長年、なんばの街で愛されてきた「新歌舞伎座」の意匠を継承した、ホテルロイヤルクラシック大阪。老朽化が著しかった建物は解体され超高層タワーホテルに建て替えられましたが、低層部に旧建物の意匠が再現されました。
こちらは建替え前の新歌舞伎座です。屋根の色に注目して下さい。現在のホテルロイヤルクラシック大阪とは異なり「緑青色」をしています。これは銅板屋根が経年経過で錆びて色が変わった為です。
銅の錆は酸化皮膜と呼ばれ、銅の表面に膜を張り銅板の劣化を防ぐ効果があります。その為、一定以上は劣化することが無く、非常に高い耐久性へと繋がります。この酸化被膜のおかげで、約60年と言われる非常に高い耐久性を有しています。
完成直後の銅板屋根の様子です。屋根の設置直後は新品の10円玉の様にピカピカでしたが、数ヶ月で落ち着いた褐色になりました。
こちらは2021年9月の様子です。竣工から2年3ヶ月ほど経過しましたが、ついに茶褐色の中に「緑青色」が少しづつ現れてきました!
アップで見た様子です。「緑青色」の錆びがハッキリ解ります。これから長い年月を掛けてこの「緑青色」の錆びが広がり、やがて屋根全体が美しい「緑青色」に変化します。
銅板は桃山、江戸時代より神社仏閣などで使用されるようになり、一般的に耐食性がよく細かな加工が可能で曲線を美しく表現できる為、寺社仏閣の屋根に最適な素材と言われています。また経年による屋根の色の変化を楽しむことができます。
緑青の色は長い年月を経た証であり、重厚な外観美を演出します。ロイヤルクラシック大阪の銅板屋根も徐々に変化して行くので、その色合いの移り変わりを見続けるのを楽しみにしています。
建物の経年変化を楽しむ記事
建物好きでかつ経年変化好きの私としてはすごく楽しい視点の記事でした。
建物や街の楽しみ方がまた一つ増えました
ありがとうございます^^
いい感じで渋味が出てきましたね(*´∀`)