※現地に掲示されいたパネルを撮影しました
JR九州は2019年3月25日付けのニュースリリースで2019年3月18日に熊本駅ビルの建設工事に着手したと発表しました。本駅ビルの開発計画は、陸の玄関口「熊本駅」に相応しい、地上 12 階、地下 1 階建ての駅ビルで、商業とホテル・立体駐車場による複合施設を建設し2021 年春に開業させる計画です。その後も、駅ビルの開発にあわせて住居等の開発を計画、駅周辺のまちづくりを進めていく予定です。
【出典元】→JR九州>熊本駅ビルの工事着手及び安全祈願祭について
JR九州が「熊本駅ビル」の開発概要を発表!新駅ビルは地上12階、地下1階建て、延べ床10.7万㎡の規模で2021年春の開業を予定
【スペック】
計画名称:熊本駅ビル (仮称)
所在地:熊本市西区春日3丁目15番地他
階数:地上12階、地下1階
高さ:59.411m
構造:S骨造、一部RC造
杭・基礎 :
主用途:共同住宅、ホテル
客室数:203室
敷地面積:19,067.60㎡
建築面積:12,973.46㎡
延床面積:86,450.58㎡(容積対象面積?)
建築主:JR九州
設計者:日建設計
施工者:大林組
着工:2019年03月18日
完成:2021年03月(予定)
◆駅ビルの計画概要
敷地面積 : 19,000㎡ ※熊本駅周辺開発の敷地面積は約70,000㎡
延床面積 : 107,000㎡
商業店舗面積 : 37,000㎡
用途 : ホテル(200 室、プレミアム宿泊主体型ホテル) 結婚式場(多目的バンケット) 商業(シネマコンプレックス含む)
階数 : 地下1階 ~ 地上12階建て
駐車場台数 : 800台(駅ビル直結駐車場) ※開発計画全体での駐車場台数は2,100 台
◆駅ビルの特徴
1)陸の玄関口「熊本駅」のにぎわいの創出
・ファッション、雑貨、シネコン、そして飲食・食品を充実させ、様々な世代に ご利用頂ける商業施設をつくります。
・駅ビルの大屋根や駅前広場を中心に様々なイベントや情報発信を行います。
2)「水と緑の立体庭園」
・熊本の陸の玄関口として、熊本の新たなシンボルとなる「水と緑の立体庭園」 を設けます。
・水と緑のうるおいの中に店舗を配置し、憩いとにぎわいを感じる空間とします。
3)駅立地を活かした多機能施設整備による魅力の向上
・JR九州グループのプレミアム宿泊主体型ホテル「Blossom(ブラッサム)」を ベースに、熊本駅直結の利便性に加え、新しい熊本駅に相応しい高品質なホテルをつくります。
・結婚式場を設け、新たな生活のスタートの場所とし、また平日も多目的な利用 ができるバンケットとして交流やにぎわいの場をつくります。
・鉄道や路面電車・バスに加えて、2,100 台(3 箇所)収容可能な駐車場を整備す ることで、快適なアクセスを実現します。
◆駅ビル以外の開発計画
熊本駅ビルの開発計画にあわせて、熊本駅周辺の開発敷地面積約 70,000 ㎡を活用し、 以下の熊本駅周辺の「まちづくり」が推進されます。
・高架下商業施設のリニューアルオープン ・快適なアクセスを実現させる立体駐車場の整備
・熊本駅周辺での住居系開発
2019年10月の様子
現地の様子です。熊本駅前を一変させる規模の巨大開発が進行しています。取材時には土工事、杭工事、コンクリート打設が行われていました。
撮影ポイントを変えて地上の様子です。JR九州のニュースリリースでは「延べ床面積約10.7万㎡」と発表されましたが、建築計画のお知らせ(正確にはホテル等建築予定のおしらせ)では約8.6万平と記載されていました。掲示板の数値との差がなぜなのか?は解りませんが、掲示板の数値は容積対象面積なのかもしれませんね。
開いていたゲートから内部を撮影しました。
JR九州はの非鉄道事業は、2015年度で連結売上高の6割以上を占めており、その比率はJR貨物を除くJRグループの中で最も高くなっており、同社が置かれた市場環境により鉄道事業の収益はあまり高くありません。JR九州は自社が持つ最大の武器である「駅の集客力」を最大限に活かすために九州各県の中心駅前に大型駅ビルを建設し、非鉄道事業の収益性を高める戦略を取っています。
熊本駅ビルは延べ10万平米を超える巨大開発なので「従来の都心繁華街」VS「JR拠点駅前」の対立構造が熊本でも再現される事になります。ただし、熊本の場合は都心繁華街と駅との距離が離れてる事と、駅前の商業集積がほとんど無い所から開発がスタートする事から、熊本駅前が力をつけるまでは長い時間がかかりそうです。
中心と駅前が上手い具合に競争共存しながら発展すると2核都市になって街に奥行きが出てきますので楽しみです。