「THE THOUSAND HIEI (ザ・サウザンド比叡)〜 無為奥山」2027年春開業へ!比叡山の旧「ロテルド比叡」をリブランド、琵琶湖を望むインフィニティプール温浴など唯一無二の滞在体験を提供

京阪ホテルズ&リゾーツは、京都市左京区・比叡山上の「ロテルド比叡」について、株式会社ホテル京阪から運営を移管し、新たなリトリートホテル「THE THOUSAND HIEI  無為奥山(むいのおくやま)」として再生するリブランドプロジェクトを始動しました。グランドオープンは2027年春を予定しています。

新ホテルは、京都駅前のフラッグシップホテル「THE THOUSAND KYOTO」に続く新たなコレクションとして展開されるものです。コンセプトは「比叡山嶺の、東洋療養リトリート」。世界文化遺産・比叡山延暦寺を擁する山上に、全33室の小規模ラグジュアリーホテルが誕生します。

今回の計画は、既存ホテルの単なる改装ではありません。京阪グループが持つ「京都」「琵琶湖」「比叡山」の観光資源をつなぎ、都市滞在、湖畔滞在、山岳リトリートを一体的に展開する、広域観光戦略の一手といえます。

「THE THOUSAND」ブランドが比叡山へ展開

ザ・サウザンド京都(THE THOUSAND KYOTO)

「THE THOUSAND」ブランドは、2019年に開業した「THE THOUSAND KYOTO」から始まりました。同ホテルは「千年ホテル」をコンセプトに、京都の歴史性と現代的な快適性を融合させた、京阪グループの象徴的なホテルです。

今回、そのブランドが比叡山へ広がります。

京都駅前の「THE THOUSAND KYOTO」が都市型ラグジュアリーであるのに対し、「THE THOUSAND HIEI  無為奥山」は、自然、静寂、療養、精神性を前面に出した滞在型リトリートです。同じブランドの中で、都市と山上という対照的な滞在価値を提示する点に、このプロジェクトの面白さがあります。

コンセプトは「東洋療養リトリート」

新ホテルの核となるのは、「東洋療養リトリート」という考え方です。比叡山は、最澄が開いた日本仏教の聖地であり、延暦寺は1200年以上の歴史を持ちます。発表資料では、最澄が仏教医学の知見も含む『摩訶止観』の修行法を日本に伝え、自ら薬師如来を彫って延暦寺の本尊として祀ったことに触れています。

薬師如来は、病を癒やし、心身を整える御仏として信仰されてきた存在です。今回のリニューアルでは、この歴史的背景を、現代のホテル体験に落とし込みます。

滞在の核となるのは、比叡山の湧水「日枝の霊水」。そこに、食養生、鍼灸体験、温浴体験などを組み合わせ、心身を丁寧に整える滞在を提供する計画です。

近年の高級ホテル市場では、豪華な客室や設備だけでは差別化が難しくなっています。求められているのは、その土地でしか得られない体験です。「THE THOUSAND HIEI  無為奥山」は、比叡山という特別な場所に、ウェルネス、食、地域文化、精神性を重ねた目的地型ホテルといえます。

全33室、琵琶湖を望む温浴体験も計画

施設は地下1階、地上2階建て。客室数は全33室で、スタンダードルーム26室、スイートルームなど7室を設けます。大規模ホテルではなく、少数の宿泊客に深い滞在体験を提供する小規模ラグジュアリー型の構成です。

付帯施設として、スペシャリティレストラン、バー、スパなどを計画しています。公開されたイメージパースでは、山嶺から琵琶湖方面を望むインフィニティプール、落ち着いた客室、静かなフロント、レストラン、バーなどが示されました。

特に注目されるのが、比叡山上の眺望を生かした温浴体験です。琵琶湖を望む開放感と、東洋的な療養思想を組み合わせることで、京都市街地のホテルとは異なる滞在価値を打ち出します。


項目 内容
施設名 THE THOUSAND HIEI ── 無為奥山
読み方 ザ・サウザンド比叡 ── むいのおくやま
所在地 京都市左京区比叡山一本杉
客室数 全33室
客室構成 スタンダードルーム26室、スイートルームなど7室
階数 地下1階~地上2階
付帯施設 スペシャリティレストラン、バー、スパなど
開業予定 2027年春
旧施設 ロテルド比叡

「無為奥山」に込められた価値

サブネームの「無為奥山」には、ホテルの方向性が端的に表れています。

「無為」は、都市の喧騒や作為から離れ、自然と調和する在り方を示す言葉です。「奥山」は、市街地から切り離された比叡山上という場所性を表しています。

つまり「無為奥山」とは、予定を詰め込み、観光地を巡る旅行ではなく、静けさの中で何もしない時間そのものを味わう滞在です。効率よく動く旅ではなく、あえて立ち止まる旅。その価値をホテルとして形にしようとしている点が特徴です。

比叡山の歴史性、山上の隔絶感、琵琶湖を望む眺望、東洋的な療養思想。これらを一体化することで、同ホテルは京都市街地のラグジュアリーホテルとは異なるポジションを狙います。

基本構想には株式会社水星が参画

基本構想には、龍崎翔子氏が代表を務めるホテルプロデュース会社・株式会社水星が参画しています。同社は、地域の空気感を織り込んだスモールラグジュアリーホテルの企画・プロデュースを手掛けてきた企業です。「メディアとしてのホテル」を掲げ、宿泊施設を通じて地域やライフスタイルの新しい選択肢を提示してきました。

今回のプロジェクトでは、京阪ホテルズ&リゾーツと共同でコンセプトやサービス設計を行います。全33室という規模を考えると、重要になるのは客室数の多さではなく、比叡山の歴史や空気感をどこまで滞在体験に落とし込めるかです。その点で、水星の参画は施設の個性を強める要素となりそうです。

京都・琵琶湖・比叡山をつなぐ京阪グループの布石

京阪ホテルズ&リゾーツは、京都駅前の「THE THOUSAND KYOTO」や「京都センチュリーホテル」、大津市の「琵琶湖ホテル」などを運営しています。ここに比叡山上の「THE THOUSAND HIEI  無為奥山」が加わることで、都市、湖畔、山上を結ぶ滞在拠点がそろいます。

これは、京都駅周辺に集中しがちな観光需要を、周辺エリアへ広げる動きでもあります。京都観光ではオーバーツーリズムが課題となる一方、比叡山や琵琶湖周辺には、高付加価値な滞在地としての余地が残されています。

比叡山を「日帰りで訪れる場所」から「泊まって整える場所」へ変えることができれば、京都観光の滞在時間延長や需要分散にもつながります。

「THE THOUSAND HIEI  無為奥山」は、旧「ロテルド比叡」の再生にとどまらず、京阪グループによる広域観光戦略を象徴するプロジェクトです。2027年春の開業に向け、今後発表される客室、料飲、温浴、ウェルネスプログラムの詳細にも注目が集まりそうです。






出典

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社 発表資料
「THE THOUSAND HIEI ── 無為奥山」開業計画資料

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