国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際自然保護連合(IUCN)」は2021年5月10日、日本政府が世界自然遺産に推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、登録するよう求める勧告を発表しました。登録勧告はそのまま認められるのが通例で、7月16~31日にオンラインで開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録が正式決定される見通しです。実現すれば1993年の屋久島(鹿児島)と白神山地(青森、秋田)、2005年の知床(北海道)、2011年の小笠原諸島以来、10年ぶり5件目の登録となります。
世界遺産への登録に再挑戦した今回は、推薦区域の見直しを行い、総面積は前回推薦時より4752ha増え、4万2698haになりました。地域別では、沖縄島北部7721ha、西表島2万822ヘクタール、奄美大島1万1640ha、徳之島2515haが登録対象です。奄美大島等を世界遺産に 勧告#Yahooニュースhttps://t.co/7lOOQ5Xgox
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) May 10, 2021
出典:あまみ大島観光物産連盟
「奄美・沖縄」は、大陸から取り残され独自の進化を遂げた希少動植物が多く生息する「生物多様性」が特徴で、亜熱帯照葉樹林内に、アマミノクロウサギやヤンバルクイナなど絶滅の恐れがある固有種が生息しています。政府は2017年にも推薦しましたが、18年5月に登録延期の勧告を受けて取り下げ、19年に再推薦しました。希少種の保護など対策を強化して臨んだ20年は、新型コロナウイルスの影響で世界遺産委員会の開催が延期となり、審査が先送りとなっていました。UCNは、沖縄・奄美に絶滅の恐れがある動植物が連なっているほか、独自の生態系や生物多様性、推薦地の飛び地を解消したことによる希少種の保護などを審査したとみられます。