奈良県大和高田市は、1963年に建設された現庁舎が老朽化や耐震性能の不足、狭隘化、分散化、高度情報化への対応、バリアフリーの対応、防災対策の諸問題を抱えている事から、庁舎機能の回復、災害対策の拠点施設として、新庁舎の建設を行うになりました。
市は、建替えにあたり「大和高田市新庁舎建設事業設計・施工業務」の公募型プロポーザルを実施し、戸田建設・安井建築設計事務所JVを特定し、2019年9月に設計・施工業務契約を締結。2019年09月に着工、2021年4月に建物が竣工し、同年7月より順次供用が始まりました!
【出展元】
→大和高田市>新庁舎建設事業
施設概要
新庁舎は、地上6階、棟屋1階建て、高さ29.646m。RC造+梁、一部S造で、免震構造を採用。敷地面積6476.51㎡に延床面積10,300㎡の新ビルが建設されます。低層部に戸籍・住民票・年金部門、保健・福祉部門などのほか、エントランスホール、待合ロビー、市民サロンなどを配置。防災拠点として免震構造を採用しています。
計画名称 | 大和高田市新庁舎 |
所在地 | 奈良県大和高田市大字大中98番4 |
交通 | 近鉄大阪線・大和高田駅徒歩14分、JR和歌山線高田駅徒歩19分 |
階数 | 地上6階、棟屋1階、地下0階 |
高さ | 29.646m |
構造 | 鉄筋コンクリート造+梁一部を鉄骨造 |
杭・基礎 | 杭基礎(SC)杭、免震構造 |
主用途 | 事務所(庁舎) |
敷地面積 | 6476.51㎡ |
建築面積 | 2,881㎡ |
延床面積 | 10,300㎡ |
容積対象面積 | 10,087㎡ |
建築主 | 大和高田市 |
設計者 | 戸田建設・安井建築設計事務所JV |
施工者 | 戸田建設・安井建築設計事務所JV |
着工 | 2019年09月 |
竣工 | 2021年04月 |
開庁 | 2021年07月 |
備考 | 老朽化した市庁舎の建替え計画。建替えにあたり公募型プロポーザルを実施し、戸田建設・安井建築設計事務所JVを特定。低層部には戸籍・住民票・年金部門、保健・福祉部門などのほか、エントランスホール、待合ロビー、市民サロンなどを配置し、防災拠点として免震構造を採用。現庁舎は1963年に建設され、耐震性の不足や老朽化などが課題になっていた。 |
新庁舎は、水平庇により彫り深く風格を生み出し、建物全体を整える高層階デザインが特徴です。建物東西面は堅牢な外装仕上げで、頂部中央は正面性を高める外観デザインとなっています。
低層部は、市民を迎える柔らかい曲線と緑豊かな低層階デザインでメインの出入り口が解りやすい特徴ある大きな庇が特徴です。また、3階には展望テラスが設けられ、市民開放ゾーンとして市域を見渡せる休憩ゾーンとする計画です。
2021年8月の様子
58年ぶりに新築された高田市役所。7月から供用が始まり気になっていたので、早速取材してきました!
真正面にある石碑と市民憲章が書かれた銘板の様子です。
南西側から見た様子です。目の前の市役所通りが渋滞しっぱなしで車が途切れる事がありませんでした。
渋滞していない時に取り直したい感じです(笑)
正面エントランス付近の様子です。
1階エントランス・ホール
1階多目的ホールの様子です。2階吹き抜けの広々とした空間は新庁舎のシンボル的な役割を果たします。
天井・壁・床(ス テージ部分)に奈良県産材を多く採用し、ぬくもりが感じられる内装となっています。壁面は4面マルチビジョンが設置されました。
ホール内にはデザインされたベンチが置かれていました。
1階エレベーターホールの壁面には大和高田市のPRコーナーがありました。
3階屋上テラス
3階エレベーターホールの様子です。3階には屋上テラスがあります。
3階南側に設けた屋外テラスの様子です。来庁者が寛げる様に、ベ ンチやプランターが設置されました。
屋上テラスから庁舎を見上げるとこんな感じです。
テラスの南東側は舞台の様なイベントスペースになっていました。
6階・エレベーターホール(展望室)
6階エレベーターホールの様子です。展望室になっており、大きな窓ガラス越しに市内が一望できます。春には高 田千本桜が遠くまで見通せそうですね。
展望室からは南側・東側の景色を眺める事ができます。
大和高田市議会
6階の展望室から議場の傍聴席にる事ができます。
傍聴席から見た議場の様子です。こちらも県内産の木材がふんだんに使われています。
最新の施設だけあって非常に快適そうです。
市議会議員になれれば、この椅子に座る事ができます・・。
新庁舎 北側外観
北側から見た様子です。来庁者用の駐車場は建物の裏手にあたる北側にあります。
最後は北西側から見た様子です。ついに供用が始まった大和高田市 新庁舎。取材した感想は「コンパクトで機能的。コスト削減の跡が見られますが、制約下でも良いデザインを行おうという工夫が随所に見られました。3階テラスや6階展望室、そこから繋がる市議会の傍聴席など「市民に開かれた庁舎」のコンセプトが体現されていると思いました。
おまけ・役目を終えた旧庁舎
新庁舎の近くには役目を終えた旧庁舎があります。
正面から見た様子です。よくぞここまで持ちこたえてくれた・・・といった感じですね。
最後は、新庁舎から見た旧庁舎の様子です。58年間お疲れまでした!
近年、各地で老朽化した役所庁舎の建て替えが行われてますね。
各々が地域の実情にあった建物に一新され、新陳代謝が進んでいます。