
神戸・三宮の中心部にある「さんプラザ」「センタープラザ」「センタープラザ西館」の建て替えに向け、区分所有者らで構成する「サンセンタープラザ地区再開発協議会」が、2026年7月24日に発足しました。
ただし、現時点で建て替え事業が正式に決まったわけではありません。今回の協議会発足は、3館を一体的に再整備する方向で、事業手法や施設計画、権利調整を具体的に検討する組織が立ち上がった段階です。
建物の規模や高さ、用途、事業費、解体・着工・完成時期はいずれも決まっていません。
「将来の在り方」から事業化の検討へ
今回発足した協議会は、約400人に上る区分所有者の合意形成を進めながら、建て替えの実現可能性を具体的に検討する組織です。一部では「3館一体建て替えへ」と報じられていますが、正確には、建て替えを前提とした基本計画案を今後数年かけてまとめていく段階です。3館を1棟の大型複合ビルに集約するのか、複数棟で再整備するのかも明らかになっていません。
| 項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| 対象 | さんプラザ、センタープラザ、センタープラザ西館 |
| 地区面積 | 約1.58ha |
| 区分所有者 | 3館合計で約400人 |
| 今回決まったこと | 再開発協議会の設立、コンサルタントの選定開始 |
| 今後の検討事項 | 事業手法、施設構成、規模、権利調整、事業工程 |
| 現時点で未定 | 高さ、用途、事業費、事業者、解体・着工・完成時期 |
まずは再開発コンサルタントを選定
協議会は発足に合わせ、組織運営や合意形成を支援する再開発コンサルタントの公募を開始しました。参加表明書を2026年8月21日、提案書を9月4日まで受け付け、9月28日ごろに委託先を決定する予定です。委託期間は2027年3月末までとなっています。今回の業務の中心は、完成予想図を描くことではありません。約400人の区分所有者の意見を整理し、再開発をどのような手法で進めるのか、既存の権利を新施設へどう移すのかといった基本条件を固めることが主な目的です。
建物の具体像を描く前に、まず事業を成立させるための土台を整える必要があります。
延床約12.7万㎡、500店超が集まる巨大商業街区

出展:大林組
3館は1970年代に整備され、三宮センター街を構成する中核施設として発展してきました。現在の延床面積は合計約12万7,000㎡。飲食店やファッション、雑貨、ゲーム、カードショップ、事務所など、500を超える店舗や事業所が入居しています。| 建物 | 現在の規模 | 延床面積 |
|---|---|---|
| さんプラザ | 地下2階・地上6階 | 約3.95万㎡ |
| センタープラザ | 地下2階・地上19階 | 約5.50万㎡ |
| センタープラザ西館 | 地下2階・地上8階 | 約3.26万㎡ |
最大の壁は約400人の合意形成
建て替えに向けた検討は、今回突然始まったものではありません。3館では2020年度から「今後のビルの在り方」について議論を重ね、神戸市も2022年度から、専門家による合意形成支援の費用を補助してきました。神戸市は都市計画を担う行政機関であると同時に、3館の区分所有者でもあります。久元喜造市長も、400人を超える権利者の合意形成が最も重要だと説明しており、管理会社や専門家と連携しながら議論を支援する方針です。
協議会の発足は大きな前進ですが、建て替えを決議した段階ではありません。これまで各館ごとに進めてきた話し合いを、3館一体の再開発として具体化するための組織ができた。それが現在地です。
三宮らしさを新施設へ引き継げるか
今後は事業採算や建設費に加え、現在入居する個性的な店舗をどう扱うかも焦点になります。Xでは、建て替え後の賃料上昇によって、小規模な飲食店やカードショップ、サブカル系店舗などが再入居できなくなり、他都市と変わらない商業施設になるのではないかとの懸念も見られます。これは現時点の公式な検討事項ではありませんが、再開発後の施設が利用者からどう評価されるかを左右する重要な論点です。サンセンタープラザは、三宮駅前の一等地にありながら、新旧の店舗が混在する独特の商業空間を形成してきました。建物を新しくするだけでなく、この場所が持つ多様性や雑然とした魅力を、次の施設へどう引き継ぐのか。今後の協議では、事業としての成立と三宮らしさを両立させる計画が求められます。
出典
神戸市、株式会社神戸サンセンタープラザ、神戸新聞、建設通信新聞、神戸経済ニュース、X投稿Visited 61 times, 61 visit(s) today
