」
・草津市「草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業におけるPark-PFI事業者の募集について」
・草津市「草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業 公募設置等指針」
・建設通信新聞Digital「あそびば計画共同体を選定/草津市の草津川跡地P-PFI」
・株式会社澤村「草津市『草津川跡地(区間6)民間事業者誘致事業』の設置等予定者に選定されました」

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