京都市営地下鉄・四条駅が大規模リニューアルへ JR西日本京都SC開発コンソーシアムが四条駅の将来像やリニューアルの方向性をまとめる、前段階の基本構想策定


出典:Wikipedia

京都市営地下鉄烏丸線の四条駅で、大規模リニューアルに向けた検討が動き出しました。

京都市交通局は、「地下鉄烏丸線四条駅リニューアルに係る基本構想策定業務」の公募型プロポーザルを実施し、JR西日本京都SC開発株式会社を代表者とするコンソーシアムを受託候補者に選定しました。選定結果は2026年6月16日に公表され、評価点は85.7点。他の応募者の70.3点、68.3点を上回りました。

今回の業務は、すぐに工事へ入るものではありません。四条駅の将来像やリニューアルの方向性をまとめる、前段階の基本構想策定です。ただし、検討範囲は広く、駅機能、商業機能、バリアフリー、駅ナカ収益、広告、テナント構成、周辺商業との回遊性までを一体で見直す内容となっています。

開業から40年以上、駅全体の再構築を検討

対象となるのは、京都市下京区二帖半敷町にある地下鉄烏丸線四条駅の地下1階、地下2階、地下3階ホーム階です。

四条駅は1981年の烏丸線開業以来、必要に応じた改修は行われてきましたが、施設全体を対象にした抜本的なリニューアルは実施されていません。壁や天井、駅設備の老朽化も進んでおり、京都市交通局は「次の50年」を見据えた駅機能の改良が必要だとしています。

もう一つの焦点が、駅ナカ商業です。四条駅の商業施設「コトチカ四条」は2010年10月に開業し、すでに15年以上が経過しています。施設の更新に加え、利用者ニーズの変化への対応も課題となっています。

京都市交通局の駅ナカビジネスは、2024年度決算で10.8億円の収入を確保しています。経営ビジョンでは12億円を超える収入を目標としており、四条駅のリニューアルは、利便性の向上と収益力の強化を同時に進める取り組みといえます。

駅務室、動線、バリアフリー、商業区画を一体で見直し

基本構想では、証明書発行コーナー跡地の活用、駅務室の移転・改修、動線改良、エレベーター増設、駅ナカ商業施設の拡充などを検討します。

あわせて、ゾーニング、デザイン、サイン計画、照明、素材、広告、テナント構成、賃料収入、概算改修費、費用対効果なども整理します。駅を「移動の場」としてだけでなく、商業・広告・回遊の拠点として再設計する構想です。

利用者アンケートも予定されています。対象は日常利用者、外国人を含む観光客・来街者、駅周辺居住者などです。駅施設や商業施設への満足度、不満点、動線の分かりやすさ、混雑、案内表示、バリアフリー、今後期待する機能などを把握します。回答数は300〜500件程度を想定しています。

JR西日本京都SC開発が選ばれた意味

受託候補者となったJR西日本京都SC開発は、京都駅直結の商業施設「京都ポルタ」を展開する会社です。貸店舗の経営、不動産賃貸借、広告施設物の賃貸、館内サービスの提供などを手がけています。

四条駅のリニューアルでは、鉄道駅としての安全性や動線に加え、駅ナカ商業としての収益性、テナント構成、広告価値も問われます。駅直結型商業施設の開発・管理運営ノウハウを持つ同社が代表者となったことは、今回の案件が商業機能の再構築を重視していることを示しています。

2027年度に基本構想をまとめる流れ

委託期間は、契約締結日から2027年12月31日までです。2026年度中に複数案を比較し、2027年度に採用案をもとに基本構想をまとめる予定です。
時期 主な内容
2026年3月31日 京都市交通局が受託事業者募集を公表
2026年5月下旬 選定委員会・プレゼンテーション
2026年6月16日 JR西日本京都SC開発コンソーシアムを受託候補者に選定
2026年度中 A〜C案のリニューアルラフ案を比較
2027年3月上旬 評価用リニューアル案を京都市交通局へ提出
2027年度 採用案をもとに詳細検討
2027年9月下旬 基本構想の本編・概要版を提出
2027年12月31日 委託期間の終了予定
基本構想では、リニューアルの基本方針、駅機能の再配置、バリアフリー対応、商業施設のポジショニング、MD方針、運営体制、リーシング、概算収支、リスク対応方針などが整理されます。駅全体の将来像を示すパース図も作成される見込みです。

今後の焦点は「どこまで変わるか」


地下鉄烏丸線のイメージ

今後の焦点は、駅構内の動線や商業配置にどこまで手を入れるのか、営業を続けながらどのように段階整備するのか、商業機能をどの程度拡大できるのかです。

一方で、仕様書では「既存躯体に対する大規模な改良は原則として想定しない」とされています。地下鉄駅という制約の大きい空間である以上、理想案だけでは進みません。施工性、費用、収益性を踏まえた現実的な計画づくりが求められます。

現時点では、具体的な工事費、着工時期、完成時期、テナント構成は公表されていません。今回の選定は、あくまで基本構想策定に向けたスタート地点です。

それでも、四条駅は地下鉄烏丸線と阪急京都線が接続する京都都心の重要な結節点です。リニューアルの影響は駅構内にとどまらず、四条烏丸の地下空間全体の使われ方にも及ぶ可能性があります。

京都市営地下鉄にとっては、運賃収入に依存しない収益源を育てる取り組みでもあります。2027年度にまとまる基本構想で、四条駅の将来像がどこまで具体化されるのか。今後の展開が注目されます。




出典

京都市交通局「地下鉄烏丸線四条駅リニューアルに係る基本構想策定業務受託候補者の選定結果について」
京都市交通局「地下鉄烏丸線四条駅リニューアルに係る基本構想策定業務」受託事業者の募集
京都市交通局「地下鉄烏丸線四条駅リニューアルに係る基本構想策定業務 業務仕様書」
建設通信新聞「JR西日本SC開発コンソーシアムに/四条駅リニューアル基本構想/京都市」
建通新聞「京都市 四条駅リニューアル基本構想はJR西京都SC開発」

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