出展:徳島県観光スポーツ文化部観光スポーツ文化政策課
兵庫県と徳島県が整備を進める「大鳴門橋自転車道」について、工事工程が当初計画から約9カ月遅れることが明らかになりました。2026年9月1日に開かれた「第1回大鳴門橋自転車道連絡会議」で、本州四国連絡高速道路が受託する自転車道設置工事について、2028年3月末の完了を目指す方針が示されました。
ただし、その後も兵庫・徳島両県が発注する防護柵やゲートなどの工事が残るため、自転車道全体の開通時期は現時点で未定です。
| 項目 | 最新状況 |
|---|---|
| 路線 | 大鳴門橋自転車道 |
| 全長 | 約1,799m |
| 標準幅員 | 4m |
| 内訳 | 自転車道2.5m+歩道1.5m |
| 総事業費 | 約58億円 |
| 費用負担 | 兵庫県30億円、徳島県28億円 |
| 本四高速施工分 | 2028年3月末完了を目標 |
| 工程 | 当初計画から約9カ月遅延 |
| 開通時期 | 未定 |
| 工事状況 | 両岸アプローチ橋は完成、本体床版を施工中 |
| 報道ベースの進捗 | 通行部分約27% |
戦争遺構の発見が工程に影響
遅延の主因となったのは、淡路島側の「道の駅うずしお」リニューアル工事で確認された旧日本陸軍・門崎砲台の戦争遺構です。遺構は2023年の発掘調査で確認され、その調査・保存対応が大鳴門橋へ接続するアプローチ部分の工事に影響しました。兵庫県、徳島県、本四高速は工程短縮を検討しましたが、大鳴門橋は海上施工で風の影響を受けやすく、供用中の道路橋直下という特殊な施工条件もあるため、大幅な工程圧縮は困難と判断されました。
今回の続報で重要なのは、遺構の発見そのものではなく、その影響を織り込んだ最新の工事完了見通しが示されたことです。
大鳴門橋の「鉄道空間」を自転車道へ転用

出展:徳島県観光スポーツ文化部観光スポーツ文化政策課
大鳴門橋は1985年に開通しましたが、下層部には将来の鉄道敷設を想定した空間が確保されています。今回の事業では、この未使用空間を活用し、淡路島と徳島県鳴門市を自転車と徒歩で結びます。| 設計上の特徴 | 内容 |
|---|---|
| 一般部 | 鉄道用空間の中央付近に自転車・歩行者道を設置 |
| 主塔付近 | 維持管理空間確保のため瀬戸内海側へ配置 |
| 渦の道との接続 | 既存展望施設を活用 |
| 展望室内 | 自転車は降車して通行 |
| 緊急対応 | 淡路島側から緊急車両が進入可能 |
| 転回所 | 橋上3カ所に設置 |
| 施工方法 | 淡路島側で床版を組み立て、搬送・架設 |
淡路島と四国を直結する新たな観光軸へ

完成すれば、これまで自転車では直接渡れなかった淡路島と四国が陸路で結ばれます。淡路島側では、淡路島南IC周辺に約300台規模の駐車場やバス待合所、トイレ、情報発信機能を備えた交流拠点も計画されています。
徳島側では鳴門市から四国各地へ、兵庫側では淡路島を北上して明石海峡方面へ接続できるため、淡路島・鳴門・瀬戸内を結ぶ広域サイクルツーリズムの新たな軸になる可能性があります。
とりわけ大鳴門橋は、鳴門海峡そのものが強力な観光資源です。既存の「渦の道」と自転車道を組み合わせることで、単なる通過ルートではなく、橋上で景観や観光を楽しむ体験型インフラとしての性格も強まります。
焦点は正式な開通時期

大鳴門橋自転車道は、構想段階から実施設計、アプローチ橋完成、本体床版施工へと着実に進んできました。一方、戦争遺構という想定外の要因によって工程は後ろ倒しとなり、現時点では正式な開通時期を示せない状況です。
今後の焦点は、2028年3月末までに本四高速担当分を完了できるか、そして後続工事を含む全体の開通時期がいつ確定するかです。
出典・参考資料
- 兵庫県「大鳴門橋自転車道」
- 兵庫県・徳島県「第1回大鳴門橋自転車道連絡会議 議事概要」(2026年9月1日)
- 兵庫県・徳島県「第1回大鳴門橋自転車道連絡会議 現場視察説明資料」(2026年9月1日)
- 徳島県「大鳴門橋自転車道」
- 南あわじ市「門崎砲台跡」
- 南あわじ市「大鳴門橋自転車道・周辺地域の受入環境整備」関連資料
- 四国放送「大鳴門橋自転車道 戦争遺構の発見で完成遅れる見通し」(2026年9月1日)
- 徳島新聞「大鳴門橋自転車道、本体工事完成9カ月遅れ」(2026年9月2日)
- 神戸新聞「大鳴門橋自転車道、開通時期は未定」(2026年9月2日)
- 徳島県、四国放送、徳島新聞、NHK神戸放送局などのX公式アカウント発信
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