MGMリゾーツが英オンライン大手エンテイン社の取得を断念。大阪IRに対する投資意欲にはプラスに作用する?

出展:Wikipedia

MGMリゾーツ・インターナショナルは、現地時間2021年1月19日付けのニュースリリースで、Ladbrokesを所有する英スポーツくじおよびiGaming大手のエンテイン社を取得する取り組みを終了したと発表しました。同社は「即座に拒否されたエンテインの支配権獲得のための最初の全額株式提案を熟慮し、慎重に検討した結果、修正案を提案するつもりはない」と述べました。

MGMは、エンテイン株の価値を約129億米ドル(約1兆3,399億円)と見積もっておりエンテイン株1株に対してMGM株0.6株での提案を行いました。これはエンテインの現在の株価からは22%の割増に相当し、これらの提案の条件の下で、エンテインの株主はその合併会社のおよそ41.5%を所有する見込みでした。

【出展元】 →ENTAINPLCに関するMGMリゾーツインターナショナルステートメント

 


 

 



 

MGMリゾーツ・インターナショナルがエンテインの取得に意欲を示し巨費を投じる事は、イコール、同社の大阪IRに対する投資意欲を削ぐ結果に繋がり、大阪から手を引く、もしくはパートナーシップの投資比率を下げる可能性があると危惧していました。今回、MGMがエンテインの取得をこれ以上追い求めない、という決定を下した事は、大阪IRにとってはプラスに繋がると思います。

しかし、長引くコロナ禍の影響でゲーミング業界は危機的な状況が続いており、業界最大手のMGMも厳しい状況に置かれている事に変わりはありません。大阪IRというよりも日本版IRが本当に実現するか否かについては、このブログで再三指摘してきた通り、日本政府のスピード感と参入企業に十分な収益性を持たせるレベルの法令整備にかかっています。10年以上にわたってノラリクラリと決定を先延ばしにしあ挙げ句、参入企業が十分に収益を上げられない規制を行い、結果、日本に向かう投資がシンガポールなどの他国に取られて負ける。そこにコロナ禍がトドメを刺そうとしています。

 

 


出典:MGM Resorts International

今回、MGMリゾーツが英オンライン大手エンテイン社の取得に巨費を投じる動きを見せた事は、大阪IRにオールインではない事を暗に示しています。しかし、それでもなお大阪は、長い間IR誘致に非常に熱心であり続け、大阪府の吉村洋文知事と大阪市の松井一郎市長が足並みを揃えて府市一体となって誘致に取り組んでいます。『運命は勇者に微笑む』最後に笑う者は最後まで諦めなかった者であって欲しい。コロナ禍に置ける大阪IRを見て強く思いました。